令和元年の師走は、大掃除を早めに済ませ、比較的ゆっくりした年末になりました。
そこで、待望の子どもを授かった息子夫婦のためにお守りを授与していただこうと、安産の神様:伏見の御香宮神社へ参拝してきました。
もうすっかりお正月の準備が整った御香宮神社は、人も少なくゆっくりと参拝することができました。
ですが、楽しみにしていた石庭拝観がお休みだったのでちょっとがっかり。
代わりというわけではありませんが、御香宮神社近くの大手筋商店街にあるお寺でかっこいい御朱印をいただいてきましたよ。
一目ぼれしていただきに行ったその御朱印は、後ほど紹介しますね。
ではさっそく御香宮神社へ向かいましょう!
大鳥居が目印 御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ:ごこうぐうじんじゃ)
御香宮神社は、京都の南、伏見区にあります。
大手筋通りの商店街から少し東に行くと、大きな朱色の鳥居が見えてきます。
平安神宮の大鳥居とまではいきませんが、なかなかどうして、立派な鳥居です。
鳥居を抜けると、御香宮神社の表門です。
表門は、1622年(元和8年)に、あの水戸黄門さんのお父さん、徳川頼房が、伏見城の大手門を拝領して寄進したものです。
どっしりとした迫力のある門はさすがの貫禄ですよ。
表門をくぐると参道がまっすぐ拝殿へ続いています。
清々しい空気が満ちているようでほっとした気分になりました。
参道の左側には桃山天満宮がありますが、まずは本殿へ。
美しい拝殿と本殿の彩色
本殿とその手前の拝殿は、極彩色彫刻で飾られ、桃山時代の豪壮な特色が良く表れています。
特に拝殿正面の彫刻は、鮮やかな青色がとても美しかったですよ。
私の写真で伝わるでしょうか?
う~ん、難しい。
もう少しきれいな画像を探してみました。
こちらは春の御香宮です。
桜もきれいなんですよ。
さて、本殿で参拝です。
本殿内では、お宮参りのご祈祷をされていました。
他にもう一組お宮参りのご家族を見かけました。
やはり安産・子育ての神様、年末ぎりぎりでもこうやっていらっしゃるんですね。
こちらは本殿の装飾です(他の人の力を借りてみていただいています!)
実際に見るとホントにきれいでしたよ。
この投稿をInstagramで見る
御香宮神社は、神功皇后を主祭神として、夫の仲哀天皇、子供の応神天皇のほか、六神を祀っています。
元々は「御諸神社」と言っていましたが、864年(貞観4年)のある日、境内から香りのよい水が湧き出したのです。
そして、その水を飲んだ人の病が治ったことを聞いた清和天皇から「御香宮」の名を賜り、以来「御香宮」と称したという事です。
その湧き水は「御香水」として、名水百選に認定されています。
品質の良い水が出るおかげで、伏見はお酒の里としても栄えています。
この日も御香水を汲みに来ておられる人が数人いらっしゃいました。
御香宮神社の摂社
本殿を参拝した後は、習わしに従い左回りで摂社にお参りします。
御香宮神社の摂社は
末社:菊姫社・弁財天社・松尾社・東照宮・太神社・豊国社
四社:住吉社・八坂社・恵比寿社・八幡宮
六社:金札社・那智社・熊野社・新宮社・天満社・春日社
計十六社もあります。
とりわけ立派なのが、「東照宮」
いわずと知れた徳川家康公がお祀りされているあの「東照宮」です。
石鳥居の奥には日光東照宮を思わせるような鮮やかな彩色も施されたお社が、どーんと建っていました。
御香宮神社は、幕末の鳥羽伏見の戦いでは、討幕軍(薩摩藩など)の陣が置かれていました。
すぐ南の伏見奉行所(今は団地になり石碑が建つのみ)には会津藩や新選組など旧幕府軍がいました。
徳川を倒すために戦う藩士たちは、どんな思いでこの社を見ていたのでしょう。
伏見戦跡の石碑
桃山天満宮
表門から入って参道の東にあるのが、桃山天満宮です。
御香宮神社とは別に、社務所受付もありましたが、この日は閉まっていました。
ひっそりとした境内ですが、さすがに天満宮です。
合格祈願の絵馬がたくさん奉納されていました。
天満宮の境内には、もう一つ興味深いものが。
かつて豊臣秀吉が築城した伏見城の石垣に使われたであろう石がごろごろと無造作に置かれていました。
「おおっ、でかい」
なんか一人でテンションが上がってしまいました。
伏見義民の碑
桃山天満宮の向かいには、「伏見義民の碑」なるものが。
「伏見義民」って何だろう…?
不勉強な私は、初耳でした。
立札にはこのように書かれていました。
かいつまんでお話しするとこんな感じです。
江戸末期の伏見での話。
伏見奉行小堀政方(まさみち)の悪政に苦難を強いられていた伏見町民たち。
人々を助けんがために命がけの直訴を決行した7人の町人がいました。
自らは獄中死を遂げてしまいましたが、この7人の人たちは伏見の町民を助けた伏見義民と呼ばれているのです。
こんなすごい人たちがこの伏見にいたなんて、私はこの時まで知りませんでした。
実は後でいろいろ調べましたので、伏見義民についてはまた改めてお話ししますね。
残念!石庭は見られず!
御香宮には、小堀遠州が伏見奉行を命ぜられたときに作庭した庭園があります。
鳥羽伏見の戦いで伏見奉行所は焼け落ち、庭園も荒廃してしまいました。
近年になり、伏見奉行所跡に市営団地を立てる際、庭石などを御香宮神社へ移し、1961年(昭和36年)に昭和の名作庭家と言われた中根金作氏により「遠州の石庭」を蘇らせたのです。
後水尾天皇の命名された「ところがらの藤」や1477年(文明9年)の銘が入った手水鉢などの他にも見どころがたくさんの石庭。
でもその割に人が少ない隠れた名所です。
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
御香宮神社へ行く目的の半分くらいは、石庭の拝観だったのですが、本当に残念でした。
またリベンジします!
石庭拝観料 大人200円・学生100円
拝観時間 9:00~16:00
休館日 不定休 (残念だぁ!)
御香宮神社の御朱印は2種類と桃山天満宮の御朱印があります
御香宮神社の御朱印は、拝殿の西、石庭入り口横の社務所受付で授与していただけます。
私がいただいたのは、きれいな水色が背景の御朱印(書き置きのみ)です。
他の2種類はこちらです。
桃山天満宮もいただけばよかった。
石庭リベンジの時に絶対いただきます!
この投稿をInstagramで見る
石庭拝観できなかった分(しつこい)予定より早く帰れそうになってしまったので、もう少しぶらぶらしようと大手筋界隈をチェックしてみました。
すると、私好みの御朱印が授与してもらえる寺院を発見!
早速向かいました。
イケメン御朱印がいただける本教寺
大手筋商店街を西へ歩いていくと、商店の間にひっそりと本教寺がたたずんでいます。
注意してみていないと気付かないようなひっそり感です。
本当にここなの?
おずおずと入っていくと
ありました、本教寺です!
本教寺は、地元では大手筋の妙見さん(洛陽十二支妙見めぐり午の妙見)として親しまれています。
正式には、「福昌山 本教寺」と言い、日蓮宗本法寺派の寺院です。
境内の奥正面にある本堂は近衛関白の堀川御殿を移築した270年以上前の建築です。
山門を入ってすぐ右には1960年頃(元禄年間)に建築された妙見宮があります。
開運処とも呼ばれている妙見宮には、北辰妙見大菩薩を中心に七面天女・大黒天・鬼子母神が祀られているのですが、中が暗くてよくわかりませんでした。
境内はこじんまりとしていますが、毎年4月中旬ごろには、徳川家康の第二息女督姫(とくひめ)が慶長年間に手植えしたと言われる牡丹の花が見ごろになることから、「慶長牡丹の寺」とも呼ばれています。
さて、肝心の御朱印ですが、境内を見回しても社務所受付らしきものがありません。
でもよく見ると、本堂に向かって左手の建物がそれっぽい。
玄関の硝子戸は閉まっていて、中の様子はちょっと上品なおうちのようです。
玄関口です。きれいなので撮らせていただきました
恐る恐る戸を開けると「カランコロン」と鈴が鳴ってしまいました。
すると奥から優しい笑顔の住職さんが登場。
快く御朱印を授与くださいました。
待望の御朱印がこちらです。
バックの星とキリっとした字体がいいですね。
もし本教寺へ行かれるのでしたら、牡丹が咲く4月か木蓮がきれいな3月下旬がおすすめです。
受付玄関が閉まっていても、優しい住職さんなので安心して御朱印をいただいてくださいね。
アクセス
@京阪本線 伏見桃山駅下車徒歩4分
@近鉄京都線 桃山御陵駅下車徒歩5分
@JR奈良線 桃山駅下車徒歩7分
御香宮神社の年間行事とアクセス
御香宮神社の年間行事で地元の人が楽しみにしているのは、10月の神幸祭です。
私も息子が幼い頃に一度観に行ったことがありますが、屋台がたくさん出ていてとても賑やかでした。
神幸祭は、「伏見祭」や「花傘祭」とも呼ばれる地域最大のお祭りです。
巨大な獅子をかぶって街を走り回る「獅々若」や各町内会が趣向を凝らした花傘や神輿を持って練り歩く花傘パレードが見ものですよ。
🐰
「京都・年中行事」
御香宮神幸祭
2019年10月5日(土)~13日(日)
室町時代の風流傘の伝統を今に伝え「花傘祭」とも
御香宮神社
京都市伏見区御香宮門前町174https://t.co/bjAiNwoN71 pic.twitter.com/RHSpL3XLV5— ✿「風 Ⅳ」✿ (@eSpHpmjgIyhIrDY) October 4, 2019
他の主な行事には、
- 1月1日 若水神事
- 1月7日 七種新税(七草粥)
- 4月17日 例大祭
- 7月31日 茅の輪神事
- 12月中卯日 醸造初神事
などがあります。
アクセス
@JR奈良線 桃山駅下車徒歩6分
@京阪本線 伏見桃山駅下車徒歩5分
@近鉄京都線 桃山御陵駅下車徒歩4分
コメント