京都市中京区壬生にある壬生寺(みぶでら)は、ここ数十年で新選組ゆかりのお寺として有名になっています。
大河ドラマ『新撰組‼』が放映されていた時は、平日でも観光客が大勢いらっしゃって、大変なことになっていたものです。
かくいう私自身も、40数年前のおそらく第2次新選組ブームの時に、壬生寺を訪れ、心ときめいた覚えがあります。
ですが壬生寺は、もちろん新選組以前から当地にある歴史の古い寺院です。
今回は、新選組ゆかりとして以外の壬生寺の姿も紹介したいと思います。
壬生寺の由緒
壬生寺は、平安時代後期の正歴2年(991年)に、快賢(かいけん)僧都によって創建された、律宗のお寺です。
ご本尊は延命地蔵菩薩(重要文化財)で、ほかに水掛け地蔵や夜啼き地蔵など多くの地蔵菩薩像が祀られています。
そのため、壬生寺はお地蔵様のお寺として親しまれています。
また、壬生寺が京都の裏鬼門(南西)にあたることから、厄除け・開運の寺としても庶民の信仰を集めています。
毎年2月に行われる節分厄除大法会は、約900年の歴史を持つ壬生寺最大の年間行事となっています。
ご利益がすごい!ご本尊延命地蔵菩薩様
本堂に安置されているご本尊の延命地蔵菩薩様は、多くのご利益を授けていただけると言われています。
『仏説延命地蔵菩薩経』に説かれているのはなんと「十益」
2.身根具足(丈夫な体)
3.衆病悉除(病気平癒)
4.寿命長遠(長生き)
5.聡明知恵(知恵)
6.財宝盈溢(金運)
7.衆人愛敬(人からの敬愛)
8.穀米成就(穀物の実り)
9.神明加護(神々の加護)
10.大菩提証(悟り・極楽往生)
ご利益オンパレード!
慈愛豊かなご本尊様ですね。
壬生寺の境内
壬生寺の表門は坊城通りに、南門は仏光寺通り、北門は綾小路通りに面しています。
境内には、保育所や老人ホームもあり、広い境内は地元の人たちの憩いの場となっています。
表門から入ると正面に本堂が見えます。
本堂に向かって右側には、
左側の老人ホームの隣には
本堂の左隣には、千体仏塔という室町時代以降に造られた阿弥陀如来像や地蔵菩薩像などちょうど千体が、円錐形に安置されている仏塔があります。
本堂に向かって歩いていると、すぐに目につくくらい目立っていて、その大きさと迫力にびっくりしますよ。
本堂の右側にある保育園の後ろには、狂言堂(大念仏堂)があります。
狂言堂では、毎年春と秋と節分に壬生狂言が演じられます。
壬生狂言
壬生狂言は、正しくは「壬生大念佛狂言」と言い、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
京都では「壬生寺のカンデンデン」という愛称で呼ばれることもあり、古くから親しまれてきました。
始まったのは約700年前の鎌倉時代です。
壬生寺を興隆した円覚上人が、大念佛会という法会を行った際、民衆が多く、声が届かないような状態の中、最もわかりやすい方法で仏様の教えを説こうと考えられます。
そこで、身振り手振りの無言劇の形をとった念佛を考え出されたそうです。
すべての演者が仮面をつけて、セリフは全く用いずに無言で演じられる壬生狂言は、楽しい筋書きや身振りの中に、仏様の教えを表す宗教劇だったのです。
難しいことは置いといて、にぎやかなお囃子に合わせた面白い劇をまず一度ご覧になってください。
なんか楽しいんです!
春の大念佛会
4月29日~5月5日 13時~17時30分(5月5日のみ18時~22時もあり)
大人1000円 中高生500円 すべて自由席
秋の特別公開
10月の連休3日間 13時~17時30分
大人1000円 中高生500円 すべて自由席
節分の公開(壬生狂言「節分」の上演)
2月の節分前日と当日 13時~20時 毎時0分より開演
無料公開
壬生寺と新選組
新選組は、西本願寺へ屯所を移すまで、壬生寺の隣にある八木邸とその斜め向かいの旧前川邸、(現存していませんが)南部邸を屯所として京の治安を守っていました。
壬生寺は、その広い境内に大砲を運び入れて訓練をしたり、隊士たちの調練の場として使われていました。
そのため、隊士たちの逸話も残っています。
新選組が相撲興行を行ったというのは結構有名ですよ。
壬生寺の基本情報
壬生寺の境内は自由に入ることができます。
御朱印は、すべて寺務所でいただけますよ。
8時30分~17時壬生塚・壬生寺歴史資料館
公開時間 8時30分~16時30分
参拝・拝観料 大人200円 小中高生100円中院
公開時間 9時~16時
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