日本の暦 【雑節】彼岸の行事について

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二十四節気・雑節
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春分と秋分を中日として前後3日、合わせて7日間が彼岸です。

彼岸と言えば、お墓参り。

ご先祖様に手を合わせ、感謝をするという習慣があります。

実は彼岸の行事は、日本だけの風習なのです。

それは、日本独特の文化・風土が関係していました。

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彼岸の由来

仏教では、私たちが生きているこの世界を此岸(しがん)、三途の川を挟んだ向こうの、ご先祖様の霊が住む世界を彼岸(ひがん)と考えています。

彼岸は、西のかなたに、此岸は東にあるとされています。

春分と秋分は、太陽が真東からのぼり、真西に沈みますね。

昔から、神仏両方を祀るという風土のある日本では、太陽を神と考えて信仰していました。

これらのことがリンクして、太陽が真西に沈む春分・秋分の日には、この世(此岸)からあの世(彼岸)への道が通じやすくなると考えられたのです。

彼岸に先祖供養をすれば、ご先祖様にしっかり感謝が伝わるから、この時にこそお墓参りをしよう…という風になったんです。

気候の和らぐ彼岸

お墓参りに行くのは、彼岸に通ずる日だというだけでもありません。

「暑さ寒さも彼岸まで」

という言葉をお聞きになったことはありませんか?

これは、夏の厳しい暑さも、冬の凍えるような寒さも、それぞれ秋の彼岸・春の彼岸の頃には、和らいでくるという意味です。

外出するのにちょうどよい気候で、家族みんなでお墓参りもしやすい時期だというのも、彼岸のお墓参りが定着した理由の一つだと思います。

お盆のお墓参りは、結構ハードですもん

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彼岸の過ごし方

彼岸の行事の中心はお墓参りですので、基本的なお墓参りの仕方を紹介します。

お墓参りの仕方

お墓参りは、彼岸の期間中で都合の良い日に行けばよいのですが、できれば午前中にしましょう。

もちろんお昼からでもよいのですが、夕方にかかるくらい遅い時間はさけたほうがいいですね。

昼と夜の境目である夕方は「逢魔ヶ時(おうまがとき)」と言って、魔物と遭遇しやすい時間帯だと昔の日とは考えていました。

墓地は、生者と死者の交わる場ですから、余計にこのような時間は避けておいた方がよいでしょう。

服装は、普段着で大丈夫です。

足元は、歩きやすい靴にしましょう。

ピンヒールなどは、転びやすいので避けた方が無難です。

お墓参りの準備

準備するもの

  • 数珠
  • 線香とライター
  • ろうそく(お墓によっては不要)
  • お供えの花
  • お供え物
  • お墓を掃除するためのスポンジ
  • 水けを取るためのタオル(清潔なら新品でなくても大丈夫)
  • 花切ばさみ
  • ほうき
  • 手桶と柄杓
  • ゴム手袋
  • ゴミ袋

お墓の場所によっては、手桶や柄杓、ほうきは必要ないかもしれません。

花切ばさみは、なくても良いのですが、あると便利です。

お花屋さんで買ってきた花が、お墓の花立に入れると、いやに背が高くなってバランスが悪いことがありますので、さっと切れます。

お供え物は、何でもいいのですが、わかっていれば、ご先祖の好物などがいいですね。

ライターは、前もって着火するか確かめておいた方がいいです。

いざというときに、全然着火しなくて困ったことがあります。

お墓参りの流れ

お墓についたら、まずお墓にお辞儀、両隣のお墓にも一礼します。

寺院墓地の場合でしたら、本堂へお参りするのも忘れずに。

それから

    1. お墓の周りのごみなどを取り除く
    2. 少しずつ水を墓石に流しながら、スポンジなどで汚れを落とす(墓石に傷がつきますので、たわしなどは使わないでください)
    3. タオルで墓石の水けをふき取る
    4. きれいな水で墓石の前に打ち水をする
    5. 墓に花を立て、水鉢(墓石の中央前のくぼみ)に水を入れる
    6. お供え物を置く
    7. 線香をあげ、合掌。ご先祖様に、見守ってくださっていることの感謝と、家族や自分についての報告をしましょう。(線香の火は、口で吹き消さずに手で振るようにして消してください)

お供え物は、お墓参りが終わった後は必ず持って帰ってください。

そのままにしておくと、墓石にシミができたり、烏が荒らしたりすることがあります。

お墓参りのおおまかな流れはこんな感じです。

少々段取りが違っても、忘れ物があってもいいですよ。

大事なのは、感謝の心です。

ぼた餅とおはぎ

お墓参りが無事終わったら、おやつの時間をしましょう!

彼岸にいただくものと言ったら、

ぼた餅やおはぎ

ええっと、どっちがどっち?

実は、どちらもおんなじなんです。

厳密に言うと、

春の彼岸には、春に咲く牡丹にちなんで「ぼた餅(牡丹餅)」

お餅を包む小豆あんは、固い皮を取ったこしあん

 

秋の彼岸では、秋に咲くにちなんで「おはぎ(お萩)」

小豆は秋に収穫されるので、皮ごと使ったつぶあん

となります。

美味しければ、なんでもいいけどね

お餅には五穀豊穣、小豆の赤色は魔除けのおまじない効果があると言われていて、日本の行事やお祝いなどにもふるまわれることが多いです。

「棚からぼたもち」とは、思いがけなく良いことがやってきたという意味ですが、ぼた餅がまさに幸運のシンボルとされているくらいだったのです。

彼岸花

秋の彼岸頃に咲く真っ赤な花。

別名「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)」とは、サンスクリット語で「天界に咲く花」という意味があります。

お墓参りの花にも使われて、彼岸花を見ると秋の訪れを感じるとともに「お墓参りに行かないと」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

終わりに

今回は【雑節】の1つ、彼岸についてお話ししました。

実家を離れて暮らしている方や離れた故郷にお墓がある方は、めったにお墓参りはできないかもしれません。

ですが、自分が今ここに生きているのは、両親・祖父母・曽祖父母そしてもっと前からずっと続いてきた命のおかげです。

神様や仏様を信じていない方でも、自分の命とずっとつながってきた絆に変わりません。

環境によっては簡単にお墓参りができない方もいらっしゃると思いますが、そんな時は、おうちでご先祖様に感謝しましょう。

そして、できることなら1年に1回でも、2~3年に1回でも、何かのついででもいいですので、たまにはお墓参りでご先祖様にご挨拶をしてみましょう。

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