在原業平の生涯とそのプレイボーイぶりとは? 業平が詠んだ和歌も紹介

在原業平歴史人物

平安時代のイケメンとして名高い在原業平。

人気の漫画「応天の門」は、菅原道真と怪事件を解決するバディとして色男の業平がとても魅力的に(個人の見解です!)描かれています。

でも実際の在原業平とはいったいどんな人物だったのでしょうか。本当にイケメンでモテモテだったのか、はたまた全く違った人物像なのか。

期待と不安を持ちながら、調べてみました。

さあ結果発表です。

イケメン好きのあなたも歴史好きのあなたも、こうご期待!

在原業平の生い立ち

業平は825年(天長2年)に誕生しました。

  • 父は阿保親王(平城天皇の第一皇子)
  • 母は伊都内親王(桓武天皇の皇女)

ここから少しややこしいのですが、業平は

  • 父の家系から見ると平城天皇の孫で桓武天皇の曾孫にあたり
  • 母の家系から見ると桓武天皇の孫にあたります

う~ん、平安貴族のこんがらがった関係図が…。

どっちにしろ業平の家系は、とっても高貴で身分の高い貴族だったのです。

ところが、業平が生まれる十数年前に「薬子の変」が起こり、業平の家系は皇位継承から外れてしまいました。

 

薬子の変を超簡単に解説

平安京へ遷都をした桓武天皇が亡くなったのち、桓武天皇の皇子平城上皇(兄)と嵯峨天皇(弟)が天皇の位を争いました。

しかし、平城上皇はこの争いに敗れ出家し、平城上皇の後ろについていた藤原仲成・薬子兄妹は謀殺・自殺します。

平城上皇は、藤原兄妹にそそのかされていたとの見解から「薬子の変」と呼ばれています。

 

藤原薬子という女性、その魔性の魅力で平城上皇を操ったとかいう話もあります。

なんか面白そうなので、また別の機会に紹介しますね。

本来なら、業平は親王の身分にもなる可能性があったのですが、業平の父阿保親王は、業平が生まれた翌年に皇族から離れ、在原朝臣姓を名乗りました。

ここに、稀代のプレイボーイ(かもしれない)「在原業平」が誕生したのです。

業平の生涯

845年(承和12年)業平は、蔵人(くらうど:秘書のような役割)として仁明天皇に仕えていました。

その後849年(嘉祥2年)には無位から従5位下へ昇進します。

ですが、仁明天皇が崩御し、文徳天皇が即位するとともに業平の昇進は止まります。

文徳天皇の時代は、官位についていた記録もなく、しばらく不遇の時代を過ごしていたようです

文徳天皇が崩御して清和天皇が即位すると、再び昇進し始めます。

業平33歳の頃からです。

従5位上(左兵衛権佐→左近衛権少将→右近衛権中将)→正5位下→従4位下

次々に昇進していき、次の陽成天皇の時代も順調に昇進していきます。

従4位上→蔵人頭

ついに蔵人頭という要職に就いたのです。

879年(元慶3年)業平は54歳になっていました。

この頃には、文徳天皇の皇子・惟喬親王(これたかしんのう)に仕えて、和歌の指導なども行っています。

しかし、わずか1年後の880年の5月28日、在原業平は亡くなりました。

まだまだ昇進、活躍が期待できる時期の惜しい死だったと考えられます。

業平ってどんな人だったの?

一般的に在原業平のイメージと言えば、イケメンで和歌を詠むのが上手いプレイボーイという感じです。

平安初期の歴史書『日本三代実録』にも業平についてこのように書かれています。

「体貌閑麗、放縦にして拘らず、略才学無し、善く倭歌を作る」

「美男子でスタイル抜群、自由奔放だけど、基礎的な学力は無い。でも優れた和歌を作る」

今でいえば、イケメンの文学青年でしょうか。

肉体派というよりは繊細できれいな男性だったようですね。

私の個人的なイメージは、中村倫也さんとか成田凌さんかな?

あくまで個人的な感想ですよ!

もちろん女性関係もイケイケ?!

コレだけのいい男なら、平安の女性が放っておくわけがありません。

噂になった女性は数知れず!(知らんけど)

たとえば

  • 小野小町(小町にはふられたらしい)
  • 藤原高子(清和天皇女御のち皇太后)
  • 恬子内親王(惟喬親王の妹)

他にも高貴な女性との許されざる恋を楽しんでいたようですよ。

今なら大変なところですね。

業平の和歌を紹介

モテモテ業平の大きな魅力の一つが和歌です。

平安時代は、和歌のやり取りが恋の成立に大きな役割を果たしていました。

和歌を作るのが下手な男性は、女性に相手にされなかったようですよ。

業平の和歌で有名なものと言えば、「ちはやふる」で知られているこちらです。

「ちはやふる 神代(かみよ)もきかず竜田川 から紅(くれない)に水くくるとは」

竜田川に紅葉の赤色が鮮やかにくくり染にしているなんて、神々の時代にも聞いたことがない(くらい美しい)

この和歌は『小倉百人一首』に選ばれていますので、あなたもご存じではないでしょうか。

他に知られている和歌にはこのようなものがあります。

どれも『古今和歌集』に選ばれている和歌ですので、もしかしたらどこかで聞いたことがあるかもしれませんよ。

 

「名にし負はば いざこと問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」

都鳥よ、都という名がついているのなら、さあたずねよう。「私が想い続けているあの愛しい人は、都で暮らしているのかいないのか」と。

「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」

この世の中に桜が全くなかったならば 春を迎える人々の心はのどかだったろうに

桜を女性に例えているとも考えられています。

いつ咲くかいつ散るかと気もそぞろになってしまう人々の心にいつも不安定な恋心を重ねていると考えると切ない歌に感じます。

「忘れては 夢かとぞ思ふ 思ひきや 雪踏みわけて 君を見むとは」

現実をふと忘れ夢かと思ってしまう 深い雪を踏み分けて、山深い里に住むあなた(惟喬親王)にお目にかかるとは

剃髪して小野の里に住む惟喬親王に会いに行った時の侘しい様子を詠んだ歌

 

「月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ 我が身ひとつは もとの身にして」

あの月はいつもの月ではないのか この春は過ぎ去った以前の春ではないのか。私だけが元の私のまま変わらない(私以外はすっかり変わってしまったのではないだろうか)

皇太后となり遠くへ行ってしまった藤原高子を想って詠んだ歌

情熱的な心を美しく表現した和歌は、今の私たちにもよくわかる部分もあるのではないでしょうか。

業平が登場する作品

若干私情が混じっているかもしれませんが、どれも興味深い作品ですよ。

 

「在原業平」 中野方子著

業平のことや和歌をきちんと知りたい人ならまずこの本です。専門的でありながら、とても読みやすい本です。

 

「月蝕 在原業平歌解き譚」 篠綾子著

生意気盛りの惟喬親王に懐かれる色男在原業平。皇位継承をめぐって親王の周囲に暗雲が立ち込め、危険が迫る中、親友の陰陽師葛木行貞と共に親王を守ろうとする業平を描く平安王朝ミステリー。キャラ読み嗜好の方におすすめの一冊です。

 

ここからは、おすすめの漫画です!

「超訳百人一首 うた恋い。」 杉田圭著

百人一首の恋歌を中心に超訳されたラブストーリーです。在原業平の他にも紫式部や小野小町らの和歌に秘められた物語をコミック化。在原業平の物語は第2巻に掲載されています。

「応天の門」 灰原薬著

引きこもり学生菅原道真と超絶艶男在原業平が平安京に起こる怪奇事件に立ち向かう。性格も身分も年齢も違う二人の活躍が見ものです。


最後は、在原業平がモデルになっているという「伊勢物語」です。

恋多き在原業平の生涯を和歌と共に語る物語です。現代語訳や漫画など、様々な「伊勢物語」がありますので、あなたのお好きなものを選んでみてくださいね。

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終わりに

今回は、在原業平の生涯や人となりについてお話ししました。

ただのイケメンプレイボーイというだけではなく、平安の都で朝廷の権力争いの中でほんろうされながら生きていった業平をほんの少しでも知っていただけたら幸いです。

 


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