新選組美男五人衆 山野八十八は本当にイケメンだった?その人物像とは?

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新選組のイケメンと言えば、副長・土方歳三、原田左之助がよく知られています。

しかし、彼らとは別に美男五人衆と称されていたイケメン隊士がいたのです。

その中でも維新後も比較的穏やかな暮らしをしていたとされる山野八十八。

今回は、山野八十八についてお話しします。

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山野八十八の経歴

山野八十八は、天保13年(1842年)に加賀で生まれたと言われています。

新選組に入隊したのは、文久3年(1863年)で、島田魁や尾形俊太郎らが入隊した同じ時期ということですから、おそらく壬生浪士隊として初めて隊士を募ったときの入隊者ではないでしょうか。

島田や尾形と違い、山野はずっと平隊士でしたが、剣の腕はなかなかのものだったようです。

永倉新八が明治期に残した『浪士文久報国記事』の中には、山野が出動した事件について書かれています。

八月下旬頃日不詳

四条堀川西へ入る所で米屋を営む者があり(中略)鉄砲を持った者三人が押し込み強盗に入った。ただちに新選組に連絡があり、すみやかに永倉新八、斎藤一、平山五郎、中邨(中村)金吾、山野八十八が駆けつけた。(中略)一発打たれ、(五人は)大いに驚いたが怪我はなく、抜刀して少し戦って、ついに賊を討ち取った。(中略)朝廷より御褒美を賜る。  『浪士文久報国記事』

この事件で山野は、永倉、斎藤、平山という剣の使い手とともに出動しています。

剣の腕が買われてたことがうかがえる事件です。

池田屋事件での山野

記録としては残っていませんが、その後も山野は新選組隊士として、日々隊務をこなしていました。

そして、新選組の名を一躍有名にした池田屋事件では?

山野は、屯所を守る役目についていたらしく、出動していません。

副長・山南敬助とともに、万一屯所が襲われたときの留守組となっていたようです。

しかし、その年の12月に作成された新選組行軍録には、沖田総司が率いる一番隊に所属しています。

最も危険な任務にあたる一番隊に配属された山野は、やはり剣の腕が相当あったと考えられますね。

函館戦争まで新選組として戦った山野

山野は、その後鳥羽伏見の戦いから甲州勝沼の戦いを経て、会津、箱館まで新選組隊士として戦っています。

しかし、戊辰戦争終結後の降伏者名簿に山野の名はありません。

おそらく降伏前に脱走したのではないでしょうか。

元新選組隊士は、日本のどこにいても命を狙われる状態でしたので、維新後しばらくはどこかへ隠れていたようです。

京都へ戻った山野

山野が明治の時代をどのように生きたのかを知る具体的な資料はほとんどありません。

しかし、明治22年(1889年)に、土方歳三の甥・佐藤俊宣が京都を訪れたときに山野に会ったといわれています。

その時点で山野は、河原町五条にあった菊浜小学校の小使い(用務員のような仕事)をしていたそうです。

山野は、そのころ同じ京都に住んでいた島田魁とも連絡を取っていたようで、佐藤俊宣は、山野から島田を紹介されました。

新選組隊士として死と隣り合わせの暮らしをしていた山野と島田。

明治という時代のもとで、彼らはどのような会話をしていたのでしょうか。

山野は明治29年(1896年)に菊浜小学校を退職し、明治43年(1910年)に亡くなりました。

享年69歳でした。

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山野八十八は本当にイケメンだったのか?

新選組美男五人衆とされていた山野ですが、本当のところはどうだったのでしょうか?

山野については、子母澤寛氏の新選組三部作の1つ『新選組物語』の中に書かれています。

加賀金沢藩の脱藩で山野八十八。これは二十一か二位で、愛嬌のある実に可愛らしい顔付であった。色が白く眼は細いが、いつもにこにこして、かつて腹を立てた顔を見せたことが無かったという。それで、内心はなかなか強情でもあったし、しっかりもしていて、剣術も相当に使った。  『新選組物語』

その山野に、壬生の屯所裏にあった「やまと屋」の看板娘が惚れこみます。

娘の方から付文(ラブレター)をし、すぐに恋仲となりました。

着物 女性

鳥羽伏見の戦いより少し前、新選組が京を離れる直前に、娘は山野の娘を産んでいたそうです。

身を切られる思いで山野は江戸へ向かい、箱館まで戦い続けましたが、敗戦後に京へ戻ってきたのは、やはり娘のことが気になっていたからではないでしょうか。

やまと屋の娘との間に出来た女の子は、祇園の芸妓となり、山野を引き取っています。

新選組隊士として壮絶な青春を過ごした山野は、その青春期に授かった娘とともに幸せな晩年を過ごしたのです。

新選組美男五人衆とは?

山野八十八もその一人だった、新選組美男五人衆とは先ほども紹介した『新選組物語』の中で登場するエピソードで、山野以外には次の4人の若手イケメン隊士について書かれています。

  • 佐々木愛次郎(ささきあいじろう)…恋人共に非業の最期を遂げた隊士
  • 楠小十郎(くすのきこじゅうろう)…長州の間者として原田左之助に斬られた
  • 馬越三郎(まごしさぶろう)…男色の毛がある武田還流際に言い寄られ、脱隊
  • 馬詰柳太郎(まづめりゅうたろう)…親子で入隊後、体内のいざこざが原因(?)で隊を脱走

各隊士の詳しい情報などは、また別の記事で紹介しますので、お楽しみに!

新選組美男五人衆に興味のある方は、こちらのコミックがおすすめです。

まさにイケメン君が勢ぞろいです。

こちらも美男五人衆が主人公。

ギャグあり、シリアスありの青春活劇風で切ないけれど、スカッとします。

新選組歴史人物
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