小春日和の一日、久しぶりに娘と外出しました。
午前中だけのお出かけでしたので、京阪四条駅から徒歩数分で行ける建仁寺へ。
交通の便が良くて四条通りからも近いのに、なぜか今まで一度もお邪魔したことがなかったので、わくわくして門をくぐりました。今回は、思い切り堪能した建仁寺を詳しく紹介します。
是非最後まで読んでくださいね。
建仁寺へ行ってみよう!
建仁寺の最寄り駅は、京阪祇園四条駅です。
南座横の出入り口から東へ行くと、初めの信号を右:大和大路通を南に歩きます。
狭い道がしばらく続き、急にひらけると建仁寺の門が見えます。
でも、そこで建仁寺に入らずにもう少し南の八坂通りを左へ折れると、建仁寺の勅使門が見えてきます。
国の重要文化財で、柱や扉に戦乱の際についた矢の痕があることから「矢の根門」「矢立門」と呼ばれています。
勅使とは、天皇の代理として使者にたつ役職のことで、勅使を受け入れる寺社や仏閣には専用の門が設けられています。
ですので、残念ながら私たち一般人は通ることができません。
勅使門の前を過ぎた路地から建仁寺に入ることになります。
私たちは、大和大路通りの門から入りましたが、清水方面から来られる場合は、八坂通りの入り口の方が入りやすいと思います。
建仁寺境内出入り口は、花見小路通りにもありますよ。
そちらには駐車場が隣接していますが、収容台数は40台ほどですので、できれば徒歩の方がいいですね。
早速建仁寺を拝観!
まずは、建仁寺の由縁を紹介します。
京都最古の禅寺 建仁寺の歴史
臨済宗建仁寺派大本山建仁寺は、建仁2年(1202年)、時の将軍源頼家が土地を寄進して、臨済宗開祖栄西禅師により、開山されました。
寺の名前は、元号「建仁」をとり、山号は「東山(とうざん)」と称しました。
しかし、応仁の乱で焼失荒廃し、再興されたのは、1573年以降の天正年間です。
安国寺恵瓊(あんこくじえけい)が復興し、徳川幕府に保護され、明治に入ると臨済宗建仁寺派として分派独立し、大本山となりました。
いざ、建仁寺伽藍へ
先ほど紹介した勅使門から真っ直ぐ北に
三門=法堂=方丈
が並んでいるのは、禅宗のお寺の特徴です。
建仁寺方丈と法堂(はっとう)には、方丈の隣本坊(庫裏)の拝観入り口から入ります。
拝観受付を済ませて、自分の靴は自分で持ち(ビニール袋が備えてあります)正面を見ると、あの「風神雷神図屛風」が!
もちろん複製ですが、それでも素晴らしい!
じっくりと鑑賞した後、受付横で御朱印の授与をお願いしました。
志納料は300円です。
建仁寺は、多くの授与希望者がいらっしゃるので、御朱印帳を預けて、番号札を受け取り、拝観が終わってから受け取るというシステムになっていました。
〇△□の庭
拝観入り口から小書院へ向かう途中には「〇△□の庭」があります。
読み方はそのまま、「まるさんかくしかくのにわ」
少しわかりにくいですが、井戸の□(地)・木の根元の〇(水)・白砂で形どった△(火)が禅宗の四大思想(地水火風)を象徴しているそうです。
と言われても、あまりピンときませんでしたが・・・。
でも美しい庭です。
潮音庭(ちょうおんてい)
小書院と大書院の間にある中庭が「潮音庭」です。
苔が美しく、中央の三尊石と座禅石を囲むような紅葉から癒しのパワーが出ているようです。
もう少し時期が遅ければ、真っ赤に紅葉した木々でもっとパワーが強くなりそう。
こんな庭が家にあれば、ストレスがすぐに解消されそうです!
大書院から潮音庭を眺めていると、その向こうに鮮やかなブルーが見えました。
その正体がこちら。
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目にも鮮やかなブルーの襖絵です。
ホントにきれいでした。
茶室 東陽坊
豊臣秀吉が催した北野の大茶会で、利休の高弟真如堂東陽坊永森が担当した副席(薄茶席)と伝えられています。
茶室、見たかった!
東陽坊 建仁寺 京都
納骨堂の裏・北側にある二畳台目の茶室です。 pic.twitter.com/lAP7KkPm8R
— 建築ブックマーク (@kbookmark) November 9, 2018
方丈から大雄苑(だいおうえん)
方丈は重要文化財に指定されています。
ご本尊は、東福門院寄進の十一面観音菩薩像。
ご本尊の隣には、高精度複製「風神雷神図屛風」、別の部屋には海北友松の「雲龍図襖絵」の高精度複製など、豪華な展示品があります。
方丈に面してあるのが、「大雄苑」です。
大きな法堂をバックにした雄大な枯山水庭園に、時間を忘れて娘と二人で、方丈の広縁に座り、ただただ眺めていました。
法堂 双龍図
法堂は、別名「拈華堂(ねんげどう)」と言い、ご本尊は釈迦如来座像、脇侍迦葉尊者、阿難尊者がお祀りされています。
そして、今回一番楽しみにしていたのが「双龍図」
いよいよご対面、「ワクワク!」
見上げると、息をのむ大迫力の双龍が。
覆いかぶさってくるような迫力の龍にしばらく見とれてしまいました。
あそこに描くの大変やろなぁ
天井に直接描いてるわけがないやん
でも、本当にどうやって描いたのでしょうか?
思いもよらなかったコケ寺リウムとの出会い
苔テラリウムとは、ガラス容器の中で苔などの植物を栽培することです。
ミニチュアなどの置物を入れて、小さな世界を楽しむことができます。
以前から気になっていて、写真ではなく実際に見てみたいと思っていたところ、偶然にも建仁寺で見つけてしまいました!
それが、「コケ寺リウム」です。
苔テラリウムと寺を掛け合わせた造語で、ガラス容器の中に寺院のジオラマと庭園を苔で再現したものです。
ミニチュア大好きの私は、思わず「うわぁ~!」と声を出してしまいました。
こちらはモシュ印(御朱印と苔の英訳Mossを掛け合わせた造語)
これは、京都市内の寺院で展開されているキャンペーンの一つだそうで、他に7ヶ所の寺院にコケ寺リウムが展示されています。
期間は12月8日までということですので、他のコケ寺リウムも観に行こうと思っています。
詳しくはモシュ印/コケ寺リウム Instagram投稿キャンペーンへ
苔テラリウム、まず簡単キットで始めてみませんか?
建仁寺の御朱印
建仁寺をゆっくりと拝観させていただいたあとに、お待ちかねの御朱印帳を受け取りました。
建仁寺法堂の拈華堂の御朱印です。
建仁寺境内の塔頭寺院を紹介
建仁寺には、三門・法堂・方丈を囲むように多くの塔頭寺院などが配置されています。
塔頭寺院には、拝観できないところもありますので、拝観できるおすすめの場所を紹介しますね。
摩利支天堂
勅使門の西にある禅居庵の境内にある摩利支天堂は、古代インドの女神「摩利支天」がお祀りされています。
開運・勝利の御利益があり、亥年生まれの守り本尊です。
霊源院
建仁寺境内の東南角に位置します。
室町時代、応永年間の創建。
京都五山と鎌倉五山の代表的学僧が多く輩出されており、一休宗純も幼い頃に学んだと言われています。
毘沙門天立像が素晴らしいです!
霊源院では、座禅や写経・写仏の体験ができるほか、お茶席も体験できます。
詳しくは霊源院の公式サイトをご覧ください。
開山堂
建仁寺の開祖栄西禅師の墓所です。
栄西禅師お手植えの菩提樹が、今なお茂っています。
両足院
法堂の東に位置している塔頭です。
両足院でも、座禅や写経の体験ができます。
座禅・写経とも詳しくは両足院の公式サイトをご覧ください。
正伝永源院
方丈の北側に位置している正伝永源院は、鎌倉時代の創建ですが、戦国時代の戦により荒廃しました。
江戸時代初めに織田信長の13歳下の弟である織田有楽斎により再興され、室町時代から縁のあった細川家(熊本藩主)とともに織田有楽斎の菩提所にもなっています。
狩野永徳の弟子にあたる山楽の襖絵や織田有楽斎像など多数の芸術品が所蔵されていますので、一見の価値ありですよ。
正伝永源院公式サイトはこちらです。
今回私たちは、午前中の限られた時間しかなかったので、建仁寺方丈と法堂を中心に拝観し、塔頭寺院の方は駆け足での拝観にとどまってしまいました。
ですので、次は塔頭寺院を中心にめぐってみようと思っています。
その時は、またリポートしますので、お楽しみに!
建仁寺 基本情報
拝観料(方丈・法堂)一般500円・中高生300円・小学生200円
拝観時間 10:00~17:00
アクセス
京阪電車祇園四条駅より徒歩7分
阪急電車河原町駅より徒歩10分
京都駅より市バス206系統・100系統
「東山安井」より徒歩5分
「南座前」より徒歩7分
「祇園」より徒歩10分
「清水道」より徒歩10分
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