京都東山の円山公園は春の枝垂れ桜で有名です。
子供たちが小さな時にはよく遊びに行きましたし、私自身も子供のころによく連れて行ってもらいました。
桜の時期を除けば、比較的静かで、子供たちが足をつけて遊んでも危なくないくらいの小さな川もあります。
今回紹介する安養寺は、そんな京都市民憩いの場ともいえる円山公園のもっと奥にあります。
安養寺の由緒
安養寺は、平安時代の延暦年間(782~806年)に、伝教大師最澄が桓武天皇の勅命によって建立されたのが始まりです。
山号は慈円山、ご本尊は阿弥陀三尊立像です。
平安後期には、浄土宗宗祖・法然上人がこの地に”吉水草庵”を立て、浄土宗布教の中心地としました。
浄土真宗宗祖の親鸞上人も吉水草庵で法然上人の弟子になり、修行をしています。
その後、次第に衰退しますが、南北朝の時代に時宗の国阿上人が再興し、以後は時宗のお寺になりました。
明治に入ると、「廃仏毀釈」に伴い、八坂神社や長楽寺などとともに、境内の一部が没収されました。
現在の円山公園は、この時安養寺から没収された場所に造られた公園です。
そのため慈円山という安養寺の山号から、円山公園と名付けられたのです。
なんて言ってますが、私も安養寺を調べて初めて知りました。
幼い時から知っている円山公園だったのに、その名の由来はまったく気にしてませんでした。
京都は歴史が古いだけに、ちょっとした名前にも、驚くような由来がある場合も多いです。
これからも、どんどん発見していきますよ~!
安養寺の見どころ
以前は境内に、也阿弥・眼阿弥、・重阿弥・左阿弥、・連阿弥、・正阿弥という坊と本坊を構えた堂々たる山寺でした。
重阿弥は、元禄時代に赤穂浪士が討ち入りを決定した円山会議を開いたところとして知られています
明治時代に寺域が大きく縮小されていますので、現在は、本堂・書院・聖天堂(雨宝堂)と50mほど南の飛び地に弁天堂があるのみです。
総門からチョットした階段を上ると静かな本堂前に出ます。
本堂前からは、京都市街がよく見えますよ。
吉水弁天堂
「円山の弁天さん」と親しまれている弁天堂は、技芸上達の信仰を集めています。
弁天堂の近くには、”吉水”の名の由来となった”吉水の井”が残され(今は枯れています)、堂の後ろには、高さが3m近い石造りの宝塔があります。
宝塔の塔身には、釈迦如来と多宝如来が浮き彫りにされていて、国指定の重要文化財になっています。
安養寺 基本情報
拝観時間 8:00~17:00
拝観料 ご志納
アクセス
京阪本線 祇園四条駅下車 徒歩20分
阪急京都線 河原町下車 徒歩25分
市営地下鉄東西線 東山駅下車 徒歩17分
市バス 12・31・46・80・急100・201・202・203・206系統 祇園下車 徒歩15分
詳しくは「歩くまち京都」で検索してみてくださいね
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