2024年の特別拝観で相国寺の「鳴き龍」に会う!美術館では若冲に応挙が!

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相国寺
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相国寺は、日本最古の法堂建築と広大な寺域で知られた臨済宗のお寺です。

辰年の2024年春の特別拝観では、「鳴き龍」と呼ばれる「幡龍図」を見ることができます。

また、境内にある美術館には、伊藤若冲や円山応挙、長谷川等伯らの作品が収蔵されています。

今回は、相国寺の見どころをたっぷりと紹介したいと思います。

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相国寺について

相国寺の正式名は「萬年山 相国承天禅寺」といいます。

室町幕府第3代将軍・足利義満が永徳2年(1382)に創建しました。

開祖は夢窓礎石で、創建当初は総敷地が約144万坪で50余りの塔頭があったそうです。

北は上御霊神社、南は御所の手前、西は大宮通り、東は寺町通りまでが相国寺の敷地…今の京都市の地図で確認するとえらいことになっています!

それほど広い敷地を持っていた相国寺でしたが、応仁の乱などで何度も焼失しました。

特に江戸時代の天明の大火では、焼失後に復興できない塔頭も少なくなかったそうです。

そして現在、相国寺の敷地は約4万坪、塔頭は13となりました。

それでも十分に広いです!

ちなみに、境外塔頭として金閣寺(鹿苑寺)・銀閣寺(慈照寺)・真如寺があります。

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相国寺の境内

相国寺の総門は、御所の北・今出川通りから少し入ったところにあります。

総門の左手に勅使門(通常は閉門されています)があり、その北一直線上に法堂と方丈が並んでいます。

これは禅宗の寺院特有の伽藍配置ですが、相国寺の場合は法堂の手前にあった仏殿と三門が復興されなかったため、現在のような配置になっています。

では総門から境内へ入ってみましょう。

総門と勅使門

総門は普段使用されている門で、勅使門は朝廷の使いが来られるなど、特別な時だけに使用されていた門です。

天明の大火などによる焼失のたびに再建され、現在の総門は寛政9年(1797)に復興されたものだということです。

勅使門は、天明の大火を免れたため、慶長年間に再建されたものと伝わっています。

総門をくぐって左には、放生池があり、天界橋が架かっています。

放生池越しの勅使門 木のお手入れ中のようで、門が開いていました。

三門跡と仏殿跡

放生池の北に三門跡、その北に仏殿跡があります。

どちらにも数個の礎石が残っているだけです。

法堂

「幡龍図」のある法堂は、慶長10年(1605)に豊臣秀頼が再建(5回目の再建)したもので、日本最古の法堂建築です。

最初の法堂は「法雷堂」と呼ばれていましたが、現在の法堂は「無畏堂(むいどう)」と呼ばれています。

畏れることなく法を説くためのお堂という意味です。

法堂内部

法堂には、ご本尊の釈迦如来像と脇侍の阿南尊者(あなんそんじゃ)・迦葉尊者(かしょうそんじゃ)の像がお祀りされています。

そして天井には、「鳴き龍」として知られる「幡龍図」

堂内のある位置で手を叩くと「カラカラ」という音が返ってくるという話。

実際に手を叩いてみると…確かに「カラカラ」「コロコロ」みたいな音が返ってきました。

でもほかの人が手を叩いている側にいても聞こえません。

決められた場所で叩くと本人だけに聞こえるのです。

この龍を見ながらぐるっと法堂内を歩くと、見る場所によって龍の顔が変わって見えます。

柱で隠れた龍が再び見えてくるたびに、龍の印象が変化しているようで、不思議な気持ちになりました。

 

方丈

法堂の北にある方丈には、江戸中期に京都で活躍した絵師・原在中らが手掛けた襖絵・杉戸絵があります。

噂の白象は、とくにおすすめです。

ニヤッと笑っているように(しか見えない!)象の目が面白くも少し怖くも思えてきます。

襖絵は少し褪せていましたが、杉戸絵はどれも彩色が鮮やかに残っていて、きれいでした。

裏方丈庭園も見逃せません。

苔庭に石の川が配された枯山水庭園で、特に緑が美しい初夏や紅葉に季節は、時間を忘れるほど美しい景色が広がります。

開山堂

法堂の東隣にあるのが、開山の夢窓礎石をお祀りしている開山堂です。

開山堂にも庭園があり、以前は実際に水が流れていたという「龍渕水(りゅうえんすい)の庭」があります。

白砂の上に石が置かれた枯山水庭園ですが、裏方丈庭園とは趣の異なった庭です。

開山堂は毎年秋の特別拝観時にに公開されていますので、紅葉の美しさも楽しめます。

弁天社・洪音楼・宗旦稲荷

開山堂の南側に並んであるのが、弁天堂・洪音楼(こうおんろう)・宗旦(そうたん)稲荷です。

奥が洪音楼、手前の鳥居は弁天社です

洪音楼とは鐘楼のことで、袴腰付鐘楼という大型のものになっています。

弁天社には弁財天が、宗旦稲荷にはお稲荷様がお祀りされています。

弁天社

宗旦稲荷と呼ばれているのは、次のような伝承があるからです。

江戸時代の初め頃、相国寺境内に一匹の白狐が住んでいました。その狐はしばしば茶人・千宗旦に姿を変え、時には雲水にまじり坐禅をくみ、また時には寺の和尚と碁を打つなどして人々の前に姿を現していました。
その狐は、近所の茶人の宅へ赴いては茶を飲み菓子を食い荒らすことがたびたびでしたが、ある時、宗旦狐は相国寺塔頭慈照院の茶室びらきで、点前を披露していました。驚いたことにその点前は実に見事なもので、遅れてきた宗旦はその事に感じ入ったといいます。これも、宗旦の人となりを伝えた逸話です。(中略)
宗旦狐は店先から油揚げを盗み、追いかけられ井戸に落ちて死んだとも、猟師に撃たれて命を落としたとも伝えられています。化けていたずらをするだけでなく、人々に禅を施し喜ばせていたという宗旦狐の死を悼み、雲水たちは祠をつくり供養しました。それが今でもこの宗旦稲荷として残っています。

相国寺webサイトから抜粋

白狐、今は静かにこのお稲荷様の下で休んでいることでしょう。

宗旦稲荷

塔頭・光源院

光源院は、応永28年(1421)に創建された寺院で、室町幕府第13代将軍・足利義輝の菩提寺となっています。

2024年春に初めての特別公開となりました。

境内には、干支にちなんだ襖絵や庭があり、「干支の寺」としても知られているほか、2021年に画家の加藤晋氏が奉納した色鮮やかな襖絵があります。

2024年の特別公開で、私も拝観しましたが、加藤晋氏の襖絵はとても楽しく見ることが出来ました。

美しい桜の風景の中に七福神や狐の嫁入りが隠れている絵やのどかな田舎の風景に桃太郎や西遊記などの昔話の様子が描かれていて、宝探しをしているような気分になります。

その他に、風神・雷神の幼少期ををイメージして描かれた襖絵も面白いです。

ご本尊がお祀りされている部屋の襖絵は、十二支が描かれており、その前にある庭も十二支に例えられた石がそこかしこに配置された美しいお庭でした。

塔頭・慈雲院

2024年春の特別公開では、慈雲院という塔頭も公開されています。

開祖は、瑞渓周鳳(ずいけいしゅうほう)で、幕府の外交官として重用されていました。

江戸時代の第9世住持は、梅荘顕常:大典禅師(ばいそうけんじょう:だいてんぜんじ)で、京の絵師・伊藤若冲とも親交があったそうです。

寺宝の「松鶴図」や狩野探幽の弟子・別所如閑(にょかん)が描いた「釈迦三尊像」などが公開されています。

特別公開限定の切り絵の御朱印も素敵でした。

 

承天閣美術館

庫裏の奥にある承天閣美術館には、現在国宝5点、重要文化財145点のほか多くの文化財が収蔵されています。

京都を代表する絵師である伊藤若冲や円山応挙、長谷川等伯の作品、金森宗和が作ったといわれる「夕佳亭(せっかてい)」の復元されたものなど、見どころたくさんです。

展示替気管や年末年始は休館となるほか、臨時で休館することもありますので、お出かけ前に確認することをおすすめします。

私も確認せずに行って臨時休館だったことがあります!

そのほかの見どころ

境内にはほかにお経を納めるための建物・経蔵や僧たちが実際に使用していたという浴室、出家時の後水尾天皇の髪と歯を納めた塚などがあります。

相国寺 経蔵

後水尾天皇髪歯塚

浴室

境内は松を中心とした緑に囲まれた静かな場所で、近隣の方の散歩道、日ごろの通り道にもなっています。

すぐ近くには京都御所もありますので、ゆっくりと散策したい時にもおすすめのスポットです。

帰りに寄った御所で見つけた早咲きの桜!

相国寺の基本情報

  • 住所 京都市上京区今出川通り烏丸東入ル
  • 参拝時間(特別拝観時のみ) 10:00~16:00

参拝料

  • 一般・大学生 800円
  • 65歳以上・中高生 700円
  • 小学生 400円

アクセス

  • 最寄り駅 市営地下鉄「今出川」駅 徒歩約5分/京阪本線「出町柳」駅 徒歩約20分
  • バス「烏丸今出川」徒歩約6分/「同志社前」徒歩約4分

バス・鉄道乗り換え案内 https://www.arukumachikyoto.jp/


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小春

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