建勲神社は、京都市北区の船岡山山頂にあります。
息を切らせながら登った先にある建勲神社は、静けさと清々しさの中にもピンと張り詰めたような空気を感じさせる神社です。
刀剣めぐりでも有名な建勲神社ですが、実は、桜の隠れた名所でもあります。
今回は、建勲神社の由緒と見どころを紹介します。
建勲神社の由緒
配祇神 織田信忠卿
明治2年(1869年)11月8日
戦国時代の争乱において天下統一、朝議復興などを進めた織田信長をたたえ、明治天皇より神社創建の宣下がありました。
翌明治3年には、「建勲」の神号を賜り、建勲社が造営されました。
明治8年(1875年)には、別格官幣社に列せられます。
建勲社は、当初東京(信長子孫:天道藩知事・織田信敏邸内)と織田家旧領地である山形県天童市に造営されましたが、明治13年に船岡山に遷座しました。
その後、織田信忠が合祀され、明治43年(1910年)には社殿が船岡山山頂の現在地に意見されました。
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建勲神社境内から見た京都市街 向こうは比叡山かな?
国家安泰・大願成就・難局突破などの御神徳が広く崇敬されています。
船岡山
建勲神社がある船岡山は、標高112m・周囲1300mの緑豊かな小山です。
古くは、聖徳太子の文献にも登場し、将来皇城の地になると予言したと言われています。
また、船岡山は平安時代のころから、景勝の地としても有名で、清少納言の「枕草子」では、思い浮かぶ丘の名として「丘は船岡…」と一番に書かれているそうです。
応仁の乱では、船岡山に陣が置かれ、以来この周辺は”西陣”と呼ばれるようになりました。
建勲神社から北には、船岡山公園があり、京都市民憩いの場となっています。
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佐々木蔵之介さんの出演されていた『みやこが京都にやってきた』でも映っていました!
建勲神社の見どころ
建勲神社へお参りするには、北参道・南参道・東参道の入り口があります。
比較的なだらかな参道は、北参道です。
とはいえ、本殿は船岡山山頂ですので、まあまあの石段を上る覚悟はしておいてくださいね。
普段ほとんど運動していない私は、長い石段のある東参道からお参りしましたが、休みながらゆっくり上って息切れする程度でした。マスクをしているとちょっとしんどかったです。
東参道から石段へ
東参道は、船岡東通りに面しています。
高さ7.2mの大鳥居は、檜を使った立派な鳥居です。
鳥居をくぐった正面には、義照稲荷神社に続く朱色の鳥居が続いています。
この日は、残念ながら工事中で義照稲荷神社には入れませんでした。
左に行くと、東参道の石段です。
旧本殿跡を過ぎて、100段ほどの石段が続きます。
石段を登りきったところで振り返ると、京都市内が一望。
とても気持ちいいです。
「敦盛」歌碑
表参道を進むとすぐ左にあるのが桶狭間の戦い出陣前に、織田信長が舞ったと言われる、
「人間五十年 下天の内をくらぶれば…」の有名な歌の碑です。
社務所
歌碑を過ぎて、緩やかな石段を数段上ると、右に社務所があります。
庄屋さんのような、落ち着いた和風の建物で、癒されます。
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歌碑の前から境内に向かう参道
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振り返るとこんな感じ。やっぱり山頂ですね
手水舎
社務所の斜め向かいにあります。
手水鉢や狛犬の台座には、織田の木瓜紋が刻まれています。
拝殿
入母屋造りで檜皮葺の拝殿。
内部には織田信長三十六功臣のうちの十八功臣の額が飾られています。
神門(祝詞舎)
拝殿の奥にある神門は、拝殿と対照的に切妻造りの穏やかな風情がある建物です。
織田信長と信忠がお祀りされている本殿は、この神門の奥にあります。
普段は立ち入れませんので、神門から覗くだけ。
私がお参りした5月初め、本殿後ろの青々とした木々がとても清々しくて気持ちよかったです。
御朱印
建勲神社の御朱印には以下の種類があります。
通常の御朱印 300円
天下布武龍章御朱印 500円
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はさみ紙もいい感じ!
敦盛御朱印 500円
宗三左文字特別御朱印(缶バッジ付) 500円
薬研藤四郎特別御朱印(缶バッジ付) 500円
不動行光特別御朱印(缶バッジ付) 500円
刀剣御朱印巡り特別御朱印(クリップ付) 700円
多すぎて目移りしてしまうので、あらかじめ決めておいた方がいいかもです。
織田信長の功績を伝える「船岡大祭」
船岡大祭は、織田信長が入洛した10月19日を祈念して、毎年行われています。
拝殿においては、信長が好んで舞った「敦盛」などが奉納されます。
火縄銃の三弾打ちが披露されることもあります。
戦国時代をほうふつとさせるような迫力ある光景が楽しめますよ。
フォトグラファーの三宅徹氏より船岡大祭の写真を御奉納いただきました。火花が出た瞬間が見事にとらえられています。 pic.twitter.com/aOpwfwLjIv
— 建勲神社 (@kenkun_jinja) October 27, 2017
春の桜は見ごたえあり
建勲神社の春は、東参道の大鳥居周辺のソメイヨシノや境内の紅しだれ桜などが咲いて、とても美しい景色になります。
木々の緑に映える桜の淡い・濃いピンク色は、心を洗われるような美しさです。
桜の名所としては、それほど知られていませんので、お花見の方は多くありません。
人込みを避けてゆっくりと桜を愛でたい方にはおすすめですよ。
建勲神社 基本情報
境内自由・年中無休
社務所受付 9:00~17:00