京都でできる七福神めぐりには、一番有名な『都七福神めぐり』のほかに、
- 京都七福神めぐり
- 京之七福神めぐり
- 京洛七福神めぐり
- 七福巡拝
などがあります。
『七福巡拝』は、現在休止もしくは廃止されているようですので、今回は『京都七福神めぐり』・『京之七福神めぐり』・『京洛七福神めぐり』を紹介します。
それぞれに重複している寺社がありますので、その場合は説明を省略しますね。
七福神めぐりとは
七福神めぐりとは、
- 恵比寿(えびす)
- 大黒天(だいこくてん)
- 毘沙門天(びしゃもんてん)
- 弁財天(べんざいてん)
- 福禄寿(ふくろくじゅ)
- 寿老人:寿老神(じゅろうじん)
- 布袋(ほてい)
の七柱の神様がお祀りされている寺社を回ることです。
新年(松の内)に七福神めぐりをすると、『七難即滅・七福即生』という大きな福がいただけるとされています。
七福神について詳しくお知りになりたい場合は、こちらの記事をご覧くださいね
京都七福神めぐり
『京都七福神めぐり』とは、田中緑紅(りょくこう)という京都の郷土史家の勧めにより、大正11年(1922年)の「京都七福会」が結成されて始められました。
「京都七福会」は、今もあるのかと思って調べてみましたが、それらしい団体がみつかりませんでした。
専用の御朱印帳や色紙はありませんが、オリジナルの『京都七福神めぐり』御朱印帳を作っておられる方もいらっしゃいました。
でも『京都七福神めぐり』は、今でもできますのでご安心ください。
『京都七福神めぐり』の期間は、1月1日~1月15日となっていますが、ほとんどが京都中心部にありますので、回りやすいかと思います。
では、京都七福神の7寺をお勧めの巡拝順に紹介します。
福禄寿 遣迎院
遣迎院(けんごういん)は、以前は上京区寺町にありましたが、鷹峯へ移転してしまいました。
こちらのお寺は、現在は拝観ができません。
ですので今は、京洛七福神の福禄寿をお祀りされている護浄院で福禄寿のお参りをする形になっているようです。
寺院としては現存していますので、一応紹介しておきます。
本日、京都七福神終わりました😊
都七福神はメジャーだけど京都七福神はあまりやってる人いないみたい。
福禄寿の遣迎院はやってないと言われたので、清荒神で恵比寿さんと福禄寿を書いてもらいました。
次は、京之七福神に挑戦! #御朱印 pic.twitter.com/MTwosafK1p— ☆YUKA☆ (@sa1ku0ra) April 22, 2016
大黒天 松ヶ崎大黒天(妙円寺)
実質的には、松ヶ崎大黒天をスタート地点にされるのがおすすめです。
松ヶ崎大黒天の大黒天像は、伝教大師最澄が作ったと伝わっています。
本堂の前には、「なで大黒」さんも鎮座され、自分の体の気になるところと同じところをさするとご利益があると言われています。
弁財天 出町妙音堂
出町妙音堂は、正式には「青龍妙音弁財天」と言います。
地域の人たちには「出町の弁天さん」と親しまれています。
本堂には、弁財天の使いとされる蛇が2匹お祀りされています。
また境内には、珍しい白壁の六角堂があり、その六角堂を年の数だけ時計回りに回ると願いが叶うそうです。
絶対に目が回る…
毘沙門天 蘆山寺
蘆山寺は、『源氏物語』の作者・紫式部の邸宅跡として知られている寺院です。
本堂前の「源氏の庭」は、夏から初秋にかけて桔梗が美しく咲き、桔梗の寺としても知られています。
毘沙門天は、境内の西にある太子堂内で、ご本尊の元三大師像とともにお祀りされています。
恵比寿神・福禄寿 護浄院(清荒神)
護浄院という正式な名前はありますが、京都七口の1つ「荒神口」の名前の由来となった「清荒神」という呼び名の方がよく知られています。
福禄寿と恵比寿は、境内東のお堂にお祀りされています。
恵比寿の御朱印は、「京都七福神」だけです。
寿老神 行願寺(革堂)
行願寺は、行円上人によって創建されました。
妊娠していた雌鹿を射止めてしまったことを悔いて、供養のためその鹿の皮を衣として常に来ていた行円上人は”皮聖(かわのひじり)”と呼ばれていました。
そのため、行願寺の通称を「革堂(こうどう)」と言います。
寿老人がお祀りされている堂の隣には、可愛い七福神の像があります。
布袋尊 大福寺
行願寺が面している寺町通りを南へ下がり、1つめの信号を西へ夷川通に入り、2筋めの南北の通り・麩屋町通りを南へ下がると、その通り沿いに大福寺があります。
「大福帳」の由来にもなっている大福寺は、可愛い御朱印でも有名です。
今年最後の拝受になるでしょうか。
「冬至」「除夜」をいただきました。 pic.twitter.com/AXit0V25H7
— イノっちー (@alley_ismade) December 19, 2021
御朱印の授与時間は、不定期ですので、あらかじめ調べておいた方が無難です。
京之七福神めぐり
『京之七福神めぐり』は、専用の色紙がありますので、まずはそちらを授与いただいてからスタートしましょう。
毘沙門天 毘沙門堂
『京之七福神』専用の色紙(1000円)は、毘沙門堂でのみ授与いただけます。
ですので、御朱印をいただきたい方は、必ず毘沙門堂から回り始めてください。
毘沙門堂は、天台宗五箇門跡の1つに数えられる由緒ある寺院です。
ご本尊の毘沙門天は、伝教大師最澄が造られた仏像だと伝わっています。
春の桜、秋の紅葉の素晴らしさは有名で、特に晩秋の時期、参道が紅葉のじゅうたんのようになる風景は美しいです。
布袋尊 長楽寺
祇園四条の東、八坂神社を通り抜けた先にあるのが円山公園、その奥に長楽寺があります。
天台宗延暦寺の別院として、伝教大師最澄が創建したのが始まりです。
長楽寺の庭は、室町幕府8代将軍・足利義政から慈照寺(銀閣寺)建立の命を受けた相阿弥が、その試作として作り上げたものだと言われています。
円山公園も長楽寺の一部だったと言いますから、とても大きな寺院だったんですね。
長楽寺の布袋尊は、泥像(泥をこねたままで焼いていない像)でとても素朴ですが、表情はとても朗らかで立派な笑顔をされています。
1月1日~15日は、「七福神詣(布袋尊)」の行事があり、15日は甘酒のふるまいもされます。
恵比寿神 京都ゑびす神社
「京のえべっさん」として親しまれている京都ゑびす神社の恵比寿神。
京都ゑびす神社は、建仁寺の守り神として建立されたのが始まりです。
新年の十日えびすには、商売繁盛を願う参拝客が多く訪れ、とても賑わっています。
寿老神 行願寺
『京都七福神』を参考にしてください。
中京区寺町通り竹屋町上ル行願寺門前町17
趣ある商店などが立ち並ぶ寺町通り沿いにあります。
福禄寿 護浄院
『京都七福神』を参考にしてください。
上京区荒神口通寺町東入荒神町122
大黒天 松ヶ崎大黒天
『京都七福神』を参考にしてください。
左京区松ヶ崎東町31
弁財天 三千院
三千院は、伝教大師最澄が比叡山東塔南谷に創建したお堂が始まりです。
その後何度かの移転の後、現在の地・大原に移りました。
弁財天は、拝観ルートの真ん中あたり、極楽往生院から金色不動堂へ行く参道の途中にお祀りされています。
『京之七福神』寺院の中で、三千院だけが大きく離れていますので、ここは別日に参拝されてもいいかと思います。
弁財天をお参りするだけではなく、三千院のしっとりと美しいたたずまいをじっくりと堪能していただきたいです。
京洛七福神めぐり
少し詳しく調べてみたところ、『京洛七福神めぐり』という形では、もう活動がされていないようでした。
でもそれぞれの寺社では『京洛七福神』でご朱印がいただけるところもあるようです。
また、『京洛七福神』で巡拝する七福神の寺社すべてが『京都七福神』か『京之七福神』と重複しています。
なので、できるだけわかりやすく表にまとめてみました。
どの七福神めぐりが良いか、じっくりと検討してみてください。
京都七福神 | 京洛七福神 | 京之七福神 | |
大黒天 | 松ヶ崎大黒天(妙円寺) | 松ヶ崎大黒天(妙円寺) | 松ヶ崎大黒天(妙円寺) |
福禄寿 | 護浄院(清荒神) | 護浄院(清荒神) | 護浄院(清荒神) |
寿老神 | 行願寺(革堂) | 行願寺(革堂) | 行願寺(革堂) |
恵比寿神 | 護浄院(清荒神) | 京都ゑびす神社 | 京都ゑびす神社 |
毘沙門天 | 蘆山寺 | 毘沙門堂 | 毘沙門堂 |
布袋尊 | 大福寺 | 長楽寺 | 長楽寺 |
弁財天 | 出町妙音堂 | 出町妙音堂 | 三千院 |
まとめ
今回は、
『京之七福神』
『京洛七福神』
の各寺社を紹介しました。
お読みの通り、重複している寺社が多くて、少しややこしいです。
ですので、しっかりと1つの七福神めぐりを巡拝したい方には、専用の御朱印がある『京之七福神』がおすすめです。
京都には、七福神をお祀りした寺社が多いので、あなたの行きやすい・好きな寺社を選んで、自分だけの七福神めぐりをされても面白いですよ。
コメント