京都の北西に位置する愛宕山の山頂にあるのが愛宕神社です。
今日は、愛宕神社について
- 由緒
- 祭事
- 周辺の見どころ
などを紹介します。
京都の家の台所には「火迺要慎(ひのようじん)」のお札がよく見られます。
愛宕神社を知らなくてもこのは知っているという人もいるくらいです。
おひ京都市民になじみの愛宕神社って、こんな神社なんですよ。
愛宕神社の由緒
愛宕神社にお祀りされている神様や創建、歴史についてわかりやすくお話しします。
愛宕神社本殿の祭神
伊弉冉尊(いざなみのみこと)
埴山姫神(はにやまひめのみこと)
天熊人命(あめのくまひとのみこと)
稚産霊命(わくむすびのかみ)
豊受姫命(とようけびめのみこと)
早口言葉のような神様の名前でチンプンカンプン!
でも伊弉冉尊はご存じかもしれませんね。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と共に日本(島々)を作り出した国産みの神様です。
あまり詳しくお話しすると長~くなりますので、神様についてはこのくらいにしておきますね。
愛宕神社の創建と歴史
大宝年間(701~704年)
修験道の祖と言われている役小角(えんのおづぬ)と白山の開祖である泰澄(たいちょう)により、朝日峰(愛宕山)に神廟が建てられたのが始まりとされています。
奈良時代後期の781年
慶俊僧都が中興、和気清麻呂が白雲寺を建立し、愛宕大権現として鎮護国家を願う場としました。
その後、神仏習合の修験道の修行場として信仰を集め、9世紀ごろには、比叡山などと並び七高山の一つとされています。
この時代には、本殿に愛宕大権現の本地仏(仏としての姿)である勝軍地蔵が、奥の院には天狗の太郎坊が祀られていました。
あの武将も信仰していた?!
勝軍地蔵は、その名の通り戦いをつかさどる神です。
そのためでしょうか、戦国武将にも篤く信仰されていました。
中でも明智光秀の逸話は有名です。
本能寺の変直前に愛宕山へ出向き、おみくじを引くと
「凶!」
もう一回引くと、また
「凶!」
どうしたもんだともう一度
「凶!」
光秀は、困惑したとかしなかったとか。
そのあとに開かれた連歌会で詠んだ「愛宕百韻」の発句が有名ですね。
ときは今 あめが下しる 五月かな
これからの光秀の行動を示唆していたとか本能寺の変に至る光秀の動機が読み取れる歌だとも言われています。
命を懸けたクーデターの直前に愛宕神社へお参りに行くくらいです。
愛宕神社への光秀の信仰の深さがわかるようです。
また、伊達政宗も篤い愛宕信仰者だったそうです。
大坂夏の陣への参戦前に、家臣の片倉小十郎が愛宕山の白雲寺(今の愛宕神社)へ先勝祈願をしています。
仙台にも愛宕神社がありますが、伊達政宗が米沢から転封したときに移転させたものです。
伊達家が移転する場所場所に、愛宕神社も移転していたそうで、正宗の愛宕信仰の深さがわかるようですね。
愛宕神社の祭事
主な細事には
- 4月24日 鎮火祭
- 5月第3・4日曜日 嵯峨祭(野宮神社と合同で催す)
- 7月31日~8月1日 千日詣(せんにちまいり)
- 9月28日 例祭
- 12月23日 天長祭
などがありますが、有名なのは千日詣です。
体力が勝負かも 結構ハードな千日詣
正式には「千日通夜祭」といいます。
7月31日夜から8月1日の早朝にかけて愛宕神社に参拝すると千日分の火伏・防火のご利益があるといわれ、毎年数万人もの人が参拝します。
ふもとの鳴滝から愛宕神社のある山頂までの登山道(表参道)に灯りが灯され、参拝者の安全を見守ります。
参道のほのかな灯りはありますが、夜の闇の中で登山並みの参拝は、簡単な道のりではありません。
夜間はもちろん昼間の参拝でも、服装から足元、心持ちまで登山用の準備が必要です。
修験道の修行者になったような気持ちで登ると、しんどい先に何かが見えてくるのかもしれませんね。
私は無理かも…ですが。
愛宕神社とその周辺の見どころを紹介!
愛宕山ふもとの一の鳥居から周辺でおすすめの場所を紹介します。
化野念仏寺
一の鳥居から参道を7分ほど下ると8月の先頭供養で有名な化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)があります。
「賽の河原」を模した「西院の河原」には、数千体もの石仏がならんでいて、見ていると心が切なくなるような、もの悲しくなるような不思議な気持ちになります。
化野念仏寺から参道を少し降りたところにある可愛いまゆ人形の「あだしのまゆ村」は私のお気に入りのお店です。
見ているだけでも可愛いまゆ人形がたくさん!
お土産にも自分用にもおすすめですよ。
祇王寺
化野念仏寺から徒歩10分にあるのが祇王寺です。
祇王寺は、平清盛から寵愛を受けていた白拍子祇王が、清盛の心変わりにより出家して母と妹と過ごした寺院です。
苔の名所としても有名で、静かな緑の中にいると、心が洗われるようです。
コロナウイルスを退治!した後は、癒しの祇王寺へ訪れてみてくださいね。
愛宕神社一の鳥居から嵐山方面へ向かう途中には、他にも二尊院・常寂光寺・落柿舎などひっそりと静かな寺院などが点在しています。
それぞれが徒歩10分圏内ですが、すべてを見て回るとほぼ一日はかかると思います。
風情のあるこの地域を巡るときは、時間をたっぷりと取って、余裕を持った計画を立ててくださいね。
終わりに
今回は、愛宕神社を紹介しました。
愛宕山を登っての参拝は、大変ですが、一度挑戦してみてくださいね。
2020年4月中旬現在、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために、全国に緊急事態宣言が出ています。
今は外出の自粛や毎日の消毒作業などしんどいことがいっぱいですが、いずれは普通の暮らしに戻れます。絶対に!
何の心配もなく外出できるようになったとき、その時には、また京都へお越しください。
コメント