京都には有名な観光スポットが多くあります。
でも、立ち寄るところってなんとなく決まっていると思いませんか?
例えば、清水寺・金閣寺・二条城・嵐山などなど。
もちろんどこもおすすめのスポットなのですが、普通の観光ではちょっと物足りないと感じて、この記事を読み始めているあなた。
今日は、あなたにおすすめの京都観光、札所・寺社めぐりを紹介します。
京都にたくさんある神社やお寺を、1つのテーマに沿って、めぐるんです。
そうすると見慣れた寺社の風景が、ちょっと変わって見えてくるかも。
札所巡りとは?簡単に予習しておこう
もともと札所めぐりとは、観音様を祀る霊場をお参りして回ることでした。
お参りした証として、観音様との結縁を祈願して寺社の柱などに自分の名前・住所・生年月日などを書いた木札を打ち付けていたことから、参拝する霊場を「札所」といい、その札所を回ることを札所めぐりといいました。
今では、木札を収める代わりに、御朱印などをもらうようになっています。
よく知られている札所めぐりとして「四国八十八か所巡礼」がありますね。
今回紹介する京都の札所めぐりは、観音様の霊場を回るというものではなく、あるテーマに沿って寺社仏閣をめぐり、御朱印をいただくという個人的なツアーのようなものだと思っていただければいいです。
ですので「この札所めぐりをしよう」とあなたが決めて、あなた自身や友人と自由にめぐっていただければいいのです。
これから紹介する札所めぐりの中には、期間が決まっているものもありますが、私はそれに縛られる必要はないと思っています。
1年で巡れなければ、また来年。
今月無理なら、来月。
数年越しで、めぐっていけばいいのです。
そのほうが楽しみがず~っと続きますしね。
一応それぞれの寺社巡りの難関度を★印で記しておきました。
★印が多いほど達成するのが難しい(or時間がかかる)と思っていただければいいです。
ただしこれは個人の見解ですので、ご参考程度に考えてくださいね。
では、京都札所・寺社めぐりへまいりましょう。
京都五社めぐり ★
「京都五社めぐり」は、平安京が四神相応の地の考えに基づいて造られたということにちなんだ神社めぐりです。
四神相応とは、風水で長く繁栄する土地と考えられてきた条件です。
北:玄武(高い山)=船岡山
東:青龍(清き流れ)=鴨川
南:朱雀(広き湿地帯)=巨椋池
西:白虎(大きな道)=山陰道
めぐる神社は、
平安京遷都を決められた桓武天皇を祀る平安神宮
北の上賀茂神社
東の八坂神社
南の城南宮
西の松尾大社
特に回る順番や期間は決められていません。
最初に参拝される神社で「五社めぐり」をすると伝え、四神のイラストが描かれた「五社めぐり四神色紙」マップ付き(初穂良1000円)を購入して御朱印を授与していただきます。
こんばんは。
此度の京都旅で、京都五社めぐり参拝をさせてもらいました⛩️平安神宮を中心にお受けした、四神御朱印の色紙を部屋に飾りました。
部屋がパワースポットとなり、四神の御加護と何か凄いパワーを感じます!🙏 pic.twitter.com/W1n7gtXuoM
— 石田治部ナオヤ (@naoya19852242) November 24, 2021
あとは残りの神社を巡拝して、御朱印をいただいてゆくだけです。
御朱印をすべて頂けたら、最後に参拝した神社で五社のご神紋が入った「満願記念しおり」が授与されます。
しおりは毎年柄が変わりますが、数に限りがあるそうですのでご注意を。
伏見五福めぐり ★★
「伏見五福めぐり」は、「伏見ご利益めぐり」とも呼ばれ、伏見の代表的な社寺を巡拝してご利益をいただくというものです。
五福めぐりは、初もうでを兼ねて毎年1月1日から15日に開催されています。
初めに参拝したところで、五福めぐりの色紙(1000円)をいただきます。
すべての御朱印を集めると、記念の干支土鈴(先着2000名)がいただけます。
【沿線イベント情報】
\伏見五福めぐり 1/1(祝)~1/15(土)/
御香宮神社,長建寺,藤森神社,大黒寺,乃木神社をお参りして御朱印を集めると干支の土鈴が授与されます。地下鉄竹田駅から市バスが出ていますのでぜひご利用ください!
アクセス方法は,交通局沿線情報誌 #おふたいむ でも紹介! pic.twitter.com/AmHqvGC0Ke— 【公式】京都市交通局 (@kyotocity_kotsu) January 2, 2022
期間が2週間なので少し気ぜわしいかもしれませんが、地域が伏見深草から桃山周辺に限定されていますので、うまく回れば1日で巡拝できますよ。
でもせっかくなら、2日くらいに分けて、じっくりと参拝するのがおすすめです。
洛陽六阿弥陀めぐり ★★★★★
「洛陽六阿弥陀めぐり」は、享保2年(1717年) 第4番霊場の中興の祖木食上人が阿弥陀仏の霊感を受け発願された札所めぐりです。
阿弥陀如来を祀る京都市内の6か所の霊場を巡拝します。
第1番 真如堂 うなずきの弥陀
第2番 永観堂 みかえりの弥陀
第3番 清水寺
第4番 安祥院
第5番 安養寺 倒蓮華(さかれんげ)の弥陀
第6番 誓願寺
巡拝する寺院は6か所だけですが、参拝の方法が決まっていて、それが結構大変なんです。
月ごとに違う功徳日にお参りすること3年3か月連続、必ず1番霊場から巡拝することが必要なんです。
功徳日は以下の通りです。
正直超大変‼
特に時間的な余裕がないとできそうにありませんね。
![](https://i0.wp.com/kyo-koharu.com/wp-content/uploads/2020/05/1591333.jpg?w=1256&ssl=1)
なので、私はあきらめました。
老後の楽しみとしてとっておきます!
でも無事終えることができたら、無病息災・家運隆盛・祈願成就がかなうと言われています。
![](https://i0.wp.com/kyo-koharu.com/wp-content/uploads/2020/05/1591008.jpg?w=1256&ssl=1)
挑戦してみるのも一興かもです
六地蔵めぐり ★★★
「六地蔵めぐり」は、京都の旧街道口にある6体の地蔵尊を巡拝するものです。
これは、800年余りも続いている伝統行事なんですよ。
六地蔵めぐりの起源は、平安時代初期に活躍した小野篁にあります。
小野篁は、冥界の閻魔大王の補佐をしていたという伝説を持っている人物です。
篁が、高熱により危篤状態になり、冥土へ行ったとき、地蔵菩薩に会います。
地蔵菩薩は篁に、地獄で苦しむ死者の様や地蔵菩薩のことを人間界で伝えるように頼まれ、無事生還します。
よみがえった篁は、1本の桜の木から6体の地蔵菩薩を刻み、伏見街道口の木幡にあった大善寺に納めました。
その後、後白河法皇の勅命により、疫病退散を願って平清盛が街道口5か所に六角堂を建て、地蔵菩薩を分置し、ここから六地蔵まいりがの風習が生まれたといわれています。
巡拝に順番はありませんが、期間は毎年8月22日・23日のみです。
それぞれの寺院でカラフルな「お幡(おはた)」300円を授与していただき、6枚を束ねて玄関先に吊るしておくと、疫病退散・家内安全・家運隆盛などのご利益をいただけるとされています。
昨日、自転車に乗って六地蔵めぐりに行ってきました。
お幡ゲットです。#六地蔵めぐり #京都 pic.twitter.com/UDPfFUCaXi
— 様様三昧☆ (@samasama331) August 24, 2020
恋塚浄禅寺:鳥羽地蔵 (南区上鳥羽岩ノ本町)
地蔵寺:桂地蔵 (西京区桂春日町)
源光寺:常盤地蔵 (右京区常盤馬塚町)
上善寺:鞍馬口地蔵 (北区鞍馬口通寺町)
徳林庵:山科地蔵 (山科区四ノ宮泉水町)
六地蔵めぐりの期間中は、普段拝観できない仏像などが特別公開されたり、お茶の接待なども催されていますので、いろいろ楽しみながら回ってみましょう。
六地蔵めぐりは、京都市内をぐるっと一周する形ですので、交通機関をうまく使わなくてはなりません。
七福神めぐり
「七福神めぐり」は、京都が発祥とされている歴史の古い行事です。
京都には「都七福神めぐり」「京都七福神めぐり」など複数の七福神めぐりがあります。
都七福神めぐり ★★
「都七福神めぐり」は、日本最古の七福神めぐりといわれています。
毎年1月1日から31日の期間に開催され、期間中は定期観光バスも運行されています。
各社寺に用意されている御軸・大護符(色紙)・御宝印帖を授与していただき、各寺を回って御宝印をいただきます。
京都の七福神をめぐる
赤山禅院、松ヶ崎大黒天、革堂、六波羅蜜寺、京都ゑびす神社、東寺、黄檗山萬福寺の社寺で1月31日まで都七福神めぐりができます。各社寺にて御軸・大護符・御宝印帖が用意されています。場所は広範に渡りますが期間中は定期観光バスも運行されています。https://t.co/AmSJfwPhVo pic.twitter.com/0EA6fdM4zd— 京都観光Navi《京都市観光協会》 (@kyo_kanko) January 27, 2020
巡拝社寺は、京都の各地に点在しているために、数日に分けて回っている方も多いですよ。
恵比寿神社:恵比寿神(東山区大和大路通四条下ル)
東寺毘沙門堂:毘沙門天(南区九条町)
松ヶ崎大黒天:大黒天(左京区松ヶ崎東町)
六波羅蜜寺弁天堂:弁財天(東山区松原通大和大路東入ル)
行願寺(革堂):寿老人(中京区寺町通竹屋町上ル)
万福寺天王殿:布袋尊(宇治市五ケ庄三番割)
赤山禅院:福禄寿神(左京区修学院赤山町)
泉山七福神めぐり ★
「泉山七福神めぐり」とは、毎年成人の日に泉涌寺で行われる七福神めぐりです。
山内にある泉涌寺塔頭に祀られている七福神と番外の2か所をめぐります。
期間は1日だけですが、すべて泉涌寺道に面していて地域も狭いので、すべて回るのにかかる時間は2~3時間ほどです。
ただ泉涌寺道は坂道ですので、上がり下がりが多くなります。
歩きやすい靴で無理なく回ってくださいね。
参拝の仕方は、まず泉涌寺塔頭で一番手前の総門横にある即成院で福笹(無料)を受け取り、縁起物の吉兆を各寺院でいただいて、笹につけてゆきます。
福笹と授かった縁起物。
泉山七福神めぐりは番外もあり全部で九福神を巡ります。
「久しく」福が続きますように… pic.twitter.com/4clT9Q9g4z— 京都検定の女 如月 (@kyoken7049) January 14, 2019
すべての吉兆をつけた福笹は、家に持ち帰り1年間飾ってください。
本来なら次の年にまた新しい福笹に変えるのですが、毎年参拝できない方も多いと思います。
その場合は、1年間飾ってから近くの神社などに納めてくださいね。
泉涌寺即成院 福禄寿
丈六戒光寺 弁財天
今熊野観音寺 恵比寿
泉涌寺来迎院 布袋尊
泉涌寺雲龍院 大黒天
泉涌寺悲田院 毘沙門天
泉涌寺法音院 寿老人
新善光寺 愛染明王
泉涌寺楊貴妃観音堂 楊貴妃観音
洛陽十二支妙見めぐり ★★
「洛陽十二支妙見めぐり」は、京都御所紫宸殿を中心として、京都市内の十二支の方向にある寺院に祀られた妙見大菩薩を巡拝することです。
妙見大菩薩とは、北極星・北斗七星を神格化した菩薩で、宇宙万物の運気をつかさどり、鎮護国家の守護尊と考えられています。
「洛陽十二支妙見めぐり」により、開運・厄除けの御利益があると言われています。
参拝には期間も順序もありませんので、自由に回ってください。
せっかくですので、自分の干支から回ったり、その年の干支から始めたり、ちょうど12か所なので、1か月に1か所ずつ回っている方もいらっしゃいますよ。
最初に参拝した妙見さんで十二支巡拝の朱印軸・御朱印色紙・御朱印帖などをいただき、回ります。
そしてついうっかり始めてしまったσ(^◇^;)
洛陽十二支妙見めぐり…満願するにどれだけかかるのか(笑) pic.twitter.com/T4GkZlELRI— kotaro- (@kotaro65) January 24, 2017
すべての御朱印をいただいた朱印軸や御朱印色紙は家の床の間などに祀ります。
一家の守護として長くお守りいただけます。
子:善行院:西陣の妙見宮(上京区新町通上御霊西入妙顕寺前町)
丑:本満寺:本満寺の妙見宮(上京区寺町通今出川上る2丁目鶴山町)
寅:道入寺:修学院の妙見さん(左京区修学院茶屋ノ前町)
卯:霊鑑寺:鹿ケ谷の妙見さん(左京区鹿ヶ谷御所ノ段町)
辰:満願寺:岡崎の妙見さん(左京区岡崎法勝寺町)
巳:日體寺:清水の鎮宅妙見宮(東山区清水四丁目)
午:本教寺:伏見大手筋の妙見さん(伏見区東大手町)
未:法華寺:未の方の妙見さん(下京区島原西新屋敷中之町)
申:慈雲寺:島原の妙見さん(下京区下松屋町通五条下る薮之内町)
酉:常寂光寺:小倉山の妙見宮(右京区嵯峨小倉山小倉町)
戌:三宝寺:鳴滝の妙見宮(右京区鳴滝松本町)
亥:圓成寺:鷹峯の岩戸妙見宮(北区鷹峯北鷹峯町)
京都十六社朱印めぐり ★★★
「京都十六社朱印めぐり」は、京都の由緒ある16の神社を巡拝して御朱印をいただくものです。
期間は1月1日から2月15日までですが、順番は決まっていません。
専用の御朱印帖(無料)が各社務所に用意されていますので、そこに御朱印をいただいていきます。
すべて集めると初詣参拝記念の干支置物がいただけます。
【ご案内】
元日より2月15日まで「京都十六社朱印めぐり」が行われます。
今年から専用朱印帳も装い新たに各社名を刷り込み、各御朱印も十六社めぐり専用のものになりました。また巡拝完遂の方に、各社の趣向を凝らした巡拝成就印を押印させて頂きます。お待ちしております。https://t.co/VM7GacOPIb pic.twitter.com/AO5rjwhGWu— 粟田神社 (@awata_shrine) December 25, 2019
京都全域に点在している神社をめぐりますので、少し大変かもしれませんが、いろいろなご利益のある歴史ある神社を回って、京都探訪をするのも面白いですよ。
熊野神社:縁結び・安産・病気平癒
粟田神社:旅立ち守護・厄除
岡崎神社:子授け・安産・縁結び・厄除
若王子(にゃくおうじ)神社:学業成就・商売繁昌
豊国神社:出世開運・厄除招福・良縁成就・商売繁盛
新熊野(いまくまの)神社:健康長寿・病魔退散・お腹守護
西院春日神社:厄除・病気平癒・交通旅行安全
長岡天満宮:合格祈願・厄除開運
通称寺の会(京都の通称寺霊場) ★★★★
「通称寺の会」は、通称のある京都市内の寺院をまわる霊場巡りです。
京都には正式名称より通称で親しまれているお寺が多く、それらの寺院が宗派の違いを超えて「通称寺の会」を結成しました。
参拝の期間も順序もありません。
初めに参拝した寺院で「通称寺納経帳」(1000円)を授与していただき、御朱印を集めます。
すべての寺院の御朱印を集めると椿寺(地蔵院内)の事務局で記念品が授与されます。
![](https://i0.wp.com/kyo-koharu.com/wp-content/uploads/2020/05/1591333.jpg?w=1256&ssl=1)
あなたが持っている御朱印帖でも大丈夫ですよ
「通称寺の会」には、2020年7月現在39の寺院が参加していますが、時折変動することがありますので、詳細は公式サイトでご確認ください。
【現在参加されている寺院】
千本ゑんま堂 引接寺
釘抜地蔵 石像寺
鳴 虎 報恩寺
茶くれん寺 浄土院
清荒神 護浄院
椿 寺 地蔵院
出水の毘沙門さま 華光寺
ひょうたん寺 福勝寺
だるま寺 法輪寺
つまとり地蔵 祐正寺
こぬか薬師 薬師院
菩提薬師 大福寺
六角堂 頂法寺
寅薬師 西光寺
蛸薬師堂 永福寺
世継地蔵 上德寺
粟嶋堂 宗德寺
![椿寺 地蔵院](https://i0.wp.com/photo53.com/img/tsubakidera4.jpg?resize=1024%2C684&ssl=1)
椿寺 地蔵院 京都フリー写真素材
大文字寺 浄土院
真如堂 真正極楽寺
紫雲石 西雲院
八はしでら 常光院
めやみ地蔵 仲源寺
八坂庚申堂 金剛寺
日限地蔵 安祥院
血天井・宗達寺 養源院
那須の与市さん 即成院
今熊野 観音寺
山科聖天 双林院
牛尾観音 法厳寺
![八坂庚申堂 金剛寺](https://i0.wp.com/photo53.com/img/yasakakoshindo1.jpg?resize=1024%2C684&ssl=1)
八坂庚申堂 金剛寺 京都フリー写真素材
小町寺 補陀洛寺
松ヶ崎大黒天 妙円寺
嵯峨釈迦堂 清涼寺
沙羅双樹の寺 東林院
桂地蔵 地蔵寺
花の寺 勝持寺
![勝持寺 花の寺](https://i0.wp.com/photo53.com/img/shojiji2.jpg?resize=1000%2C750&ssl=1)
花の寺 勝持寺 京都フリー写真素材
腹帯地蔵 善願寺
かましきさん 勝念寺
日野薬師 法界寺
橋 寺 放生院
終わりに
今回は、おすすめの京都札所・寺社めぐりを紹介しました。
おそらくよく知られている社寺より、初めて知った社寺の方が多かったのではないでしょうか。
札所めぐりの多さにしり込みしている人もいるかもしれません。
でも初めに書きましたように、必ずしもそれぞれの決まり事を守らなければならないとは限りません。
もちろんやる気満々で巡拝していただいてもOKです。
奥深い京都をより知っていただくための一つの方法として紹介したつもりですので、どうぞお気軽に、札所めぐりを楽しんでみてくださいね。