京都の中心での河原町通りの西にある新京極通りの三条から四条までをの新京極商店街、「新京極」と言います。
京都の土産物屋さんや飲食店のほか、おしゃれなお店やシネマコンプレックスなど様々なお店がずらっと並んでいます。
地元の人も良く訪れるスポットですが、今回は新京極商店街の別の顔を紹介します。
観光のルートとして、いつものショッピングのついでに、ちょっと散策してみませんか?
新京極8社寺御朱印めぐり
明治5年(1872年)、京都府参事槇村正直が、東京遷都により衰えていた京都市民の士気を盛り上げるため、寺町かいわいにあった寺院の境内を整理して新たに通りを造りました。
その通りが新京極通りです。
現在、新京極に面して7つの寺院と1つのお宮があります。
三条から四条までの1㎞にも満たない通りに8つの社寺があるのですよ。
なんか京都っぽいですね。
この8つの寺社をめぐって御朱印を集めてみませんか?
オリジナルの御朱印帳が、新京極のお店で販売されていますので、それをもって御朱印をいただきに回ってみましょう。
新京極8社寺
新京極の8社寺は、北(三条)から順に
誠心院 和泉式部ゆかりのお寺
西光寺寅薬師 開運繁栄、寅年生まれの守護仏
蛸薬師堂永福寺 病気平癒の御祈祷が有名
安養寺倒蓮華 ご本尊阿弥陀如来の蓮華が逆さになっている女人往生のお寺
善長寺 天然痘平癒・瘡神(くさがみ)さんと親しまれる
錦天満宮 ご祭神は菅原道真。寺町通りに面している鳥居が両脇のビルに埋まっている!
染殿院 安産のお地蔵様
8社寺すべてをゆっくり回ってもうまくいけば半日。
御朱印めぐり初心者さんにも、チャレンジしやすいですよ。
詳しくは新京極商店街の公式サイトをご覧くださいね。
新京極の七不思議
御朱印めぐりのついでに、新京極の七不思議も検証してみましょう。
8社寺の不思議も含まれていますので、少し重複してしまいますが、簡単に紹介しますね。
たらたら坂
三条通りから新京極に入ると緩やかな下り坂になっています。
高低差は1m足らずの緩やかな坂ですが、新京極通りと並行している寺町通りと河原町通りには、このような坂がありません。
なんで?
今の新京極の辺りは鴨川の河原でした。
天正年間、豊臣秀吉が三条大橋を造らせたとき、三条通りを寺町通りまで伸ばします。
その際、河原の部分を埋めて三条通りの高さを揃えまっすぐ寺町通りまで通しました。
時は流れ、もともと河原だった場所に新京極通りを造るとき、三条通りと高さがずれてしまい、それをカバーするためにできたのが”たらたら”坂なのです。
迷子の道しるべ
誓願寺の山門のわきにある石標です。
正面に”迷子道し留偏(みちしるべ)”・左には”たずぬる方”・右には”おしゆる方”と彫られています。
左側に迷子を訪ねる人が紙を張り、右側には迷子を見つけた人が紙を貼ります。
この「迷子の道しるべ」にお願いをすると、落とし物や探し物が見つかると言われています。
警察などがなかった時代、迷子は深刻な社会問題でした。
探す手立てもなく、途方にくれた人のために、各地の社寺にこのような石標が建てられていました。
五臓六腑のある阿弥陀如来像
続いても誓願寺のお話です。
日本で初めて人体解剖をした山脇東洋は、ある晩見知らぬ男の夢を見ました。
「私は、無実の罪で死刑になり、その上解剖されて内臓まで失いました。このままでは成仏できません…。」
山脇は、夢に出てきた死刑囚の菩提を弔うために、五臓六腑のある阿弥陀如来像を山脇家の菩提寺である誓願寺に寄進しました。
その阿弥陀如来像は、元治元年(1864年)の「蛤御門の変」で焼失したため、見ることはできません。
ちょっと見てみたかったですね。
倒蓮華(さかれんげ)の阿弥陀如来像
こちらも新京極8社寺の1つ、安養寺のお話です。
安養寺のご本尊阿弥陀如来像は、蓮華座の蓮華が逆さまになっています。
これは、業の深い女性(昔は女性蔑視の風潮が普通だった)も救済されるんだと阿弥陀様が証明するためにお告げをされたためだと伝わっています。
未開紅の梅
誓願寺の塔頭・長仙院には、”未開紅”と呼ばれる珍しい梅があります。
つぼみの時には紅色で、開花すると真っ白な花になります。
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和泉式部塔
やはり新京極8社寺の1つ誠心院の中に、和泉式部の墓と言われている和泉式部塔があります。
和泉式部は誠心院初代の住職でもあったので、お墓があることに何の不思議もないのですが…。
なぜ七不思議に入っているのだろう、不思議だなあ。
染殿地蔵
染殿院にあるお地蔵様です。
染殿地蔵は、平安時代の文徳天皇の皇后染殿后が祈願し、無事懐妊したことから、染殿地蔵と呼ばれるようになり、以来安産のお地蔵さまとして信仰されてきました。
このお地蔵様は、弘法大師空海の作と言われ高さ2mほどの立木のお地蔵様です。
そして、なぜか裸なのです。
染殿地蔵は今でもお祀りされているのですが、通常公開はしていないので、そのお姿を見ることはできません。
一度見てみたいですが…。
いや、変な意味じゃなくて。
終わりに
今回は、とっても気軽な京都散策を紹介しました。
観光のお客さんなら観光のお土産を購入するため、京都市民ならちょっと遊びに。
定番の新京極ですが、今回紹介したように、一風変わった散策も楽しめます。
今度新京極を訪れるときは、今日の記事を思い出してみてください。
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