京都の秋を代表する花と言えば、萩の花です。
秋の七草にも数えられる萩は、万葉の時代から愛されてきた日本人にとってとても親しみのある花と言えます。
京都でも残暑がまだ厳しい8月下旬ごろから場所によっては10月中旬ごろまで萩の花が私たちの目を楽しませてくれます。
今回は、そんななじみ深い萩の花のおすすめスポットを定番からちょっと穴場までいろいろ紹介します。
2020年、コロナで憂鬱な気分を可愛い萩の花を見てほんの少しでも癒されましょうね。
「萩の宮」梨木神社
京都御所の東に位置する梨木(なしのき)神社は、その名の通り萩の花で有名な神社です。
明治18年(1885年)、明治維新の立役者の一人でもある三条実美(さねとみ)の父三条実萬(さねつむ)を祭神として創建されています。
その後実美も祭神として祀られた新しい神社です。
境内の手水舎には、佐女牛井(さめがい)・県井(あがたい)とともに京都三名水と呼ばれている染井(そめい)の井戸があり、今でも飲むことのできる名水です。
萩のおすすめポイント
見ごろは9月下旬から10月上旬。
毎年9月第3または第4日曜日前後には「萩まつり」が行われ、拝殿では献華式、弓術披露、狂言、舞、琴、尺八などが奉納されます。
お茶席も設けられ、歌が書かれた短冊が萩に吊るされている光景は、とても情緒があります。
梨木神社 基本情報
拝観自由無料
アクセス
京阪本線「出町柳」「神宮丸太町」駅下車 徒歩15分
市営地下鉄烏丸線「丸太町」「今出川」駅下車 徒歩20分
市バス4・17・205系統「府立医大病院前」下車 徒歩3分
隠れた萩の名所 迎称寺
迎称寺(こうしょうじ)は、非公開の寺院で普段はひっそりとしています。
ゆっくりと萩を楽しみたい方には、とっておきの場所です。
時宗の寺院でご本尊は阿弥陀如来。
山門のわきには「洛東九番 萩の霊場」と刻まれた石碑が立っています。
おすすめポイント
見ごろは9月下旬から10月下旬。
迎称寺の門前から続く少しさびれたような土塀を覆うように萩の花が咲きます。
そこだけ切り取ると、まるで江戸か室町、はたまた平安時代の風景を見ているような気になります。
近くには金戒光明寺や後で紹介する真如堂などもありますので、萩をめぐる秋の散策コースとしてもおすすめです。
迎称寺 基本情報
拝観不可(非公開)外観のみ
アクセス
市バス 5・17・93・100・203系統「錦林車庫前」下車 徒歩10分
紅葉の前にまずは萩 真如堂
四季を通じて花の美しい真如堂ですが、秋の紅葉も美しいことで有名です。
でもその前に、秋を彩る萩を楽しんでみましょう。
真如堂は、正式名称を真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)といい、比叡山延暦寺を本山とする天台宗のお寺です。
念仏道場として、また特に女性をお救いくださる「うなずきの弥陀」をご本尊語として祀り、庶民の信仰を集めてきました。
境内には、「涅槃の庭」「随縁の庭」という趣の全く違った枯山水庭園がありますので、萩の花とともに鑑賞されてはいかがでしょう。
おすすめポイント
見ごろは、9月上旬から10月上旬。
萩の花は境内のあちこちに見られます。
2020年10月 京都真如堂を囲む見事な萩 pic.twitter.com/Cj5nnZ4IFG
— オカダスタジオ (@okada_pro) October 3, 2020
また、時期によっては酔芙蓉や藤袴なども一緒に楽しめますので、境内をゆっくりと回っていろいろな秋の花を探してみるのも楽しいですよ。
最近人気の花手水にも萩の花が飾られることがありますので、そこにも注目です。
真如堂は、迎称寺からほど近いところにあります。
迎称寺のわび錆を味わった後(前でも)に真如堂まで足を延ばしてみてくださいね。
真如堂 基本情報
拝観時間 9:00~16:00(受付終了15:45)
本堂・境内無料
宝物・庭園 大人500円 中学生400円
アクセス
市バス 5・17・93・100・203系統「錦林車庫前」下車 徒歩8分
「真如堂前」からは急な上り坂になりますので「錦林車庫前」からがおすすめ
隠れた萩の名所 常林寺
常林寺は、京阪出町柳駅からすぐのところにある浄土宗のお寺です。
境内には、本堂と地蔵堂があり、地蔵堂には「世継子育地蔵尊」が祀られ、子宝や安産の御利益があると古くから信仰されています。
普段は目立たない小さなお寺ですが、萩の季節は写真愛好家の方がよく訪れる、でも一般にはまだそれほど知られていない萩の名所なんですよ。
おすすめポイント
見ごろは9月中旬から10月初め。
本堂へ向かう参道の脇には、あふれるような萩の花。
萩に埋もれるような気分です。
圧倒的な萩の多さにびっくりしながら堪能してください。
9月の「敬老の日」には、萩供養も行われますよ。
常林寺の萩は少し早咲きですので、時期を逃さないでくださいね。
常林寺 基本情報
境内自由 9:00~16:00
アクセス
京阪本線「出町柳」駅下車 徒歩2分
京の鬼門を守るしあわせの神社 幸神社
幸神社(さいのかみやしろ)の主祭神は、猿田彦大神(さるたひこおおかみ)です。
縁結びの霊験あらたかな神として有名で、昔から信仰を集めてきました。
何より幸せという神社の名称が縁起良さげですよね。
こちらの神社、規模は小さいですが、京都の鬼門(北東)を守る神社としてとっても大切な役割を担っています。
本殿の北東には、、鳥烏帽子をかぶった猿が鎮座しています。
これは難が去る(猿)という語呂合わせで、古来より猿には魔除けの力があると考えられてきたためです。
京を守ってきて下さるお猿さんも萩の花を楽しんでいるのでしょうか。
おすすめポイント
見ごろは9月下旬から10月上旬。
本殿を挟むように植えられた萩が美しく咲きます。
同じように本殿の両側に鎮座する狛犬とのツーショット写真は、ちょっとお茶目ででもきれいな写真になります。
2020年9月 京都幸神社 縁結びパワースポット 萩 pic.twitter.com/0DC7gnohWo
— オカダスタジオ (@okada_pro) September 26, 2020
幸神社 基本情報
境内自由 10:00~16:00
アクセス
京阪本線「出町柳」駅下車 徒歩12分
萩の咲き乱れる法住寺
法住寺は後白河法皇ゆかりの天台宗の寺院です。
三十三間堂の隣にありながら、萩の隠れた名所となっています。
あまり広くない境内ながら、親鸞聖人そば喰いの像や親鸞聖人作の阿弥陀如来像、四十七士の木像、身代わり不動明王像などがあり、見どころ満載です。
おすすめポイント
見ごろは9月中旬から10月上旬。
境内を埋め尽くすほどの萩の圧倒的な数には見とれてしまいます。
法住寺 萩 – http://t.co/Luae5arhx8 pic.twitter.com/7Tu8qObDiV
— the_kyoto (@the_kyoto) September 26, 2015
趣ある建物とともに撮影するのがおすすめです。
七条周辺の散策コースとして立ち寄ってみては?
法住寺 基本情報
拝観時間 9:00~16:30
拝観料無料
アクセス
京阪本線「七条」駅下車 徒歩8分
伏見の街角にある萩の名所 勝念寺
勝念寺(しょうねんじ)は、浄土宗知恩院の末寺で、織田信長が深く帰依した聖誉貞安上人により開創されました。
織田信長より賜った釜敷地蔵尊を祀っていることから、地元では「かましきさん」と呼ばれて親しまれています。
釜敷地蔵尊とは、地獄で釜茹でにされ苦しむ人の身代わりとして自ら釜の中に入り、人々の苦を取り除き幸せへと導いて下さるお地蔵です
おすすめポイント
見ごろは9月中旬から10月初旬。
勝念寺では、毎年萩の見ごろになる9月中旬には「萩振る舞い」として、門を開放されています。
数十種類の萩が咲き誇る境内は、圧巻です。
どこを向いても萩がいっぱい。
萩の花が堪能できますよ。
勝念寺 基本情報
拝観時間 8:00~17:00(萩振る舞い)
境内自由
アクセス
京阪本線「丹波橋」駅下車 徒歩3分
近鉄奈良線「丹波橋」駅下車 徒歩5分
終わりに
今回は初秋の京都を彩る萩の名所を紹介しました。
残暑はまだまだ厳しいこの頃ですが、萩の花が見ごろになるころには、朝夕もやっと涼しくなり、ほっとする時期だと思います。
特に今年(2020年)は、マスク着用で暑さもひとしおですが、美しい萩を見て、ほっこりとしてくださいね。
コメント