曼殊院門跡は、天台宗の門跡寺院で紅葉の名所として知られています。
駅やバス停からは、少し歩きますが、のどかな風景を楽しみながら歩くことができます。
曼殊院門跡のある修学院から一乗寺周辺は、真夏はちょっとしんどいですが、季節のいい春や秋などにおすすめの散策コースですよ。
曼殊院の由緒
曼殊院門跡は、伝教大師最澄が比叡山に建てた坊の1つが起源とされています。
現在の地に移転され、整えられたのは明暦2年(1656年)、良尚法親王(りょうしょうほっしんのう)によるものです。
良尚法親王は、桂離宮を造営した八条宮智仁親王の次男で、堂宇・庭園の意匠は、桂離宮に共通しているところも多く、曼殊院門跡は、「小さな桂離宮」とも言われています。
一乗寺竹の内町にあることから「竹内門跡」とも呼ばれています。
ご本尊は、阿弥陀如来。
青蓮院・三千院・毘沙門堂・妙法院とともに、天台宗五箇門跡の1つとなっています。
曼殊院の見どころ
曼殊院道を東へ上ってゆくと曼殊院の正門である勅使門が見えてきます。
こちらは天皇の勅使しか入れない門なので通常は閉門、拝観受付は北通用門です。
勅使門前の参道は、特に秋の紅葉が見事。
とても素敵な景色が見られますよ。
庫裏から大玄関
庫裏を通って、大玄関に入ると、虎の間・竹の間・孔雀の間という部屋があります。
それぞれの部屋には、虎・竹・孔雀が描かれていて、特に虎の絵は、狩野永徳の手によるものと伝わっています。
書院前の雅な庭園
大書院の十雪の間には、狩野探幽の襖絵が。
そして一番の見どころである庭園が、小書院・大書院の前に広がっています。
水の流れに見立てた白砂と鶴島・亀島と名付けられた2つの島が作られた枯山水庭園、その奥の小書院が屋形船を表しているそうです。
小書院広縁の前には、ふくろうの手水鉢。
鶴島には、樹齢400年とも言われる五葉松が鶴を表現し、根元には曼殊院型キリシタン灯籠が置かれています。
5月の初め、霧島ツツジが咲きそろうと、鮮やかな赤色と、静かな枯山水庭園の調和が、美しい景色を見せてくれます。
庭園には、椿・梅・ソメイヨシノ・笹リンドウなども植わっていて、四季を通じて咲き誇っています。
特に秋の紅葉は見事で、この季節は、例年観光客の方がぐんと増えるようです。
幽霊の掛け軸
大書院から小書院、そして台所へ向かう近くの廊下には、2枚の幽霊の掛け軸があります。
掛け軸の上には「撮影厳禁」との注意書きが…。
「撮影されますと差し障りがあることが…」なんてことまで書かれているのです。
ちょっと怖い。
参拝したときは、素通りしてしまいました!
黄不動
曼殊院には、国宝「黄不動」という仏画があります。
園城寺(大津市)の不動明王像を模写したもので、模写としては最古だそうです。
青蓮院の「青不動」高野山の「赤不動」とともに三不動と呼ばれているのですが、通常は非公開、めったに公開されないそうです、残念。
弁天島
勅使門から北通用門へ歩くと左側に、弁天池、その中央に弁天島が見えます。
弁天島には、曼殊院の鎮守堂であり、最も古い建物の天満宮と、弁天堂が建っています。
このあたりでも秋は美しい紅葉が楽しめます。
曼殊院は紅葉の名所として知られていますが、最寄り駅やバス停から少し歩かなくてはならないせいか、シーズン中でも午前早くなら意外と空いています。
ゆっくりと景色を楽しみたい方は、ぜひ曼殊院など修学院エリアの散策にお出かけください!
曼殊院 基本情報
拝観時間 9:30~17:00(16:30受付終了)
拝観料 800円
駐車場 無料 普通車のみ50台
アクセス
最寄り駅 叡山電鉄 『修学院』駅
市バス 『一乗寺清水町』
どちらも徒歩20分くらいかかります
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