二十四節供の「啓蟄」とは?気候や風習・食べ物、京都の行事を紹介!

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二十四節気・雑節
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「啓蟄(けいちつ)」の「蟄」という字は、虫などが土の中に隠れていることを意味しています。

土中で冬ごもりをしていた虫たちが、穴を啓いて(ひらいて)地上へ出てくる季節ということから、「啓蟄」という名前が付けられました。

陽の光がやわらかくなり、だんだんと暖かい日が増えてくるこの時期は、虫だけでなく、私たちの”お出かけ虫”も活発に動き始めます。

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啓蟄の期間と気候

啓蟄の期間は、3月6日ごろから20日ごろまでとなっています。

桃の節供は終わりましたが、桃の花や梅の花は、そろそろ見ごろを迎える頃です。

「寒かった冬を乗り越えて、今年も春がやってきた」

毎年のことですが、私にとっては、ホッとする時期です。

七十二候

初候  蟄虫啓戸 すごもりむし とをひらく

冬ごもりをしていた虫が、姿を現し始める頃です。

虫という字は、「蟲」の略字なのですが、「蟲」は、生き物全体を指す言葉だったんです。

ですので、昔は、冬ごもりの虫とは、昆虫だけでなく、熊や蛇、カエルなども含まれていたのです。

 

次候  桃始笑 ももはじめてさく

桃のつぼみがほころび、花が咲き始める頃です。

昔は、花が咲くことを、「花が笑う」と言っていたそうです。

とてもいい言葉ですね。

この季節には、桃の花以外にも、梅やスミレなど、春の花がどんどんと咲き始めます。

 

末候  菜虫化蝶 なむしちょうとなる

菜虫とは青虫のことです。

青虫がさなぎになり、冬を過ごし、そろそろ羽化するころという意味です。

散歩をしていると、モンシロチョウがふわふわと飛んでいるのを見かけることも増えてきます。

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啓蟄の期間の食べ物や和菓子

啓蟄の頃に旬を迎える食べ物やおすすめの和菓子を紹介します。

旬の食べ物

わらび

蕨(わらび)は、春の訪れを教えてくれる山菜です。

あく抜きしたわらびと厚揚げの煮物やわらびとこんにゃくや人参の炒め物などは、食卓に春を運んでくれます。

葉わさび

カットした葉わさびを、さっと湯通しして、しょうゆをかければ、爽やかな辛みが口の中に広がります。

箸休めやおつまみにもおすすめの一品ができあがり!

鰆(さわら)

春の魚と書く鰆は、まさにこの時期が旬の魚です。(秋から春にかけてが旬です)

淡白な味ですが、照り焼きや西京漬けにすると、上品な甘みがおいしいですよ。

おすすめの和菓子

いつ食べてもおいしい和菓子ですが、春を感じるこの時期おすすめの和菓子はこちらです。

わらび餅

柔らかいのに弾力があり、優しい甘みがうれしいわらび餅。

涼し気な見た目から、夏のスイーツとして楽しまれることが多いですが、春のこの時期にもおすすめですよ。

よもぎ餅

よもぎは、3月から5月が旬です。

特に啓蟄の頃は、よもぎの新芽が摘み頃です。

よもぎの緑色と独特の香りが、春の野原を想像させてくれます。

うぐいす餅

「ホーホケキョ」と美しい声を聴かせてくれるうぐいすは、そろそろ初鳴きするころでしょうか。

餡を餅や牛皮で包み、うぐいす色のきな粉をかけたうぐいす餅

発祥は天正年間とも言われていますので、結構歴史のある和菓子です。

うぐいすの別名は「春告げ鳥」

春を待ちながら、うぐいす餅を召し上がれ。

啓蟄の期間に催される行事

啓蟄の期間におうちで行う行事という者はありませんが、全国各地のお城や公園などで啓蟄に行う恒例行事があります。

菰(こも)はずし

菰とは、わらで作ったむしろです。

冬が来る前に、松の木にまいておいた菰を、啓蟄の日に外して燃やします

これは、寒さを逃れるために菰に入り込んだ松の害虫を、菰ごと燃やして退治することが目的でした。

でもあまり効果がないことがわかってきました。

ですので、今は冬の風物詩として行われているようです。

京都で催される行事

涅槃会 泉涌寺・東福寺ほか  3月14~16日

約2500年前の旧暦2月15日、仏教の開祖・釈迦が入滅しました。

その遺徳をしのんで、3月15日前後に涅槃会が行われます。

(涅槃とは、あらゆる煩悩から解放された状態・悟り)

涅槃会では、文字の読めない人にも仏教の教えがわかるように、お釈迦様の入滅を描いた涅槃図を掲げて法要します。

涅槃会は、釈迦の誕生を祝う灌仏会かんぶつえ・花まつり(4月8日)と釈迦が悟りを開いた日を祈念する成道会じょうどうえ(12月8日)と並ぶ三大仏会です。

京都の各寺院で行われますが、とくに有名なのは泉涌寺・東福寺・真如堂などです。

泉涌寺の涅槃図は、長さ16m・幅8mという日本最大の図が掲げられます。

この日は、厄除けの花御供はなくそ」と呼ばれるあられ餅がお供えの菓子として授与されます。

嵯峨お松明・嵯峨大念仏狂言   清涼寺   3月15日

涅槃会が行われているこの日の夕刻、清涼寺の本堂から移されてきた護摩木の火が、境内に立てられた3本の柱松明に点火されます。

午後8時ごろには、大きな火柱が上がり、夜空を焦がす様子は、大迫力です。

このお松明は、釈迦の荼毘だび(火葬)を表すとされ、涅槃会の締めくくりとして行われています。

3本の大松明を稲に見立て、それぞれの燃え方でその年の稲作の出来を占うとも言われています。

同じ日、境内の狂言堂では、嵯峨大念仏狂言が演じられます。

終わりに

啓蟄の期間が終わると、いよいよ春分です。

冬の間、息をひそめていた生き物・植物たちが、どんどんと活動し始める季節となっていきます。

季節の変わり目で、体調を崩しやすい時期です。

でも、やわらかな春の陽のもと、ゆっくりと散策してみませんか。

小さな発見があるかも…。

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