京都市上京区の寺町通りに面した阿弥陀寺は、織田信長の遺骨が埋葬されたとされている浄土宗のお寺です。
大河ドラマ「麒麟がくる」では、染谷将太さんが好演されている織田信長。
本能寺の変後、明智光秀がどんなに捜索しても信長の遺体が見つからず、信長の報復を恐れた諸大名が光秀の味方に付かなかった要因の一つともいわれています。(真偽のほどはわかりませんが)
その信長の遺体、実は当時の阿弥陀寺の住職が命を懸けて守り抜いたらしいのです。
今回は、歴史ファンならずともワクワクするような逸話とともに阿弥陀寺の由緒や見どころを紹介します。
阿弥陀寺(寺町)の由緒
阿弥陀寺は、天文10年(1555年)近江国坂本に玉誉清玉が創建したお寺が前身で、蓮台山浄土宗の寺院。
ご本尊は阿弥陀如来です。
その後清玉が織田信長の帰依を得て、京の上京今出川大宮に移転しました。
阿弥陀寺は、信長のほかに正親町天皇や多くの武将も帰依し、一時は13もの塔頭を持つ大伽藍を形成するほど隆盛していました。
信長亡き後、豊臣秀吉の命により現在の場所に移され、江戸時代初期には大火に遭い、信長の遺物の多くが焼失してしまいました。
信長・信忠父子と家臣たちが眠る寺
本能寺の変の際、阿弥陀寺より駆け付けた清玉上人は、すでに自害し(家来により火葬されていたともいわれる)信長の遺骸(遺骨)を本能寺から持ち出し、阿弥陀寺に埋葬したと伝わっています。
この話は「信長の棺」というベストセラー小説の中にも取り上げられていて、それにより一般に知られました。
大正6年(1917年)宮内庁の調査により阿弥陀寺にある信長の墓が廟所であると確認され、信長公廟所とされました。
現在も毎年6月2日に「信長忌」が行われ、多くの歴史ファンが訪れています。
信長忌にのみ拝観できる寺宝に注目
信長の命日6月2日に行われる「信長忌」は、歴史上の有名な人物の法要に参列できるという数少ないチャンスとされ、多くの人が訪れます。
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また、この日のみに公開される本堂には、信長の木像や焼失を免れた寺宝を見ることができます。
信長の像の中でも阿弥陀寺のものが実際の信長に一番似ているという噂があります。実際の信長を身近に感じられるかも
信長忌
毎年6月2日
法要 10:00~10:30
本堂拝観受付 9:30~14:30(法要中は本堂の拝観ができません)
料金 1000円
阿弥陀寺 基本情報
境内拝観・信長公墓所参拝自由
アクセス
地下鉄烏丸線 今出川駅下車 徒歩10分
京阪本線・叡山電鉄 出町柳駅下車 徒歩10分
最後に
今回は、寺町にある阿弥陀寺を紹介しました。
実は阿弥陀寺という名前の寺院、京都にはほかにもいくつかあります。
ですので今回は、寺町という場所もセットでお話ししました。
ほかの阿弥陀寺はまだ次回以降に紹介しようと思っています。
信長公の墓参がしたいときには、必ず寺町もしくは上京区の阿弥陀寺を目指していってくださいね。(特にタクシーを利用するときは気を付けて)
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