京都の市街新京極通りのほぼ真ん中にある安養寺は、古くから女人往生の寺として、女性の信仰を集めてきました。
今回は、倒蓮華寺(さかれんげじ)とも呼ばれているこの安養寺についてお話します。
今日の記事を読んで興味がおこったら、新京極へ遊びに行ったときにはぜひ、安養寺にもちょっと寄ってみてくださいね。
安養寺の由緒
安養寺は、浄土宗西山禅林寺派のお寺で、ご本尊は阿弥陀如来です。
ご本尊の台座・八葉蓮華が逆さになっているために「倒蓮華寺」という別称があります。
平安時代の寛仁2年(1018年)恵心僧都が大和国(奈良県)当麻(たいま)に建立した華台院が始まりです。
そして恵心の妹、安養尼に引き継がれ「安養寺」と改められました。
平安時代の終わりごろには、京都へ移され、安土桃山時代の天正年間に、豊臣秀吉による都市改造に伴って現在の地に移されました。
倒蓮華寺の由来
安養寺の阿弥陀如来像の台座は、なぜか蓮華の花弁が下を向いています。
これは、阿弥陀如来が女性を救済するために、夢告げに現われたためだと伝わっています。
ご本尊の阿弥陀如来像の台座を何度作っても、すぐに壊れてしまうことが3度。
悩んだ仏師が春日明神にお祈りをすると、阿弥陀如来様が夢枕に立ちました。
だから蓮華を逆さにした台座を作りなさい。
そうすれば、女性も同じように救済されます。
この時代は、女性蔑視が当たり前でした。
女性蔑視の時代の中で女性たちが救済されないと考えられていたことを正すためにと阿弥陀様が「ほら、これで女性たちも救われるんですよ」と明確な形で証拠を示し、女性たちを救おうとされたのです。
そして、多くの女人たちが倒蓮華阿弥陀如来像に参拝してきました。
安養寺の基本情報
安養寺は、新京極の蛸薬師通りのところにあります。
山門はあるのですが、建物はビルになっているため、少しわかりにくいかもしれません。
中へ入ると弁財天や北向き地蔵がお祀りされています。
倒蓮華の阿弥陀如来像は、2階の本堂に祀られているのですが、残念ながら通常は拝観できません。
安養寺は「洛陽六阿弥陀めぐり」の第5番の霊場で、功徳日と呼ばれる霊場巡りの日だけ特別公開されているので、阿弥陀如来像を拝観したい方は、功徳日に合わせてお参りしてください。
安養寺 拝観料無料
拝観時間 7:00~20:00
洛陽六阿弥陀めぐり 第5番
新京極8社寺御朱印めぐり
アクセス
阪急京都線 河原町駅下車 徒歩5分
京阪本線 祇園四条駅下車 徒歩7分
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