新年を迎えて初めての二十四節気が「小寒(しょうかん)」です。
寒さは一層厳しくなり、まさに冬本番となるころです。
お正月休みも明けたこの時期は、どんな過ごし方をしてみますか?
小寒とはどんな意味?期間と気候は?
小寒は、1月5日ごろから1月19日ごろの期間です。
小さい寒さと書いて、小寒。
寒いのは寒いのですが「まだピークではない、その手前」というくらいの意味で、「小」の字が使われています。
ということは、寒さのピークには?
ご想像の通り「大」の字を使って「大寒」です。
正直「小寒」の時期でも十分寒いのですけどね。
寒の入り
小寒の初日を「寒の入り」といいます。
そして、小寒と大寒の約30日間を「寒の内」と言い、1年で最も寒い時期になります。
新年の挨拶状をこの時期に出すときは、「寒中お見舞い」となります。
七十二候
二十四節気をもっと細かく分けた七十二候では、小寒の気候がこのように表現されています。
初候 芹乃栄 せりすなわちさかう
芹が良く育つ頃
春の七草のひとつ・芹は冷たい水辺で育ち、この時期にはどんどんと育ってゆきます
次候 水泉動 しみずあたたかをふくむ
地中で凍っていた水が温まり、動き出す
まだまだ厳しい寒さの中ですが、地中では少しずつ春の暖かさがやってきています
末候 雉始雊 きじはじめてなく
雄の雉が鳴き始める頃
雄の雉が、雌へ求愛するために鳴き始めます。春の繁殖期はすぐそこにやってきています
小寒の食べ物
小寒の期間には、七草がゆを食べる1月7日と小豆がゆを食べる1月15日が含まれています。
七草がゆ
五節供の1つ・人日でもある7日は、お正月休みも終わり、学校も始まるころです。
この日は、春の七草を加えたおかゆをいただく風習があります。
七草がゆの由来は、いろいろありますが、一般的には、お正月に御馳走を食べて疲れた胃を休ませるためだと言われています。
主婦としては、食べるものが決まっている日というものは、とても助かります。
夕飯のメニューを考える手間が、少しだけ省けるからです。
小豆がゆを食べる小正月の15日も同じ理由でうれしいのですが、こちらはまだあまり一般的にはなっていません。
残念!
小正月とは、松の内の1月7日までに対して、15日を言います(地域により変わる)
お正月に忙しく働いた主婦をねぎらう日とも言われ「女正月」という地域もあります。
成人の日の祝日が15日に定着していた時は、ご存じの方も多かったのですが、今はなじみが薄くなっているようです。
小寒の和菓子
新年になって初めて行われるお茶会を初釜と言います。
初めて釜をかけるという意味です。
裏千家の初釜の主菓子(おもがし)は、はなびら餅となっています。
はなびら餅、ご存知ですか?
白いお餅の上に紅色の菱餅をおいて、その上に白みその餡、甘く煮たごぼうを乗せて半月に包んだ和菓子です。
わが家でも毎年お正月になると、お茶会には行かないけれど、おうちでお抹茶を立てて(釜ではなく、ポットのお湯で)はなびら餅をいただきます。
着物を着て、お茶をたてて、はなびら餅をいただけば、ぐっと華やかな気分になれますよ。
小寒の期間にある行事
小寒の期間には、お正月に関する行事が残っています。
鏡開きやどんど焼きなどです。
鏡開き
鏡開きとは、お正月に年神様に供えたお餅のお下がりをいただく行事のことです。
鏡開きは、地域によって違いますが、1月11日が一般的です。
もとは、武家社会で、よろいや兜に供えたお餅を正月明けに食べる行事でした。
鏡開きでは、お餅を斬るときに包丁などの刃物を使ってはいけないとされています。
これは、切腹を連想させるためです。
武家の行事が由来であることがこんなことにも表れていますね。
じゃあどうやってお餅を割るのか。
金づちや木づちで割るのです。
鏡開きの頃には、お餅は多分乾燥してひび割れているはず、なので金づちでたたけば結構うまく割れますよ。
ただし、割れたお餅が飛び散らないように、お餅を新聞紙や布で包んでから割ってくださいね。
割ったお餅は、お汁粉やおかゆに入れていただきましょう。
しっかり乾燥させて揚げれば、おいしいあられになりますよ。
どんど焼き
15日の小正月には、お正月の飾り物などをお焚き上げするどんど焼きが行われます(地域により日程に違いあり)
神社で行うところもあれば、地域が主体で行う場合もあります。
「どんど焼き」という呼び名になじみのない方もいらっしゃると思いますが、では「左義長(さぎっちょ)」という呼び名はご存知ですか?
どちらも同じ行事を意味するのですが、地域によって呼び方が違うそうです。
近畿・北陸の一部では「左義長」のようです。
あなたの地域では、どんな呼び方でしょう?
京都で行われる行事
京都では、この時期多くの行事が行われます。
七草がゆ・小豆粥のふるまい行事も多いのですが、これは別に記事を書いていますので、そちらをご覧ください。
京都では、ほかにもいろんな行事が行われています。
とてもすべては行けません。
なのでおすすめの行事を少し紹介…。
1月7日・9日 芸舞妓さんの始業式 五花街
京都の花街(かがい)では、仕事始めに当たる「始業式」が行われます。
正装の黒紋付の着物、髪には本物の稲穂と、その年の干支にちなんだかんざしを挿した芸舞妓さんが、それぞれの花街にある歌舞練場や会場に集まります。
「新年おめでとうさんどす」
「今年もよろしゅうおたのもうします」
などとあいさつを交わし、とても華やかな雰囲気になります。
京都には、祇園甲部・先斗町・祇園東・宮川町・上七軒の五花街があり、上七軒だけは9日に、あとの四花街は7日に始業式が行われます。
1月8~12日 初ゑびす 京都ゑびす神社
西宮・大阪とともに日本三大ゑびすの1つとされる京都ゑびす神社で行われる十日ゑびすは、通称「初ゑびす」といいます。
8日の招福祭・9日の宵ゑびす祭・10日の初ゑびす祭・11日の残り福ゑびす祭・12日の撤福祭と5日間にわたって賑わいます。
宝恵かご社参や湯立神事、東映太秦映画村の協力による東映の女優さんの福笹授与、舞妓さんの福笹授与など、京都ならではの行事がてんこ盛りです。
(2022年の行事は、コロナウイルス感染対策のため、変更される可能性があります)
1月15日に近い日曜日 通し矢・柳のお加持 三十三間堂
「柳のお加持」とは、後白河上皇の病気平癒の祈祷に由来している行事です。
7日間にわたりお加持した浄水を、柳の枝(霊木とされる)で、参拝者の頭上に振りかけて、頭痛封じ・無病息災などの功徳を授ける行事です。
同じ日に行われる「通し矢」は、元々は、武士たちの技比べでしたが、今では、全国の新成人が集まって、弓の引き初めをする行事になりました。
当日は、境内が無料公開されていて、多くの人々でにぎわいます。
終わりに
年が改まり、心機一転がんばろう!
などと、それなりに意気込んではみたものの、結局いつもの毎日が続いている…。
毎年そんな感じで正月を終えている私ですが、気持ちだけは前向きに暮らしています。
ここしばらくは、コロナウイルスのせいで、生活が変わってしまったという方も多いことと思います。
最近(2021年11月)は、やっと落ち着いてきたかも(まだわからん!)。
少しずつ平常が戻ってくることを祈りつつ、私のつたない記事にほっとしたり、新しいことを発見していただけたら嬉しいです。
ではまた (@^^)/~~
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