賀茂川と高野川が合流する地点・鴨川デルタから少し西へ向くと住宅の間に樹々が生い茂った景色が見えます。
下鴨神社の糺の森です。
ユネスコ世界遺産に指定されている下鴨神社は、京都でも有数の観光スポット、そしてパワースポットとして知られています。
私も大好きな下鴨神社の魅力を、今回はたっぷりと紹介したいと思います。
下鴨神社のご祭神と由緒
多くの歴史ある寺社がある京都の中でも、下鴨神社は特に歴史が古い神社の1つです。
まずは、京に都ができる以前から、この地に建つ下鴨神社の由緒とご祭神についてお話ししましょう。
ご祭神
下鴨神社の本殿は、東西に分かれており、
西殿には賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
東殿には賀茂建角身命の御子神・玉依媛命(たまよりひめのみこと)
がお祀りされています。
下鴨神社の正式な名前は「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」です。
「御祖」とは、親のことで、親の神様をお祀りしているという意味です。
下鴨神社から賀茂川をさかのぼった先にある上賀茂神社(賀茂別雷神社:かもわけいかづちじんじゃ)のご祭神・賀茂別雷大神は、玉依媛命の子であり、賀茂建角身命の孫にあたるのです。
上賀茂神社のご祭神の母と祖父をお祀りしていることから「賀茂御祖神社」という名がつきました。
由緒
下鴨神社の創建ははっきりとわかっていませんが、「日本書紀」では、神武天皇2年(紀元前658年)には、賀茂建角身命をお祀りしていた一族が既に存在していたようです。
崇神天皇7年(紀元前90年)には、社の瑞垣(垣根)が造営されたと伝わっています。
平安時代よりはるか昔から、下鴨神社は山城(京)の地にお祀りされていたのです。
難しい話はこれくらいにして、そろそろ下鴨神社へ参りましょう!
下鴨神社の見どころ
下鴨神社の参道は、広大な森に囲まれています。
青々しく、爽やかな森の香りは、まさに癒しのパワースポットです。
糺の森:ただすのもり
糺の森は、平安京以前の原生林が見られる貴重な森で、樹齢200~600年もの樹木が多数生い茂っています。
国の史跡に指定されているほか、平成6年(1994年)には、本殿(国宝)と社殿53棟(重要文化財)とともに、世界遺産に指定されました。
5月3日には、流鏑馬神事、8月には古本まつりが行われ、多くの人でにぎわいますが、普段は静かで瀬見の小川・泉川という2本の小川のせせらぎが聞こえるマイナスイオンたっぷりの森です。
私がお参りした日は、まだ残暑が厳しい頃でしたが、一歩糺の森に入ると、とても涼しい風が吹き渡り、汗がす~っと引いていきました。
家族連れが楽しそうに遊んでいる光景も見られ、日常のストレスもすっかりどこかへ行ってしまうほどです。
森に癒されながら参道を歩いてゆくと、朱の鳥居、その向こうには楼門が見えてきます。
下鴨神社本殿
下鴨神社のご本殿は、賀茂建角身命がお祀りされている西御本宮(にしのごほんぐう)と玉依媛命がお祀りされている東御本宮(ひがしのごほんぐう)に分かれています。
西御本宮のご神徳は、厄除け・開運、東御本宮のご神徳は、縁結び・安産・子育てとなっています。
まずは、こちらでお参りした後、くるりと振り返って、干支の神社・言社(ことしゃ)を参拝しましょう。
言社には、7柱の神様ごとに社殿が設けられ、それぞれ干支の神様としてお祀りされています。
御手洗社(みたらしのやしろ)
ご本殿の東側に位置するのは、御手洗社、その前には御手洗池そして御手洗川が流れています。
御手洗社は、井上社(いのえしゃ)とも呼ばれ、心身の罪穢れを払い、清浄にしてくださる神様・瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)がお祀りされています。
御手洗池は、みたらし団子発祥の地としても有名ですが、葵祭の際には斎王代が禊を行い、土用の丑の日には、御手洗池に足をつけて無病息災を願う「御手洗祭」などが行われています。
三井神社
ご本殿の西側に位置している三井神社には、玉依媛命とご両親がお祀りされています。
東から、玉依媛命の母である伊賀古夜日売命(いかこやひめのみこと)・賀茂建角身命・玉依媛命と3社が並んでいますが、こちらは通常非公開となっています。
2022年秋の特別公開では、三井神社とその奥の大炊殿などを拝観できますので、興味のある方はぜひお越しください。
比良木社(ひらきしゃ)
楼門をくぐって西に見えるのが、開運・厄除けの神社・比良木社です。
ご祭神は、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)で、正式には出雲井於神社(いずもいのへのじんじゃ)と言います。
相生社(あいおいしゃ)
下鴨神社と言えば、はずすことのできないのがここ相生社ですね。
縁結びの神社として有名で、パワースポットとしてもよく知られています。
ご祭神は、神皇産霊神(かみむすびのかみ)で、様々な良縁を授けてくださる神様です。
社の側には、「連理の賢木(れんりのさかき)」というご神木があります。
2本の木が途中から1本になっている珍しい木で、縁結びのご神徳がとても強いとされています。
相生社で特に目を引くのは、とってもかわいいお守りです。
ちりめんの生地で作られたお守りは、1つずつ違った柄で、どれも世界に一つのお守り。
どれにするか迷う方も多いみたいですよ。
河合神社
相生社とともに有名な社が、玉依姫命がお祀りされている河合神社です。
糺の森に入ってすぐ左に位置する神社で正式には、鴨河合坐小社宅神社(かものかわあいにますおこそやけのじんじゃ)という長~い名前なのですが、一般には河合神社で知られています。
女性の守護神でもある玉依姫命は、玉のように美しい姿をされていたという伝説から、美麗の神様として崇敬され、女性に大人気の神社となっています。
河合神社では、手鏡の形をした絵馬があり、そこに顔が書かれています。
自分の化粧品できれいにメイクをして奉納すれば、外見もない面も美しくなると言われ、多くの方が奉納されていました。
また、神社内で採れるカリンから作った美女水(カリン水)も販売されていますので、ぜひいただいてみてください。
雑太社(さわたしゃ)
個人的には、まだ記憶に新しい2019年秋のラグビーワールドカップ!
その時のユニフォームが目を引くのが雑太社です。
こちらは、球技の神様である神魂命(かんたまのみこと)をお祀りしています。
また、関西ラグビー発祥の地とされ、「第一蹴の地」という碑があります。
下鴨神社のご朱印
下鴨神社のご朱印には、可愛い葵の葉が押されています。
中央の字はとても気品漂いながら、葵の葉がアクセントになっていて素敵です。
ほかに相生社、河合神社や比良木社、雑太社などの御朱印もいただけますよ。
今回は京都下鴨神社の御朱印です🐇⛩️🖌️UNESCO世界遺産「古都京都の文化財」の1つであり、また京都最古クラスの社寺でもあります。いつ創建かは諸説ありますが、なんと3世紀前後という説もあるそうです☀️🌛 pic.twitter.com/OyrlQptQRH
— プリンセスラビット (@PrincessUsaHime) September 23, 2021
ちょっと休憩するなら?
下鴨神社から歩いて約5分ほどのところにあるのが、みたらし団子で有名な「加茂みたらし茶屋」さんです。
加茂みたらし茶屋
下鴨神社へ行くならみたらし団子!ということで、私もしっかりといただきました。
こじんまりとしていながら風情のある店内で待つこと約15分、待望のみたらし団子を堪能、お土産もしっかり買って大満足です。
おすすめのみたらし団子のほか、わらび餅やぜんざい、フルーツみつ豆などいろいろ揃っています。
そして私が気になったのが、みたらし団子の醤油焼きバージョンです。
たまたま食べていらっしゃる方がいたのですが、香ばしくて美味しそうでした。
甘いのが苦手な方でも美味しく食べられるのではないでしょうか?
今度は醤油焼きも食べたい!
加茂みたらし茶屋
営業時間 9:30~19:00 (ラストオーダー18:00)
定休日 水曜日(祝日営業)
電話 075-791-1652
加茂みたらし茶屋さんの店構えの写真を撮り忘れていました!
みたらし団子発祥のお店『加茂みたらし茶屋本家亀屋粟義』。下鴨神社を北西側に抜けて徒歩5分ほどのところにあります。みたらし団子といえば一般的には3つの団子が一つの串に刺さっていますが京都では5つの団子も。名前の由来は下鴨神社の御手洗池に湧く水の気泡に見立てて団子を作ったことによる。 pic.twitter.com/SmAAeHtAUC
— きーぼー (@yqsmw197) January 25, 2022
休憩所 さるや
下鴨神社境内にあるのが「休憩所 さるや」という甘味処。
おすすめは、まめ豆茶と申餅のセットです。
まめ豆茶は、丹波産の黒豆を使ったお茶で、申餅とは明治の初期まで、葵祭の際に食べられていたはねず色(薄いピンク)のお餅です。
中には小豆が入っていて、とても上品な味となっています。
他に良縁ぜんざいや鴨の氷室の氷、小豆バー氷の花がおすすめ!
京都 下鴨神社境内 さるや『氷室の氷苺ミルク』
下鴨神社の境内の休憩処。申餅も有名♪ pic.twitter.com/dSWyPayIMD
— かき氷♡LOVE (@kakigoori_love) September 30, 2022
下鴨神社 基本情報
- 開閉時間 6:00~17:30
- 境内自由
下鴨神社公式サイト https://www.shimogamo-jinja.or.jp/
アクセス
- 最寄り駅
- 京阪本線・叡山電鉄 出町柳駅 徒歩約8分
- バス 下鴨神社前・糺ノ森下車
有料駐車場有
バス・鉄道乗り換え案内 http://www.arukumachikyoto.jp/
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