三千院は、市街からは少し離れた洛北大原エリアにあります。
交通手段は自家用車かバス。
のどかな風景が魅力の地域です。
今回は見ごろのあじさいを愛でるため、そして阿弥陀三尊像にお会いするため、数十年ぶりに行ってきました!
出町柳から三千院へ
いつものように京阪本線利用で大原を目指した私は、出町柳駅から市バスへの乗り継ぎルートを選択しました。
駅を出るとちょうどバスが来たところ!慌てて飛び乗りホッと一息。
ところが…時刻は8:20頃なのに、車内は結構人が多く、この時間なら座れるだろうという見込みは大外れ!
残念
大原までの約40分間、ずっと立ちっぱなしでした。
でもバスの窓から見える風景は、山の緑がきれいでとってものどか。
立っていないと見えない景色もあったので、これはこれで良しですね!
大原バス停からは参道を歩いて約10分で三千院です。
三千院参道から御殿門まで
バス停からしばらく歩くと、趣のあるお店がぽつぽつと見えてきます。
道沿いには、しそ畑。
しその紅色とその奥に見える山々がきれい!
すでに癒されモード全開!
三千院参道
三千院の参道は、呂川(りょせん)に沿った坂道です。
涼しい風が通り抜け、緑の美しい樹々から差し込む木漏れ日を楽しみながら、ゆっくりと歩きます。
参道の途中には、お土産物屋さんや飲食店などが点在しています。
そろそろ足が疲れてきたころ、三千院前の参道へ到達。
ゆるやかな石段の向こうにはガイドブックやsnsで見慣れたあの素敵な景色がありました。
時代劇でも見たことがある!
三千院境内へ
三千院への入口は、見事な石垣に挟まれた御殿門。
まるでどこかのお城の門のような風格です。
門をくぐって左側に行くと、拝観受付があります。
この奥に、美しい景色が待ってる!
客殿から見る聚碧園
客殿からは見えるのは、池泉観賞式庭園の聚碧園(しゅうへきえん)です。
聚碧園は、なだらかな斜面を利用した立体的な庭園で、緋もうせんが敷かれた縁側から抹茶をいただきながら見ることもできます。
でも私が訪れたときには、すでに拝観者でいっぱい!
開門すぐに入っているはずなのに…?
でも大丈夫、別の角度からでも十分に美しい景色でした。
苔むす景色が見事な有清園
聚碧園をたっぷりと眺めた後は、客殿から渡り廊下でつながっている宸殿(しんでん)へ。
宸殿にはご本尊の薬師瑠璃光如来像がお祀りされているのですが、秘仏のため一般公開されていません。
宸殿の正面に広がっているのが、三千院のもう1つの庭園・有清園です。
地面は苔で埋め尽くされ、杉やヒノキがすっくとそびえたっている、とても美しい庭園です。
向こうには往生極楽院が見え、そのわきには弁天池があります。
春は山桜に石楠花(しゃくなげ)、初夏から夏にかけては新緑、秋の紅葉に冬の雪景色と1年中美しい景色を見せてくれます。
思いっきり深呼吸をして清々しい空気でお腹いっぱい!
体の中のいろんな汚れがきれいになったようで、すごく気持ちがいい!
そんなに毒は持っていないけど
有清園を散策しながら、往生極楽院へ向かいましょう。
往生極楽院の阿弥陀三尊像
往生極楽院にお祀りされているのは、中央に阿弥陀如来、脇侍として勢至菩薩と観音菩薩の三尊像です。
阿弥陀如来像は往生極楽院の天井ぎりぎりの高さで、この仏様を堂内に納めるため舟底型の天井になっているのが特徴です。
脇侍の勢至・観音両菩薩像は、前かがみの正座という珍しい大和坐りをされています。
この投稿をInstagramで見る
これは少しでも早く人々を極楽往生へお迎えしようとされている慈悲深いお姿らしい…。
ずっとお会いしたかった仏像なので、じっくりと拝見、お参りをしました。
ところどころにいらっしゃるわらべ地蔵さんも可愛い。
あじさい苑へ
往生極楽院から『京の七福神』の1柱・弁財天をお参りします。
弁財天がお守りしているかのようにその奥に広がるあじさい苑へ向かいましょう。
三千院の紫陽花は、土壌の関係なのかブルーや紫のお花が多いようです。
私はブルー系の紫陽花が好きなので、じっくりと観賞しました。
時々ピンクやほかの色の紫陽花もあります。
道なりに見ていると律川(りつせん)が見えてきました。
三千院を挟むように流れているのが、律川と呂川です。
この川の名前は、声明音律の「呂律(りょりつ)」にちなんでいるそうです。
ちなみに「ろれつ(呂律)が回らない」という言葉の語源でもあります。
鎌倉時代の石仏
律川を渡ったところには、大きな石仏がいらっしゃいます。
この石仏は、鎌倉時代の行者たちによって作られた阿弥陀如来様ということです。
高さは約2.25mで、「売炭翁石仏」と呼ばれています。
近くにはわらべ地蔵(おさな地蔵)がたくさん!
有清園のわらべ地蔵とはまた違ったお顔です。
賽の河原っぽいのも…。
弁財天の前を通り過ぎて境内最奥にあるのが、金色不動堂と観音堂です。
金色不動堂
金色不動堂は平成元年4月に建立されたお堂で、護摩祈祷を行う祈願道場となっています。
ご本尊は秘仏の金色不動明王。
毎年4月に行われる不動大祭期間中はご本尊が開帳されるそうです。
金色不動堂の手前には、無料休憩所があります。
無量で美味しいお茶をいただくこともできます。
お茶をふるまってくださる係りの方もとっても気さくで優しい方でした!
観音堂
金色不動堂から石段を少し上った先には朱色が鮮やかな観音堂があります。
金色の観音像がお祀りされています。
観音堂の横にあるのは、石庭・二十五菩薩慈眼の庭です。
こじんまりとした美しいお庭。
円融蔵で文化財を拝見
境内の拝観はこれでほぼおしまいですが、まだ帰るのがもったいない気分。
そこでもう一度あじさい苑をめぐって、有清園じっくりと堪能してから、帰路へ。
客殿まで戻るには、宸殿へ上がって拝観ルートを逆走することになるので、それはできません!
なので、客殿の聚碧園は、後悔のないようにしっかりと目に焼き付けておきましょう。
最後にもう1か所見逃せない場所があります。
それが円融蔵(えんにゅうぞう)です。
中には三千院所蔵の文化財を見ることができます。
展示されている文化財は定期的に入れ替えが行われているので、時期を変えて訪れればいろいろな文化財が見られますよ。
ぜひ見ていただきたいのが、往生極楽院の舟底型天井を原寸大で再現したものです。
この投稿をInstagramで見る
極彩色でとても鮮やかな天井画や柱。
その中央に阿弥陀三尊像が安置されているのだと想像すると…。
当時の往生極楽院にお参りした人たちは、まさに極楽気分だったことでしょう。
こちらは撮影禁止なので、三千院を訪れた際はお見逃しなく!
余韻を楽しみながら…
三千院境内へ入ってから帰路につくまで、ゆっくりと眺めながら拝観しても1時間程度の所要時間でした。
大原地区の他の場所によっても半日で十分楽しめると思います。
大原エリアのおすすめ観光スポットには
- 血天井で有名なの宝泉院
- 額縁庭園が美しい実行院
- 平清盛の娘・建礼門院が隠棲した寂光院
- 豊臣秀吉が勧請した出世稲荷神社
などがあります
でも今回は三千院の参拝のみ、あとはまたのお楽しみです!
御殿門から参道に出ると、行きの道中ではまだオープンしていなかったお店が開いていました。
でもまだ10時が少し回ったくらいなので食事というのも早すぎる。
夫に頼まれたしば漬けを購入し、ついでにしば漬けとバニラのミックスソフトクリームを食べながら、参道を下りました。
帰りのバスは、ゆっくりと座れたのがありがたい!
三千院の基本情報
- 住所 京都市左京区大原来迎院町540
- 拝観時間 9:00~17:00(11月8:30~17:00/12月~2月9:00~16:30)
- 拝観料 一般700円/中高生400円/小学生150円
- アクセス バス「大原」徒歩約10分
バス・鉄道乗り換え案内 https://www.arukumachikyoto.jp/
三千院公式サイト http://www.sanzenin.or.jp/
コメント