伏見稲荷大社は京都伏見にある神社で、全国約30000社ある稲荷社の総本社です。
神秘的で美しい千本鳥居や壮大な総門など、世界的にも人気の神社で季節を問わず多くの観光客でにぎわっています。
美しくてアトラクションのような楽しさもある「おいなりさん」
でも伏見稲荷大社はそれだけではありません。
今回は、いにしえより多くの人々に広く信仰されてきた伏見稲荷大社を詳しく紹介します。
伏見稲荷大社の御祭神と由緒
御祭神
伏見稲荷大社本殿の御祭神は、宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)を中心とする五柱です。
- 宇迦之御魂大神(稲荷大神) 食物を司る神
- 大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ) 宮殿の平安を守る神・巫女の祖神
- 佐田彦大神(さたひこのおおかみ) 道開き・導きの神
- 田中大神(たなかのおおかみ) 田の神か?・宇迦之御魂大神と同神ともいわれている
- 四大神(しのおおかみ) 稲荷神と関わる土着の神か?
田中大神と四大神についてはわからないことが多く、おそらくは稲荷大神と何らかの関係がある神ではないかと考えられています。
由緒
伏見稲荷大社の起源は平安遷都よりずっと昔、奈良時代と伝わっています。
奈良時代に編纂された「山城風土記」によると、当時伏見深草で勢力を持っていた秦伊呂具が餅を的にして射たところ、その餅が白鳥に変化して飛び立ち、降り立った山の峰から稲が生じ、伊呂具がその山の峰に神をお祀りしたことが稲荷社の始まりとされています。
以降秦氏が稲荷大社の神官となって明治時代まで奉仕していたそうです。
平安時代になると、東寺を下賜された弘法大師空海が、天長4年(827)に稲荷社を東寺の鎮守社とし、天慶5年(942)には正一位の神階を授かり、歴代の天皇が行幸するようにもなりました。
応仁元年(1467)から文明9年(1477)まで続いた応仁の乱により、稲荷大社ではほとんどの社殿が焼失しましたが、社僧たちの勧進(寄付)により、明応8年(1499)には再建されています。
この時勧進僧たちが全国を回ったことが、稲荷信仰を広く普及させた一因だと考えられています。
稲荷信仰の普及により、全国で稲荷講(稲荷神への進行によって結ばれている集まり)が結成され、その講や個人の信者が建てた塚・祠は、今の稲荷山を特徴づけるお塚の景色を形作ったのです。
あの神秘的な千本鳥居も、1本1本が願いが叶ったお礼や祈願のしるしとして信者が奉納したもの。
稲荷山には想像できないほどの多くの思い・願いが詰まっているのです。
美しい鳥居を通り抜けるとき、お塚を見たときは、ほんのひととき、ずっと昔の時代から民衆が崇拝してきたしるしということを思い出してみてください。
伏見稲荷大社の御神徳
伏見稲荷大社の御神徳は言わずと知れた商売繁盛!
でも境内に見られるお社にはさまざまな御祭神がお祀りされ、それぞれにご神徳があります。
それらは、境内をめぐりながら紹介していきましょう。
境内の見どころ
まずは一の鳥居から参道を進みましょう。
一の鳥居から千本鳥居まで
JR奈良線「稲荷」駅の目の前にあるのが、鮮やかな朱色の一の鳥居。
現在の一の鳥居は昭和47年(1972)に再建されたコンクリート製です。
鳥居の向こうには広々とした参道。
そして色鮮やかな楼門があります。
鮮やかで美しい楼門
現存する楼門の中でも最大級の規模を誇る美しい門は、高さ約15m・幅約10m。
天正17年(1589)母・大政所の病気平癒祈願として豊臣秀吉が造営しました。
門の両側には「阿吽」の随身像が立っていますが、こちらは江戸時代に作られたのではないかと考えられています。
12星座がデザインされた外拝殿
楼門をくぐった正面には、外拝殿(げはいでん)があります。
外拝殿は、祭事の折に神楽が奉納される場所で通常は中に入ることができません。
ただ、外拝殿の軒下を飾る吊り灯籠は見逃せません。
計12基ある吊り灯籠をよく見ると動物のような絵柄が…。
実はこれ、12星座がデザインされているのです。
なぜ12星座がデザインされているのかは不明ですが、自分の星座を見つけるとちょっとテンションが上がります!
唐破風屋根の鮮やかな彫刻・内拝殿とその奥に鎮座する本殿
外拝殿の奥には内拝殿、本殿が並んでいます。
私たちが手を合わせているのは内拝殿で、本殿は拝殿の奥にあるので正面からは見えませんが、横から見ると美しい流造の屋根を見ることができます。
内拝殿の見どころは軒下の色鮮やかな彫刻です。
本殿の奥にある権殿(ごんでん)は本殿を修繕するときなどに、御神体にお移りいただく建物で、本殿を少し小さくしたような造りになっています。
稲荷大神の神使・白狐を御祭神とする白狐社
権殿左の石段を上った先には、左に上末社・正面に玉山稲荷社・右に白狐社があります。
白狐社はその名の通り、稲荷大神の神使である狐の神様「命婦専女神(みょうぶとうめのかみ)」で、伏見稲荷大社で唯一、神使の白虎をお祀りしているお社です。
伏見稲荷大社 参詣 白狐社 pic.twitter.com/KKx6DkCHAs
— あきちゃん @ゆっくり 前向きに✨ (@akichan0923) April 7, 2015
白狐社の隣に立つのはこちらも本殿に似た造りの奥宮で、ご祭神は、宇迦之御魂大神・佐田彦大神・大宮能売大神です。
神秘的な美しさ・千本鳥居
千本鳥居は、奥宮から奥に進んだ先にあります。
「稲荷塗」といわれる朱で彩られた数えきれないほどの鮮やかな鳥居が続く美しい景色。
これらの鳥居はすべて、感謝と祈りの気持ちを込めて奉納されたものです。
奥社奉拝所から三ツ辻
稲荷山を遙拝する奥社奉拝所
千本鳥居を通り抜けた先、通称命婦谷(みょうぶたに)にあるのが奥社奉拝所です。
奥社奉拝所の背後に位置する稲荷山三ヶ峰を遙拝(遠くから参拝)する場所として鎮座しています。
奉拝所の右奥に一対の石灯籠がありますが、これは「おもかる石」と呼ばれている試し石。
おもかる石の前で願い事を念寺、石を持ち上げたときに想像よりも軽ければ願いが叶い、重ければ願いが叶いにくいといわれています。
お稲荷さん屈指のパワースポット・根上りの松
奥社奉拝所から奥の参道を進むと左手にあるのが根上りの松で、別名「膝松」「奇妙大明神」と呼ばれています。
この松をなでた手で体の痛む場所をなでると特に足腰や肩こりが良くなるご神徳があるとされています。
また根上りの松が「値上りを待つ」に通じることから証券会社や投資者からも広く信仰されているそうです。
松の横には小さな鳥居や石碑が並んでいましたが、これは稲荷山にお祀りされているさまざまな神様のようでした。
ちょこんと鎮座されている狐様がとても可愛かったです!
鷹の神様がお祀りされている熊鷹社
参道をどんどん進んでいくと、たくさんのお塚が見えてきます。
人々の願いや祈りが集まった場所…いつ訪れても少し薄暗いのでちょっと怖いです。
がんばって進んでいくと見えてくるのは新池と熊鷹社(くまたかしゃ)です。
新池は、行方知れずになった人を探すとき、池に向かって手を打ち、児玉が返ってきた方向に手がかりがあるという言い伝えがのこることから別名谺ケ池(こだまがいけ)と呼ばれています。
熊鷹社にお祀りされているのは、熊鷹という鷹の神様(熊鷹大神)です。
お山めぐりのスタート地点・三ツ辻
熊鷹社を過ぎて少し上った先が三ツ辻と呼ばれる場所です。
三ツ辻から四ツ辻まで、お塚やお社をめぐりながら登っていきましょう。
きつい石段もあるので、体力に合わせて休みながら登ってくださいね。
三ツ辻から一ノ峰
京都市街を一望できる四ツ辻
四ツ辻はお山めぐりの起点となる場所で、京都の街が一望できるスポットでもあります。
私がお参りしたのは早朝だったのでまだ開店前でしたが、四ツ辻には「仁志むら亭」という休憩所があり、多くの方がここで休憩をされています。
ちなみに仁志むら亭は、俳優の西村和彦さんのご実家です!
③伏見稲荷大社の中腹
四つ辻にある仁志むら亭さん
俳優の西村和彦さんの実家です。 pic.twitter.com/OZxMQuKD3x— でらっくす(macchan) (@macchan358) October 6, 2015
お山めぐりは右回り・左回りどちらでもかまいませんが、おすすめはやや緩やかな坂が多い右回りです
三ノ峰(下社神蹟)
稲荷山の1つめの峰・三ノ峰には宇迦之御魂大神と同一神の白菊大神がお祀りされています。
間ノ峰(荷田社神蹟)
ご祭神は伊勢大神(天照大神)。
こちらの石鳥居は奴祢鳥居(塗祢鳥居)と呼ばれる特異な形をしていて、日本に1つしかなり貴重な鳥居です。
二ノ峰(中社神蹟)
御祭神は青木大神で佐田彦大神と同一神です。
稲荷山の山頂・一ノ峰(上社神蹟)
一ノ峰には大宮能売大神と同一神の末広大神がお祀りされています。
ここが稲荷山の最高峰で標高233m。
本殿から一ノ峰までの所要時間は、休憩時間も含めおよそ60~70分ほどです。
御劔社から四ツ辻
一ノ峰から少し下がったところにあるのが御劔社(みつるぎしゃ)です。
名刀小狐丸伝説が残る御劔社(長者社神蹟)
長者社とも呼ばれる御劔社は、元は秦氏の祖霊をお祀りしたお社だったそうですが、お祭りされているのは玉依姫命(たまよりひめのみこと)です。
社殿の横には先のとがった「釼石(つるぎいし)」という先のとがった石があります。
伏見稲荷大社のお山にある御劔社(みつるぎしゃ)には、なんとも可愛い狛犬さんがおられます!何度も通ってるけど、ゆっくり拝見するのは初めてでした。なんと、乳のみする子狛犬ちゃんに会えるのです!!!お店の方もとっても素敵な笑顔でこちらまで嬉しい気持ちにさせていただきました😊感謝 pic.twitter.com/72kYfOZBjw
— 🌿ミライ💎カノト🌈🐉✨ (@torao_shoryushi) November 24, 2024
この石は雷を閉じ込めた石といわれ、「雷石」とも呼ばれています。
御劔社という社名になったのには一条天皇の命により平安時代の名刀工・三条小鍛冶宗近が、稲荷大神の御加護を受けて名刀・小狐丸を鍛えた場所であるという伝説に由来しています。
お社の左には宗近が小狐丸を鍛える際に使用したとされる「焼刃の水」という井戸もあります。
おせき社と薬力社
おせき社は稲荷山への関所の役割を果たしていたことから、昔はお関稲荷と呼ばれて信仰されていましたが、ある歌舞伎役者さんが参拝してのどの痛みや咳の平癒祈願をしたそうです。
すると無事のどの痛みが消えたそうで、以来のどの神様として知られるようになり、お関稲荷からおせき社という名に変わりました。
順番が前後したけど、涼ちゃんが休んでいた2017年2月17日(金)、おせき社に行ってきました。全国に約3万ある稲荷神社の総本山、伏見稲荷大社です。
弥生時代からの五穀豊穣(稲作)の稲荷神社が芸能と喉の神様にもなったのは江戸時代で……
願は掛けてきたから、お礼参りは自分で行ってね。 pic.twitter.com/TAu4SD3J54— 旬プリン@小原涼宣伝部撮影係【終了】 (@syunpurine_Ryn) March 23, 2017
おせき社の近くにある薬力社は、薬力大神(やくりきおおかみ)をお祀りしているお社で、薬の効果が上がり病気平癒が叶うとされています。
伏見稲荷大社境内 薬力社 京都市
稲荷山の山頂近くにたたずむお社です。多くの参拝者が訪れる中、ここだけは静けさを保ち俗世を離れたような空気が漂っています! pic.twitter.com/80AMM0r0pz— ぐん (@GunBoy0701) April 4, 2025
薬力社の側には湧水が流れているのですが、薬力亭という休憩所ではその湧水で作られたゆで玉子やコーヒーなどが販売されています。
貴重な御朱印がいただける御膳谷奉拝所
薬力社から参道を下っていくとお山めぐりで唯一の社務所がある御膳谷(ごぜんだに)奉拝所に至ります。
こちらの社務所では御膳谷奉拝所限定の御朱印もいただけるため、お山めぐりの中では比較的賑わいを感じる場所です。
御膳谷奉拝所は昔、稲荷山の神々に食事を供える準備をした神聖な場所で、奉拝所の奥には神様に食事を捧げるための御饌石(みけいし)という石があります。
東福寺・泉涌寺へ通ずる清滝
御膳谷奉拝所から北へ向かう下り坂がありますが、そこを200mほど下った先にあるのが清滝です。
本日の思い出をつらつらと。
伏見稲荷大社の稲荷山の途中にお滝場がありまして折角なので伺って来ました。清滝太明神です。お滝と言えばお不動さんだよなぁ、と思いちらりと滝を覗いてみれば、いらっしゃいました。しっかりお勤めして来ましたよ。おかげでビシャビシャになりましたがw pic.twitter.com/RTzcbM98Qf— のぉ ぞう(又の名を後醍誤郎) (@noh_zoh) November 15, 2020
清滝社の裏の山道を川に沿って西へ下ると東福寺・泉涌寺へ出ることができます。
目の神様・眼力社
御膳谷奉拝所から参道沿いに進むと逆立ちをした狐の手水鉢が特徴的な眼力社(がんりきしゃ)があります。
その名の通り目の神様である眼力社の御祭神は、眼力大神。
目の病気平癒以外にも「先見の明が備わる」というご神徳もあるとされています。
まだまだある稲荷山のお社
眼力社から参道を下ると四ツ辻へ戻ります。
四ツ辻から右手にある参道を進むと…。
権太夫大神がお祀りされている荒神峰(田中社神蹟)に至ります。
お社の後ろは四ツ辻では見えなかった京都の北方が一望できるスポット。
四ツ辻ほど参拝者がいないので、ゆっくりと絶景を楽しめますよ。
四ツ辻に戻り、元の参道を下って三ツ辻へ。
三ツ辻から元の参道へ曲がらずにまっすぐ進んだ先にもまだまだお社があるのです。
三ツ辻から3分ほど下った先にあるのが、腰神不動神社(こしがみふどうじんじゃ)です。
足腰の病気を司る腰神不動明王がご祭神で、御朱印もいただけます。
その先にあるのが荒木神社で、こちらは本殿や授与所、休憩所などもある比較的広めの境内です。
稲荷大神の荒魂をお祀りする神社で縁結びのご神徳があります。
境内ではおみくじや可愛いお守りなども拝受されています。
その先には安産の神様である産場稲荷に、なんと日本列島が御祭神の大八島社…。
本日は一般観光。伏見稲荷大社の千本鳥居から三つ辻まで上がったので荒木神社へ。ここには「えん結びの神」口入稲荷大神があり、願いが叶った人が“お礼詣り”に口入人形を置いています。2023.5.10 pic.twitter.com/HMw6o8NLnG
— レオプリン@京都検定準1級タクシードライバー (@wanko_leopurin) May 11, 2023
その他にも伏見神寶神社や東丸神社など、伏見稲荷大社境内にありながら独立した神社もあり、もっと詳しく紹介したいのですが、情報量がすご~く多くなってしまうので、これらの神社については改めてお話しします!
お山めぐりの後はちょっと一服・啼鳥菴
お山めぐりからやっと帰って来たところでホッと一息つくのにぴったりなのが、啼鳥菴(ていちょうあん)です。
八島ヶ池に美しい景色を見ながら休憩できるスポットで、伏見深草の茶舗「椿堂」さんが営む日本茶カフェ「稲荷茶寮」も併設されています。
京都・伏見稲荷大社の休憩所・啼鳥菴内に設けられた和カフェ『稲荷茶寮』。緑豊かな庭園を臨む数寄屋造りの設えで夏限定ひんやりスイーツを堪能。稲荷かき氷¥1,200。数量限定・特製冷抹茶そば¥1,000も。テラス席では八嶋池へと流れる川のせせらぎ、鳥のさえずりが自然のBGM。神苑で憩う寛ぎのひととき pic.twitter.com/n5ewTOsKF3
— かっきー / みやびな京都 (@kyoto_glafit) July 2, 2022
伏見稲荷大社の御朱印
伏見稲荷大社では本殿・奥社奉拝所・御膳谷奉拝所で御朱印をいただくことができます。
本殿脇の授与所でいただける御朱印
本殿脇の御朱印授与所では、基本の御朱印の他に季節ごと、行事に合わせた御朱印なども授与されています。
墨書きはすべて「奉拝」「伏見稲荷大社」「参拝日」、朱印は「稲荷大社」で統一されていますが、季節に合わせた美しい御朱印や新春限定で授与される「福かさね」がデザインされた御朱印などバラエティーに富んでいます。
「福かさね」とは、繁栄を象徴する「しるしの杉」・その年の干支が描かれた絵馬・五穀豊穣を願う稲穂に魔除けの矢が組み合わせられた、新春に授与される縁起物です。
最近は切り絵御朱印もあるようで、またいただきにいかなければなりません!
伏見稲荷大社の切り絵御朱印。 pic.twitter.com/Dt2f2iVoZX
— 社之烏🐦⬛ (@crow_in_shrine) July 20, 2025
奥社奉拝所でいただける御朱印
奥社奉拝所の御朱印はすべて書置きで、多種類の御朱印が用意されています。
きつね絵馬や鳥居がデザインされたもの、背景におもかる石が描かれたものや見開きさいずのものなどがありますが、中央の朱印は「重軽石千本鳥居根上松」で統一されています。
御膳谷奉拝所でいただける御朱印
御膳谷奉拝所では通常は「奉拝」と墨書きされるところが「登拝」と書いてある貴重なものです。
急な坂道が続く参道を上らないといただけない御膳谷奉拝所の「登拝」御朱印は、やはり特別感があります。
中央の朱印は「伏見稲荷大社御山登拝」という文字が入っています。
先日私がいただいたのは直書きの御朱印だけでしたので、次回はほかの御朱印をいただきたいと思っています。
でもまずは、体力をつけないと…。
おすすめの行事・祭事
伏見稲荷大社では多くの年中行事がありますが、その中でも特に重要な、そして賑わいが凄まじい祭事・神事を紹介します。
初午大祭
初午大祭(はつうまたいさい)は、稲荷大神が稲荷山へ初めて降臨したとされる和銅4年2月の初午(2月最初の午の日)にちなんで行われる祭事です。
初午大祭で授与される「しるしの杉」は、商売繁盛・家内安全の御符として多くの参拝者が買い求めます。
京都伏見稲荷大社の初午大祭は人・人・人。
御祈祷は数時間かかりましたが、しるしの杉も無事にいただけて良いスタートとなりました。 pic.twitter.com/DVWhvwCCI8— 岐風尚優 (@gifuu369) February 9, 2025
稲荷祭
稲荷祭は年に1度、稲荷大神が氏子地域を巡幸するお祭りで、4月20日に近い日曜日(神幸祭)から5月3日(還幸祭)にかけて行われます。
美しく飾られたお神輿5基が御旅所から氏子地域を巡幸する勇ましい姿も見ることができます。
ホイットホイットー
ホイットホイットー
伏見稲荷大社のお神輿は5基あります。田中社の神輿がお旅所を出発しました。伏見稲荷大社のお旅所は東寺の近くにあります。今日は氏子地域を巡行する氏子祭です。 pic.twitter.com/Uk57eq5msR
— 寺本雅貴 才蔵@京都検定1級 (@saizou7365) April 30, 2023
本宮祭
本宮祭(もとみやさい)は7月の土用入り後初めの日曜日または祝日に行われる大祭です。
前日の宵宮では、稲荷山を含む境内全域にある石灯篭や献納提灯に灯をともされ、神秘的で幽玄の景色を楽しむことができます。
終わりに
10年ほど前の伏見稲荷大社は、混雑するのは土日祝と祭事、新年くらいのもので、平日はとても静かでした。
千本鳥居も独り占めできるくらい。
散歩コースにもぴったりでしたが、今や海外観光客があふれかえるとんでもない場所になってしまいました。
静かな境内はもう戻ってこないだろうと思うととても寂しい思いです。
せめて最低限のマナーを守っていただきたいと願うばかり。
と思いながらこんな風に伏見稲荷大社を紹介しているのもおかしな話ですが、でも素敵な場所・神聖な場所であることを知っていただきたいという思いもあります。
いつまでも美しくて神秘的な姿が変わらないように願いながら、これからも京都の魅力を伝えていきたいです。
伏見稲荷大社 基本情報
- 住所 京都市伏見区深草薮之内町68
- 電話 075-641-7331
- 境内自由
- 社務所受付 8:30~16:30
- 公式ホームページ https://inari.jp/
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