暦の上では早春を迎える2月。
京都は、底冷えの厳しい寒さが続きます。
お出かけするのもおっくうになってしまう季節ですが、この季節ならではの行事を楽しんでみませんか?
今日は、そこまで来ている(かもしれない)春をお迎えする京都の行事の中で、歴史ある吉田神社の節分祭と壬生寺の節分会を紹介します。
それぞれに特徴のある楽しい節分行事ですよ。
おうちでぬくぬくするばかりでなく、寒さに負けずあったかくして節分祭にお出かけしてみましょう!
如月の京都へどうぞおこしやす。
吉田神社の節分祭
吉田神社は、平安京ができて50年ほどたった859年(貞観元年)に京の都の鎮守神として都の鬼門にあたる吉田山に創建されました。
吉田山は、古来より「神楽岡」=「神々が集まる岡」と呼ばれる聖地でした。
@ご祭神
- 健御賀豆知命(たけみかづちのみこと)
- 伊波比主命(いはいぬしのみこと)
- 天之子八根命(あめのこやねのみこと)
- 比売神(ひめがみ)
年中行事には、節分祭の他に毎年6月30日に行われる夏越大祓(なごしのおおはらえ)が有名です。
節分祭の特徴とスケジュール
吉田神社の節分祭は、室町時代から続く歴史ある行事で、毎年約50万人もの参拝者が訪れる京都でも有名な節分祭です。
節分行事の概要
節分祭は、2月2日朝から始まります。
2月2日 | 8時 | 節分前日祭 |
疫神祭 | ||
18時 | 追儺祭(鬼やらい神事) | |
2月3日 | 8時 | 節分前日祭 |
23時 | 火炉祭 | |
2月4日 | 9時30分 | 節分後日祭 |
疫神祭:祭事が滞りなく行われるよう疫神(災いをもたらす神)を鎮める神事です。疫神を追い払うために門外に向かってご祈祷が行われます。
追儺祭:矛と盾を持った「方相氏」が鬼たちを追い払う神事で、別名「鬼やらい」と呼ばれています。
火炉祭:本宮の三ノ鳥居前に設けられた巨大な火炉には、参拝者が古いお札などを納めています。それらのお札に宿る神霊が元の御座にお還りいただくために浄火を点じます。
節分祭で授与されるお札
吉田神社の節分祭期間中のみ授与される特別神符には以下のようなものがあります。
玄関先にお祀りする疫神斎
厄除けお守り
開運お守り
節分神矢
お札は、魔よけの力があるとされる梔(くちなし)色に染められていて、大変ご利益があると言われています。
京都では、玄関に梔色のお札が貼ってあるおうちが珍しくないくらい人気があります。
注目!厄除け福豆
節分期間中に授与される福豆(1袋200円)は、抽選券付きなのですが、その商品が豪華なんです!
平成31年度の福豆商品には、トヨタのヴィッツ1台や43型4Kテレビ、ダスキンお掃除セット、JTB旅行券10万円分などとんでもなく豪華な賞品がずらっと並んでいました。
吉田神社節分祭
福豆抽選券。
ニッカの流れであたったりしてないよな、とか思ったらあたったよwwwww
ノンフライオーブンだってwwwwww— TASめがね (@DERTH_MEGANE) February 5, 2015
協賛商社が何十社とあり、それぞれが独自の商品を提供していますのです。
吉田神社の広告価値がそれだけ大きいという事でもあるのでしょう。
なにはともあれ、この福豆はゲットしておきたいですね。
売り切れ次第終了なので、お早めに(^_-)-☆
拝観自由・拝観料無料
社務所受付時間 9:00~17:00
アクセス
京阪本線 出町柳駅下車徒歩20分
京都市バス 206・201号 京大正門前下車徒歩5分
壬生寺の節分会
壬生寺(みぶでら)は、幕末の京都で活躍した新選組の屯所の隣にあるお寺で、境内には新選組隊士の供養塔もあります。
普段から新選組ファンの姿がよく見られる壬生寺ですが、特ににぎわうのが節分の時期です。
ご本尊は延命地蔵菩薩で、厄除け・開運のお寺として京都市民の信仰を集めています。
壬生寺節分会の特徴とスケジュール
壬生寺の「厄除け節分会」は、白河天皇(1053~1129年)の発願により始められ、900年以上も続く歴史のある行事です。
2月2日から4日まで続く節分会で最も注目されるのは、壬生狂言(無料公開)です。
2日と3日のそれぞれ
13時・14時・15時・16時・17時・18時・19時・20時の8回
「節分」という演目が演じられます。
壬生狂言は普通の狂言と違い、無言で演じるという特徴があります。
これは鎌倉時代の円覚上人(えんかくしょうにん)が、仏教の教えを民衆にわかりやすく説くためにパントマイムのような無言劇に仕立てたことから始まっていると言われています。
民衆の中にはまだ文字が読める人が少ない時代でしたので、多くの人々に教えを説くにはこのような方法が最適だったと考えられたのでしょう。
壬生狂言は、節分以外にも以下の時期に公開されています。
春(4月29日~5月5日)
秋(10月の連休を含む3日間)
いずれも鑑賞料(大人1000円・中高生500円)がかかります。
他にも厄除け法要、大護摩供養、山伏衆やお稚児さんの行列、炮烙(炮烙:素焼きのお皿)奉納などが行われます。
炮烙は参拝客が祈願奉納するもので、春の壬生狂言の演目「ほうらく割り」の中で、舞台の前面に積まれた炮烙を割ることで災厄を落とし、願いを叶えると言われています。
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4日には人気の催し「招福ぜんざい無料接待」も行われます。
10時からの行事ですが、1000人限定ですので早目に並んだ方がいいかもです。
寒い中で食べるおぜんざいは、格別美味しいという評判ですよ。
【京都情報】#節分の日
中京区『壬生寺』の節分会
2018.2.2 撮影 pic.twitter.com/k1blt67QYl
— MKタクシー (@MKofficial_PR) February 3, 2018
壬生寺の節分会には鬼は出てきませんが、いろんな催しがあって一日楽しめそうですね。
拝観自由
壬生寺歴史資料館
8:30~16:30 入室料(壬生塚参拝料含む)大人200円・小中高生100円
アクセス
阪急京都線 大宮駅下車徒歩7分
京福電鉄(嵐電)嵐山本線 四条大宮駅下車徒歩7分
市バス 3・11・26・28・203系統 壬生寺道下車徒歩3分
京都の節分行事
節分は、2月の行事と言ってまず浮かぶ行事だと思います。
今回紹介した吉田神社や壬生寺以外にも、特徴のある楽しい節分行事がたくさんあります。
ありすぎて悩んでしまうほどですよ。
いくつかを簡単に紹介しておきますね。
岩見神楽奉納が行われる松尾大社の節分祭
上七軒歌舞会の日本舞踊や豆まきがある北野天満宮の節分祭
赤尾に・青鬼・黒鬼が登場する蘆山寺の追儺式鬼法楽
万灯会が行われる因幡薬師の節分万灯会
甘酒の接待や迫力ある鬼の追儺式が楽しい藤森神社の節分祭
七福神めぐりを行う天龍寺の節分会
四花街の舞踊が華やかな八坂神社の節分祭
念仏狂言が催される千本ゑんま堂の強運節分会
まだまだ多くの寺社仏閣で節分祭が行われます。
節分当日のスケジュールを綿密に立てて、節分祭巡りを楽しむという人もいますよ。
確かにそれぞれの節分祭には、個性的なものや華やかなものなど様々ありますので、何ヶ所か回っても飽きないかもしれませんね。
さて、あなたはどんなお参りを計画しますか?
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