城南宮 四季を通じて花々が彩る宮は京の南を守護するお宮

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京の寺社
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早春のしだれ梅が有名な城南宮は、京都の南を守るために創建されたお宮です。

春だけでなく、四季それぞれに美しく彩られる城南宮。

その歴史は、平安遷都とともに始まったと言われています。

今回は、城南宮を紹介します。

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城南宮の由緒

延暦13年(794年)の平安京遷都に伴い、京の四方を守護する寺社が置かれます。

平安京の南を守るために創建されたのが城南宮、平安城の南を守る宮です。

ご祭神
国常立尊(くにのとこたちのみこと)
八千矛神(やちほこのかみ)
息長帯日売尊(おきながたらしひめのみこと)

平安時代後期になると、白河上皇や鳥羽上皇が城南宮を囲むように城南離宮を造ります。

上皇が城南離宮において院政を行ったことから、鳥羽離宮とも呼ばれました。

鳥羽離宮は、政治・文化の中心となり、離宮の周辺には貴族の別荘も造られ、歌会や舟遊びなども行われるようになります。

 

また、離宮は、貴族の方違(かたたがえ)の宿にもなり、以降城南宮の方除け・厄除けの信仰が現在まで続いています。

鎌倉時代には、承久3年(1221年)、後鳥羽上皇が城南流鏑馬の武者揃えを名目に、兵を募り、承久の乱勃発のきっかけとなります。

その後、応仁の乱などもあったことで、一時荒廃しますが、江戸時代になって復興されます。

幕末の文久3年(1863年)には、孝明天皇が攘夷祈願のため行幸されます。

その数年後に起こった鳥羽伏見の戦いの主戦場となったのも、城南宮周辺の地域でした。

城南宮 本殿 京都フリー写真素材

近年は、「方除けの大社」として知られるほか、引っ越し・工事・旅行の安全や交通安全の神様としても広く信仰されています。

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城南宮の摂社と末社

神社などの境内には、本殿とは別に小規模の社がお祀りされていることがあります。

それを摂社とか末社といいます。

摂社と末社の違いは、厳密には決められていませんが、一般的には本社との関係が深い社を摂社、それ以外を末社と呼ぶことが多いようです。

末社は、本殿を挟むように七柱のご祭神をお祀りした社が鎮座しています。

摂社

城南宮の摂社は、境内に三社、境外に一社あります。

三照宮社(さんしょうぐうしゃ)

ご祭神:天照大御神(あまてらすおおみかみ)

城南宮の朱色の鳥居の向かい側、南にあるお社です。

芹川天満宮

ご祭神:菅原道真公

城南宮の東の入り口、石の鳥居から参道を行くと、三照宮社の手前斜め向かいにあります。


もともとは、城南宮の南の芹川という場所にありましたが、大正年間に現在地に遷座されました。
鎌倉時代に(菅原道真が宋に渡り禅を修めたという)渡唐(ととう)信仰が禅僧の間に広まったことで別名唐渡(からわたり)天満宮と呼ばれています。

真幡寸(まはたぎ)神社

ご祭神:真幡寸大神・応神天皇


城南宮の東の入り口から入ってすぐのところにあります。
ご神紋が、徳川家と同じ”三葉葵”だったことで、江戸幕府から問い合わせがあり、由緒を示したという文書が残っているそうです。

飛鳥田神社

城南宮の境外社
ご祭神:荷田龍頭田(かだのりゅうとうだ)の遠祖の霊
城南宮より約800m南南西にあります。

城南宮の四季を彩る神苑

城南宮には、一年を通じて私たちの目を楽しませ、心を和ませてくれる苑「楽水苑」があります。

神苑には、源氏物語ゆかりの草木・花々が約800種類も植えられていることから、「源氏物語花の庭」とも呼ばれています。

源氏物語花の庭は、趣が異なった5つの庭があります。

春の山

その名の通り、春の花や草木が植えられたエリアです。

椿・しだれ梅・三つ葉ツツジなどが夢のような美しい世界を見せてくれます。

特にしだれ梅は、まるでピンクのシャワーを浴びているようで、その美しさには圧倒されます。

城南宮

緑色の苔の上に鮮やかな紅色の落ち椿が、その上にはピンク色のしだれ梅が覆いかぶさるように咲き乱れる光景は、必見です。

平安の庭

平安貴族の邸宅である寝殿造りの庭をモデルにしているのが「平安の庭」です。

毎年春と秋には、曲水の宴が行われ、王朝の雅を偲ぶことができます。

室町の庭

室町時代の様式で作られた池泉回遊式庭園です。

池の中央には、蓬莱島があり、不老長寿を象徴する立派な松が植わっています。

4月末から5月にかけては、藤とつつじが見ごろをむかえ、淡い紫とピンクや白のツツジとの美しいコントラストが楽しめます。

秋には見事な紅葉が見られますよ。

桃山の庭

枯山水式の庭で、桃山時代の気風を表しています。

広い芝生を大海原、点々とある岩が島を表していて、初めて日本が欧州の文化に出会ったころを想像させてくれます。

こちらの庭では、4月の桜、5月のつつじが美しいですが、新緑の季節もおすすめです。

城南離宮の庭

平安時代後期、城南宮周辺が最も華やかだった時代を表した枯山水式の庭です。

敷き詰められた白い石が城南離宮の池を、点在する岩が殿舎を表現しているそうです。

楽水軒

室町の庭と桃山の庭の間にあるお茶席です。

城南宮

巫女さんが、季節の花をかたどったお菓子とお抹茶を出してくださいます。

(現在は、コロナウイルス感染症拡大予防のため、中止しています)

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城南宮の主な行事

城南宮では1年を通して多くの行事が行われますが、その中でもおすすめの行事を紹介しておきますね。

日程は毎年変わらないものと令和3年の予定のものがありますので、詳細はホームページなどで確認してくださいね。

祓神楽  1月1日~3日  午前9時~午後4時
神楽殿表舞台にて、巫女さんが参拝客の無病息災を願って祓神楽を舞います。

湯立神楽 1月20日  午後2時
本殿特設斎場にて、巫女さんが大釜の湯を笹の葉で散らし、邪気を払い無病息災を願います。
福笹特別授与 初穂料 1000円

七草粥の日 2月11日  午前10時~午後4時
春の七草を神前に供えるとともに、参拝客にも七草粥のふるまいがあります。
一膳 500円

方除大祭 4月10・11日  午前10時40分・午後1時40分
拝殿にて、城南宮の大神様に奉納する芸能が披露されます。

曲水の宴  4月29日  午後2時より約50分
平安の庭にて、平安貴族の装束を着た歌人たちが、小川に沿って座り、川上から流れてくる朱塗りの盃が自分の前に来るまでに、歌をしたため、盃のお神酒をいただきます。
平安貴族の風流な遊びを再現した行事で、合間には白拍子の舞も見ることができます。


曲水の宴は、秋(11月3日)にも行われます。
鮮やかな紅葉の中、行われる宴は、春とはまた違った趣があります。

茅の輪くぐり 6月25日~30日 午前9時~午後4時
夏越(なごし)の祓(6月30日)まで、本殿と拝殿の間にワラやカヤで作った茅の輪が設けられます。
茅の輪をくぐり、人形(ひとかた)に自分の罪や汚れを移して、「禊(みそぎ)の小川」に流して、無病息災を願います。

愛車(おくるま)の茅の輪くぐり 7月1日~7日 午前9時~午後4時
城南宮駐車場に、直径5mの大きな茅の輪が設けられ、交通安全を祈念して、その茅の輪を自動車でくぐる行事です。


京都では、交通安全を祈念した城南宮のお守りを貼っている車をよく見かけます。
晴明神社の五芒星のお守りとともに、京都市民にとって定番の交通お守りです。

城南祭 10月17日
正午過ぎからは、三基のお神輿が氏子区域を練り歩くなど、盛大なお祭りとなっています。
特に夕方になって、お神輿が城南宮へ帰ってくるときの様子は、提灯の灯りに照らされた厳かな姿と威勢のいい声で、見ごたえ抜群です。

巫女神楽

城南宮の神楽殿では、梅の季節・藤の季節・菊の季節に合わせた巫女神楽が奉納されます。

きれいな花たちとともに、優雅で美しい巫女さんの舞を堪能してください。

梅が枝神楽 2月中旬~3月中旬
藤の巫女神楽 5月の連休・土日
菊の巫女神楽 9月の土日祝日

城南宮 基本情報

境内自由
神苑拝観時間
午前9時~午後4時30分(受付終了4時)
拝観料
大人 600円  小中学生 400円 (楽水軒別)

夏季期間(7月22日~8月31日)は、春の山・平安の庭のみの拝観になりますので、拝観料が変わります。
夏季拝観料 一律200円 (楽水軒別)

城南宮公式サイト

アクセス
最寄り駅 市営地下鉄・近鉄京都線「竹田」駅 徒歩15~20分
市バス 「城南宮東口」 徒歩3分 「城南宮前」 徒歩1分

バス・鉄道乗り換え案内

京の寺社伏見区
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