どちらかと言えば、洋菓子より和菓子が好きです!
という方はもちろん、洋菓子派の方にもおすすめ。
今回はこの2冊を紹介します。
『和菓子のアン』シリーズ 坂木司
高校卒業後、進学も就職もしなかった杏子は、デパ地下の和菓子屋・みつ屋で働き始めます。
ちょっとぽっちゃり体系の杏子・アンは、若干のコンプレックスを持っていて、時々密かに傷つきますが、それを笑い飛ばせる強さもあります。
頭が切れて、かけ事好きの椿店長、和菓子職人を目指しているイケメン乙女な立花さん、可愛い見かけによらず元ヤンの桜井さん。
そんな魅力的なキャラがそろった職場のやり取りが面白いです。
お店に来るお客さんと和菓子に関わる小さな謎を解きながら、成長するアンの姿に癒されたり、応援したくなったり。
和菓子のうんちくはもちろん、食感や味の描写がとってもリアルで、出てくる和菓子が全部食べたくなってしまいます。
ダイエット中に読むのはきついかも。
坂木司さんの、優しい文章も魅力があります。
クセの強いお客さんもなぜか憎み切れない。
続編での立花さんとアンのこれからもちょっぴり楽しみ。
ホッとしたい時、癒されたい時にぴったり、おすすめの本です。
表紙がまたおいしそうなんです。
私は表紙に魅かれて即買いした!
『お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂』シリーズ 似鳥航一
浅草の一角にある和菓子屋・栗丸堂。
店主は、まだ19歳の栗田仁、両親が事故で急逝したために、店を継ぐことになった4代目です。
一時期は不良だったこともありますが、子供のころから和菓子職人の技術を教え込まれていたために、その腕はかなりのもの。
無口で無愛想だけど努力家の栗田でしたが、栗丸堂の売り上げはいまいち。
父親の味がどうしても出せなくて、悩んでいた栗田を見かねて、救いの手を差し伸べるのは、近所の喫茶店マスターです。
マスターは、栗田とは古い付き合いで、兄貴分的存在。
広い人脈の中から、栗田に一人の女性・葵を紹介します。
見た目はふわっとした美人、のんびりした話し方の葵ですが、とんでもなく和菓子に詳しかったのです。
初めのうちは、戸惑っていた栗田も、葵の和菓子へのこだわりに一目置くようになってきます。
和菓子に関わる謎ときは、和菓子の奥深さも知ることができて、興味深いです。
浅草が舞台というだけあって、登場人物の威勢良さやあたたかさがじんわりと伝わってくるのもいいです。
『和菓子のアン』とは違った、ちょっと深めの和菓子の知識やこだわりが感じられる作品だと思います。
続編では、謎だらけの葵の正体が明かされるのでしょうか…?
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