映画『燃えよ剣』殺陣の迫力と臨場感に感動!ネタバレ少々あります

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コロナ禍により、封切りが遅れていた『燃えよ剣』がやっと公開されました。

長くなりすぎた首を元に戻すため、さっそく見に行ってきました。

今回はその感想をちらりとお話ししたいと思います。

真っ先にお伝えしたいのは

臨場感、迫力、そして映像の美しさ

2時間をゆうに超える長さなのに、それを感じさせないテンポの良さ

ネタバレもありますので、まだ映画をご覧になっていない方はご注意くださいね。

*あくまで私個人の感想です。もし気に入らない表現があったとしても、どうぞお心を大きく広く持ってお読みくださることをお願いします(__)*

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映画『燃えよ剣』のストーリー(ネタばれあり)

映画は、箱館で最後の戦いに挑む前の土方歳三が、フランス陸軍士官のジュール・ブリュネに自身の足跡を語る形で進みます。

「バラガキ」と呼ばれた多摩の頃、近藤勇・沖田総司・井上源三郎とともに、暴れまわる土方。

試衛館では、仲間の永倉新八・山南敬助・原田左之助・藤堂平助らとの騒々しくも生き生きとした暮らしがありました。

ペリーの来航以来、尊王攘夷の嵐が吹き荒れ、徐々に情勢が不穏になってくる京。

幕府は、将軍家茂の上洛に際し、将軍警護のために浪士隊を結成しました。

近藤・土方を始め試衛館の面々も浪士隊として京へやってきますが、朝廷のために働こうとする浪士隊と袂を分かち、京都守護職会津藩お預かりとなりました。

多摩の百姓・歳三は、武士・土方歳三になってゆくのです。

ここから超ネタバレ

近藤勇を大将として、最強の集団を作ろうとする土方。

そのためには手段を選ばず、まさに鬼の副長と呼ばれる彼ですが、一方で近藤・沖田とのふざけ合いでは、多摩の「バラガキ」の頃に戻ったり。

原作を読んでいる方には、結構ダイジェスト感があるかと思います。

芹沢鴨暗殺・池田屋事件・伊東甲子太郎入隊・山南敬助切腹など大きな事件は、描かれていますが、1人1人の隊士への詳しい描写は少ないです。

お雪と出会い、2人のシーンは、ほっとする場面で、触れそうで触れない2人の距離に余計切なくなります。

お雪への印象は、人それぞれですので、良いとも悪いとも言えませんが、私的には、原作のお雪さんとは違って行動的・強すぎるキャラクターでちょっと残念でした。

山南敬助切腹の後は、あっという間に大政奉還です。

伊東甲子太郎暗殺も結構あっさり、藤堂平助が斬られる場面も、土方が相手になっていました。

あのシーンは、永倉新八と藤堂平助のやりとりが、大事なのに…。

土方の生涯を描くという観点からは、これも正解なのかもしれませんが、ここはちょっと残念です。

新選組が伏見へ布陣し、近藤が襲撃されて、かろうじて陣へ帰ってくる、土方に「後を頼む」という近藤とそれを受ける土方の表情は良かったです。

鳥羽伏見の戦いから大坂城、江戸から甲府の戦い、永倉との決別、流山までは、再びテンポが速く進みます。

流山で、新政府に囲まれ、近藤が出頭するという場面。

ここも、新政府に囲まれるシーンが省かれ、詳細を知らない人が見れば、なぜ近藤が急に新政府に出頭するのかがわからないと思います。

土方と近藤の別れは、あまりにも簡単すぎて、ちょっと驚き。

会津戦争の後、土方は仙台へ、斎藤一は会津へ残りますが、斎藤の「会津と共に戦う」という覚悟も描写されず。

気が付けば、箱館最後の戦いです。

五稜郭 戊辰戦争 新選組
箱館 五稜郭

そうです、二股口の戦いも省略なんです!

最後の戦いに向かう土方の馬上のシーンは、さすがの迫力でした。

ただ、最後の最後のシーンは…「違う」という思いが。

『燃えよ剣』の世界を、土方を中心に、駆け足で描いた感じの残る映画でした。

できることなら、3部構成くらいの映画にして、もっとじっくり主要な隊士たちも描いてほしかったですね。

欲を言えば、大河ドラマにしてほしい。主要キャストは、ほぼこのままで。

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感想を詳しく

ストーリーでは、なんか不満たらたらでしたが、それは『燃えよ剣』の世界が忠実に再現されていると思っていたためです。

この映画を単体で見るとするなら、何といっても殺陣の迫力がすごすぎます!

きれいな殺陣というより、「何が何でも勝つ」という気迫の殺陣です。

リアル感と迫力が半端なかったです。

岡田准一さんの土方は、本物の土方さんに見えました。

「ああ、土方さんってこんな人やったんやろうな」

ちょっと泥臭くて、形にこだわり、どこか可愛くて、でも超頑固。

そんな土方と、鈴木亮平さんの近藤・山田涼介さんの沖田の関係は、いつも優しくほんわかしています。

3人のシーンは、とっても印象的でした。

まさに『燃えよ剣』の沖田

鈴木亮平さんは、想像通りの安定感ある近藤でしたが、予想以上だったのは山田涼介さんの沖田でした。

美しさと儚さ、明るさと心細さを兼ね備え、かつ剣を抜けば、凄味のある殺陣

『燃えよ剣』の沖田総司像に限りなく近い沖田でした。

池田屋はド迫力のリアル感

新選組では、絶対に外せない池田屋事件

映画館ならではの迫力の音響も加わって、とんでもない臨場感でした。

まさに命のやりとりをしている真剣勝負。

刀だけでなく、気合で敵をおしてゆく近藤の気迫がビンビン伝わってきました

池田屋へ向かって走る土方の疾走感も、池田屋へ到着した土方への近藤のセリフもカッコよかったですね。

映画で確認してね

芹沢が悪くてかっこよくて切ない

伊藤英明さん演ずる芹沢鴨は、妙に可愛いかと思えば、すごく怖かったり、憎たらしかったり、でもめちゃめちゃ強い。

本当は桜田門外の変で死ぬはずだったという芹沢は、生き残ってしまったことに耐えられなくて、お酒に逃げているようなところもある人でした。

そんな芹沢と、土方が剣を交えるシーンが前半にあります。

芹沢の剛の剣と、土方の柔の剣。

どちらが死んでもおかしくない緊迫の場面は、その迫力に思わず前のめりになってしまいました

そんなところへふわっと出てきて止めるのが、沖田総司です。

ニコッと笑って2人を止める沖田はすごい!

土方と岡田以蔵の対決は見もの(ネタバレ)

『るろうに剣心』では沖田総司を演じておられた村上虹郎さんが、本作では岡田以蔵で出演されています

それだけでもまず見ものなのですが、ここからです。

土方が、久坂玄瑞や以蔵らの隠れ家へ単身乗り込み、斬り合いになる場面。

最後は、以蔵との一騎打ちのようになるのですが、刀を落とした土方は、素手で以蔵を締め上げるのです。

どんなことをしても勝つという土方の気迫が、それを演じ切る岡田さんがすごいです

岡田さんのあの実力あってこそのシーンだと思いました。

会津藩の運命に涙(ネタバレあり)

大河ドラマ『青天を衝け』では、孝明天皇を演じておられる尾上右近さんが、この映画では松平容保公を演じていらっしゃいます。

幕府と徳川慶喜にほんろうされ続ける松平容保の、凛としたそれでいて懊悩し続ける姿を見事に表現されていて、この点においては、原作以上だと思いました。

会津藩主 松平容保

徳川慶喜の山田裕貴さんの怪演(?)も良かったです。

会津藩が降伏し、新政府軍の前に白装束で進み出る松平容保の胸にかかっている竹の筒、その中には孝明天皇ご真筆の手紙が入っています。

私はこのシーンで涙腺崩壊でした。

意外な当たり役・山崎烝(ちょいネタバレ)

『燃えよ剣』では池田屋事件で活躍した山崎烝。

映画ではウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが演じていらっしゃいました。

あの早口そのままで、でも妙に似合っているのです、山崎が

こんな山崎もありかな、と思えるキャスティングでした。

芸人さんではほかに、はんにゃの金田哲さんが藤堂平助を演じていらっしゃいましたが、殺陣もしっかり形になっていて、良かったです。

もっと見たかった斎藤一

寡黙で凄腕の剣客、土方の右腕となって活躍する斎藤一は、松下洸平さんが演じていらっしゃいます。

普段は柔らかい笑顔が印象的な松下さんですが、斎藤一は笑顔が一切なく、クールに斬りまくるかっこいい隊士でした。

でも、クローズアップされることが少なくて、私はちょっと不満でした。

土方とは会津まで一緒に戦っていただけに、もっと描いてほしかったです。

ロケ地が気になる

今回のロケ地は、軒並み有名な寺社仏閣が並んでいます。

京都守護職本陣は、まさに京都守護職本陣だった黒谷の金戒光明寺(興奮しました!)。

京都ではほかに、二条城や仁和寺、東寺、東福寺、西・東本願寺などなど。

奈良や滋賀、岡山の由緒ある寺社でもロケがされています。

若干京都あるあるなのですが、よく殺人事件が起こる(ドラマでね)京都では、どの場所で撮られているのかが超気になってしまいます。

今回も、頭のどこかで「ここはどこのお寺?」とか考えてしまう。

多分もう1回『燃えよ剣』を見ると思います。

ロケ地めぐりの準備のため、それと殺陣をもう一度じっくり楽しむために。

結局のところは…見てください 見る前の心構えも

つらつらといろんな感想を書いてきましたが、思っていたのと違うところはあったものの、見る価値は十分すぎるほどあると思います。

原作は原作として、映画『燃えよ剣』そのものを楽しむなら、素晴らしい作品です。

岡田准一さんは、確かに土方さんを生きていました

もしかして、土方さんの生まれ変わりかも…。

ただ、幕末の若干難しい言葉は、知らないとちょっとしんどいかもしれないので、サラッと予習はしておいた方がより楽しめると思います。

新選組のコアなファンは、新選組の歴史を詳細には描いていないとわかったうえで楽しんでください。

以上、私のとっても勝手な感想でした!


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