久しぶりの更新です。
何か忙しくてゆっくり書く暇がなかったのですが、
どうしてもおすすめしたい本があったので、
何とか時間を作って書いています。
2016年第15回『このミステリーがすごい!』大賞の
優秀賞に選ばれた作品です。
「京の縁結び 縁見屋の娘」 三好昌子
京の口入業屋 「縁見屋」の一人娘、お輪は、
曾祖母、祖母、母がみんな26歳でなくなったという
「悪縁」を知り、心ひそかに怯えて暮らしています。
そんな時、帰燕という名の謎の修行僧が「縁見屋」に現れます。
お輪は、帰燕に不思議な感情を持ちはじめます。
小さなころからお輪は、見たこともない大きな火事の中で
まだ見ぬ幼い息子と生き別れる夢を度々見ていました。
それは、お輪の「悪運」と何か関係があるのか?
帰燕は、いったい何者なのか?
哀しい「悪運」は、なぜ「縁見屋」の娘たちに災いをもたらすのか?
そしてその「悪運」からお輪は逃れることができるのか?
柔らかく上品な京言葉で綴られたこの作品は、
「縁見屋」の人たちの哀しい過去、親子の情愛を
細やかに描いています。
人間の情の愛しさ、哀しさがしっとりと伝わってきて
ミステリーなのに読んでいてほわっとした気持ちになりました。
ネタばれになるので詳しくは書けませんが、
久しぶりに一気読みをしてしまった作品です。
三好昌子さんの作品、これからこうご期待ですよ。
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