「小雪(しょうせつ)」とは、二十四節気の1つで、少しだけ雪が降ってくるころという意味です。
雪は降りますが、山などの標高の高いところで降る程度なので、少ないという意味もある“小”を使って、「小雪」と呼ばれます。
小雪はいつ?気候はどんな感じ?
小雪は、二十四節気では20番目の節気で、11月22日ごろから12月7日ごろを言います。
立冬で冬が始まり、次第に寒さが厳しくなりますが、晴れた日などは気持ちのいい暖かい「小春日和」になることもあります。
二十四節気をもっと細かくそれぞれ3つに分けた七十二候では、このように表現されています。
七十二候
虹があまり見られなくなる頃
木枯らしが木の葉を散らす頃
橘の実が黄色く色づき始める頃
小雪の期間に行われる行事
小雪の期間が始まってすぐに11月23日は「勤労感謝の日」です。
今では「勤労感謝の日」として祝日になっているのですが、その由来は日本古来の重要な神事だったんです。
勤労感謝の日 意外な由来
古くから旧暦の11月下旬、卯の日に行われてきた国の重要な神事に「新嘗祭(にいなめさい)」というものがあります。
「新嘗祭」とは、宮中において、天皇が天照大神(あまてらすおおみかみ)をはじめとするすべての神々に新米をお供えし、自らも食し、その年の収穫を感謝し、来年の豊作を祈願する行事です。
この行事は、全国の神社でも行われています。
本日夕刻より役員・総代の参列を賜り #新嘗祭 を斎行致しました。本日はこれまでに氏子崇敬者の皆様から御奉納頂きました新米を御神前に献上し、また、祭儀の趣旨のご理解を深めて頂くため、今回は当社初の試みとしてご参列の皆様には玉串ではなく、新米を各々お供えの上ご拝礼いただきました。 pic.twitter.com/OOffYRmKuv
— 菊名神社【公式】 (@kikuna_jinja) December 18, 2021
明治6年(1873年)の改暦後は、11月23日に固定され、祭日になりました。
戦後GHQの介入により「新嘗祭」は宮中だけで行われる行事とされ、祭日は廃止されます。
その代わりとして11月23日は「勤労感謝の日」として国民の祝日に制定されました。
宮中においては現在でも「新嘗祭」は執り行われ、また多くの神社でも行われています。
ちなみに、天皇が即位後に初めて行われる「新嘗祭」を特に「大嘗祭」といいます
京都で行われる主な行事
京都で小雪の期間、このような行事が行われています。
11月23日
筆供養 正覚庵
東山区にある東福寺の塔頭・正覚庵では、古くなった筆記具に感謝して供養をする筆供養が行われます。
筆を模した青竹を使った筆神輿とともに、稚児・山伏が東福寺山内を練り歩いた後、護摩供養が行われます。
【知っていたら京都ツウ】京都には、カボチャ供養、大根供養、針供養、筆供養などあらゆるものに感謝して供養する習わしが古くからあります。東福寺の塔頭・正覚庵は「筆の寺」としても有名で、年に一度、使い古した筆記用具に感謝して文字の上達を祈願する【筆供養】が! pic.twitter.com/ifJfP2z7Nl
— KYOTOSIDE (@SideKyoto) June 7, 2021
数珠供養 赤山禅院
比叡山西麓にある比叡山の塔頭寺院・赤山禅院では、比叡山延暦寺大阿闍梨による数珠供養が行われます。
11月26日
御茶壷奉献祭 北野天満宮
宇治を始め、京都市内の各茶師が、新茶を入れた茶壷を北野天満宮に奉献する神事です。
御茶壷行列が、北野天満宮一の鳥居から本殿へと向かい、神前において御茶壷の口切式(非公開)が行われます。
昨日、御茶壷奉献奉告祭が斎行され、茶壷の口切式が御神前にてつつがなく執り行われました。このお祭りと献茶祭と続く一連の行事が400年前の秀吉公による「北野大茶湯」のご縁により当宮で毎年行われています。#北野天満宮 #京都 #御茶壷奉献奉告祭 #お祭り pic.twitter.com/j71u8rt0hd
— 北野天満宮 北野文化研究所 (@kitano_bunka) November 27, 2021
11月30日~12月26日ごろ
吉例顔見世興行 南座
京都の師走の風物詩とも言われる「吉例顔見世興行(きちれいかおみせこうぎょう)」がこの日から始まります。
江戸時代には、旧暦の11月に芝居小屋と歌舞伎役者の間で翌1年間の契約が結ばれていました。
その顔触れを年初めの舞台で披露したことから「顔見世」と呼ばれ、今に続いています。
12月1日
献茶祭 北野天満宮
天正15年(1587年)に豊臣秀吉が催した「北野大茶湯」ゆかりの祭。
11月26日に奉献された茶を用いて茶会が開かれます。
終わりに
紅葉シーズンも終わりを迎え、師走のせわしなさがそこまでやってくるのが小雪の頃です。
11月から12月になっただけで妙に気ぜわしい気分になるのは、私だけでしょうか。
とにもかくにも、大掃除を早く終わらせなければ…。
体調に気を付けながら暮らしたい時期ですね。
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