二十四節気・七十二候とは?暮らしを彩る暦をわかりやすく紹介します

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二十四節気・雑節
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気候や季節を表す「二十四節気」「七十二候」

毎日の生活には、直接かかわりがなさそうですが、知っていると気候の変化を感じ、日々の暮らしがより豊かになる言葉たちです。

今回は、美しい言葉で彩られたこれらの暦を紹介します。

最後まで読んでいただければ、カレンダーを見るとき、ちょっと楽しくなると思いますよ。

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二十四節気・七十二候とは?

二十四節気は、中国から伝わってきた暦です。

月の満ち欠けを基準とした「太陰暦」は、実際の季節とずれが出てしまいました。

暦は農作業の目安とするために造られたのですが、ずれが出ては役に立ちません。

そのため、農業が主とした産業だった古代中国では、ずれを補うために、太陽の位置を元にして1年を24等分した「二十四節気」とそれをさらに分割した「七十二候」を作りました。

季節の変化を細かくとらえ、農作業に生かしたのです。

これらが日本に伝わってきて、定着していったのです。

ちなみに「二十四節気」は、中国の無形文化遺産として2016年にユネスコに登録されています。

七十二候

七十二候は、二十四節気の1節気を3つの候に分けて、約5日ごとにより細かく分けたものです。

二十四節気に遅れて中国より伝わってきましたが、日本の気候風土と合わないところがありました。

そのため、江戸時代の暦学者・渋川春海が改良し、今に至っています。

気候という言葉は、「二十四節気」の気と「七十二候」の候からできた言葉なんですよ

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二十四節気・七十二候の日にちと意味

では、二十四節気と七十二候を紹介します。

二十四節気の日にちは、年によって変わりますので、目安として見てください。

立春 りっしゅん

2月4日ごろ:春の始まり

まだまだ寒さ厳しいころですが、立春の後に初めて吹く強風を「春一番」と言い、ほんの少し春を感じることもあります。

七十二候

読み方 意味
東風解凍(2/4~2/8頃) こちこおりをとく 東風(はるかぜ)が氷を解かし始める
黄鶯睍睆(2/9~2/13頃) うぐいすなく うぐいすが山や里で鳴き始める
魚上水(2/14~2/18頃) うおこおりをいずる 割れた氷の間から魚が飛び出る

雨水 うすい

2月19日ごろ:雪から雨に変わり、大地を潤す

雪深いところもまだありますが、雪解け水に春を感じる頃です。

七十二候

読み方 意味
土脉潤起(2/19~2/22頃) つちのしょううるおいおこる 雨が降り、土が次第に湿り気を帯びる
霞始靆(2/23~2/28頃) かすみはじめてたなびく 山々に霞(かすみ)がたなびく
草木萌動(3/1~3/5頃) そうもくめばえいずる 草木が芽吹き始める

啓蟄 けいちつ

3月6日ごろ:大地が温まり、冬眠から目覚めた虫たちが顔を出す

日差しが春めいて、生き物が活動し始めるころです。

七十二候

読み方 意味
蟄虫啓戸(3/6~3/10頃) すごもりむしとをひらく 冬ごもりの虫が出てくる
桃始笑(3/11~3/15頃) ももはじめてさく 桃の花が咲き始める
菜虫化蝶(3/15~3/20頃) なむしちょうとなる 青虫が羽化して蝶になる

春分 しゅんぶん

3月21日ごろ:春の中間

昼夜の長さがほぼ同じになる日。

お彼岸の中日にもあたります。

七十二候

読み方 意味
雀始巣(3/21~3/25頃) すずめはじめてすくう 雀が巣を作り始める
桜始開(3/26~3/30頃) さくらはじめてひらく 桜が咲き始める
雷乃発声(3/31~4/4頃) かみなりすなわちこえをはっす 春雷が鳴り始める

清明 せいめい

4月5日ごろ:明るく清らかであること

万物が成長し、生き生きと清らかである季節だということから名づけられました。

七十二候

読み方 意味
玄鳥至(4/5~4/10頃) つばめきたる つばめが南からやってくる
鴻雁北(4/11~4/15頃) こうがんきたへかえる 雁(かり)が北へ帰っていく
虹始見(4/16~4/19頃) にじはじめてあらわる 雨が上がると虹がかかるようになる

穀雨 こくう

4月20日ごろ:春の雨に農作物を育てる

寒気が来ることは無くなり、この時期に農作物の種を植えるとよく成長すると言われています。

七十二候

読み方 意味
葭始生(4/20~4/24頃) あしはじめてしょうず 川辺の葦(あし)が芽吹き始める
霜止出苗(4/25~4/30頃) しもやんでなえいづる 霜はもう降りることなく苗が育ち始める
牡丹華(5/1~5/5頃) ぼたんはなさく 牡丹の花が咲き始める

立夏 りっか

5月6日ごろ:夏の始まり

新緑が美しく、さわやかな青天の日が多くなるころです。

七十二候

読み方 意味
蛙始鳴(5/6~10頃) かわずはじめてなく 田んぼで蛙が鳴き始める
蚯蚓出(5/11~16頃) みみずいづる ミミズが土の中から這い出して来る
竹笋生(5/17~20頃) たけのこしょうず 竹の子が頭を出してくる

小満 しょうまん

5月21日ごろ:陽気が良くなり、作物が実り始める

作物は、まだ身が膨らんだくらいで成熟はしていません。

少しだけ実っているという状態を「小満」という言葉で表しています。

七十二候

読み方 意味
蚕起食桑(5/21~5/26頃) かいこおきてくわをはむ 蚕(かいこ)が桑の葉を食べ始める
紅花栄(5/27~5/31頃) べにばなさかう 紅花が咲き乱れる
麦秋至(6/1~6/5頃) むぎのときいたる 麦が熟し、収穫時期となる

芒種 ぼうしゅ

6月6日ごろ:稲などの穀物の種をまく時期

芒とは、イネ科植物の穂先の硬い毛の部分を言います。

田植えの時期の目安で、農家が忙しくなります。

七十二候

読み方 意味
螳螂生(6/6~6/10頃) かまきりしょうず カマキリが生まれ始める
腐草為蛍(6/11~6/15頃) くされたるくさほたるとなる 草が枯れたところから蛍が生まれる
梅子黄(6/16~6/20頃) うめのみきばむ 梅の実が熟して黄色くなる

夏至 げし

6月21日ごろ:1年で昼が最も長くなる日

日本では、梅雨の真っ最中で蒸し暑さが増してくるころです。

七十二候

読み方 意味
乃東枯(6/21~6/25頃) なつかれくさかるる 夏草が枯れる
菖蒲華(6/26~7/1頃) あやめはなさく アヤメの花が咲き始める
半夏生(7/2~7/6頃) はんげしょうず 半夏(ハンゲ:カラスビシャク)が生える

小暑 しょうしょ

7月7日ごろ:暑さがだんだんと厳しくなるころ

梅雨明けが近づき、厚さ本番が近づいてくる季節

七十二候

読み方 意味
温風至(7/7~7/11頃) あつかぜいたる 暑い風が吹く
蓮始開(7/12~7/16頃) はすはじめてひらく 蓮の花が咲き始める
鷹乃学習(7/17~7/22頃) たかすなわちわざをなす 鷹のヒナが飛ぶことを覚える

大暑 たいしょ

7月23日ごろ:夏の暑さが本格的になるころ

土用の丑の日が近くなり、夏バテに気を付ける時期です。

七十二候

読み方 意味
桐始結花(7/23~7/27頃) きりはじめてはなをむすぶ 桐の花が実をつける
土潤溽暑(7/28~8/1頃) つちうるおうてむしあつし 湿気を持った土から発散される熱気が蒸し暑い
大雨時行(8/2~8/6頃) たいうときどきにふる 雨が猛烈に降ることがある

 

 

立秋 りっしゅう

8月7日ごろ:秋の始まりの日

まだ暑さは厳しいですが、この日から残暑となります。

七十二候

読み方 意味
涼風至(8/7~8/11頃) すずかぜいたる 涼しい風が吹き始める
寒蝉鳴(8/12~8/17頃) ひぐらしなく ひぐらしが鳴き始める
蒙霧升降8/18~8/22頃) ふかききりまとう 朝方には深い霧が立ち始める

処暑 しょしょ

8月23日ごろ:朝夕の涼しさが秋を感じる頃

台風シーズンも近づいてきます。

七十二候

読み方 意味
綿柎開(8/23~8/27頃) わたのはなしべひらく 綿の実がはじけ、白い綿が見える
天地始粛(8/28~9/1頃) てんちはじめてさむし 暑さが和らいでくる
禾乃登(9/2~9/7頃) こくものすなわちみのる 稲や麦が実り、収穫の時期となる

白露 はくろ

9月8日ごろ:草木に露が付き始めるころ

空が高くなり、本格的な秋が始まります。

七十二候

読み方 意味
草露白(9/8~9/12頃) くさのつゆしろし 草の露が白く光る
鶺鴒鳴(9/13~9/17頃) せきれいなく 鶺鴒(セキレイ)が鳴き始める
玄鳥去(9/18~9/22頃) つばめさる ツバメが南へ帰る

秋分 しゅうぶん

9月23日ごろ:昼と夜の長さがほぼ同じになる日

秋のお彼岸の中日で祝日になっています。

七十二候

読み方 意味
雷乃収声(9/23~9/27頃) かみなりすなわちこえをおさむ 雷が鳴り響かなかなくなる
蟄虫坏戸(9/28~10/2頃) むしかくれてとをふさぐ 虫たちが巣ごもりを始める
水始涸(10/3~10/7頃) みずはじめてかる 田んぼの水を抜き始める

寒露 かんろ

10月8日ごろ:草木に宿る露が冷たくなるころ

稲刈りが終わり、秋がぐっと深まる時期です。

七十二候

読み方 意味
鴻雁来(10/8~10/1頃) こうがんきたる 雁の群れがやってくる
菊花開(10/2~10/17頃) きくのはなひらく 菊の花が咲き始める
蟋蟀在戸(10/18~10/22頃) きりぎりすとにあり キリギリスが戸口の辺りで鳴くようになる

霜降 そうこう

10月23日ごろ:早朝には霜が降り始めるころ

晩秋になり、朝晩はだんだんと冷え込み、山々では紅葉が始まります。

七十二候

読み方 意味
霜始降(10/23~10/27頃) しもはじめてふる 霜が降り始める
霎時施(10/28~11/1頃) こさめときどきふる 時雨が時々降る
楓蔦黄(11/2~11/6頃) もみじつたきばむ もみじや蔦が色づき始める

 

 

立冬 りっとう

11月7日ごろ:冬の始まり

冬の訪れを感じる季節。

木枯らしも吹き始めます。

七十二候

読み方 意味
山茶始開(11/7~11/11頃) つばきはじめてひらく 山茶花(さざんか)の花が咲き始める
地始凍(11/12~11/16頃) ちはじめてこおる 地面が凍り始める
金盞香(11/17~11/21頃) きんせんかさく 水仙の花が咲いて香りが漂う

小雪 しょうせつ

11月22日ごろ:初雪が降り始めるころ

冬の入り口という時期で、落葉が美しく、そろそろ初雪が降る所もあります。

七十二候

読み方 意味
虹蔵不見(11/22~11/26頃) にじかくれてみえず 虹があまり出なくなる
朔風払葉(11/23~12/1頃) きたかぜこのはをはらう 木枯らしが木の葉を散らす
橘始黄(12/2~12/6頃) たちばなはじめてきばむ 橘の実が黄色くなり始める

大雪 たいせつ

12月7日ごろ:雪が本格的に降るころ

厳しい冬がやってきます。

動物たちも冬ごもりを始める時期です。

七十二候

読み方 意味
閉塞成冬(12/7~12/11頃) そらさむくふゆとなる 空が閉ざされたような冬になる
熊蟄穴(12/12~12/16頃) くまあなにこもる 熊が冬眠をする
鱖魚群(12/17~12/21頃) さけのうおむらがる 鮭が群がって川を上る

冬至 とうじ

12月22日ごろ:一年で最も昼が短く、夜が長い日

太陽の力が一番弱まる日で、冬至カボチャや、ゆず風呂などの風習があります。

七十二候

読み方 意味
乃東生(12/22~12/26頃) なつかれくさしょうず 夏枯草(ウツボ草)の芽が出てくる
麋角解(12/27~12/30頃) おおしかのつのおつる 大鹿の角が落ちて生え変わる
雪下出麦(12/31~1/4頃) ゆきわたりてむぎいずる 雪の下から麦の芽が出てくる

小寒 しょうかん

1月5日ごろ:寒さが一層厳しくなるころ

「寒の入り」と言って、この日から節分までを「寒の内」と呼びます。

七十二候

読み方 意味
芹乃栄(1/5~1/9頃) せりすなわちさかう 芹がよく生育する
水泉動(1/10~1/14頃) しみずあたたかをふくむ 地中で凍っていた水が温まり、動き出す
雉始雊(1/15~1/19頃) きじはじめてなく 雄の雉が鳴き始める

大寒 だいかん

1月20日ごろ:寒さが最も厳しいころ

一日中冷え込みが厳しく、最も寒さを感じる時期です。

ここを過ぎれば、春がやってくると待ち遠しく感じる時期でもあります。

七十二候

読み方 意味
款冬華(1/20~1/24頃) ふきのはなさく ふきのとうがつぼみをつける
水沢腹堅(1/25~1/29頃) さわみずこおりつめる 沢や湖に氷が厚く張る
鶏始乳(1/30~2/3頃) にわとりはじめてとやにつく 鶏が卵を産み始める

 

 

二十四節気と七十二候をふまえて

今回は、「二十四節気」と「七十二候」の暦一覧を紹介しました。

最後まで見てくださった方は、お気づきだと思います。

二十四節気と今の気候は、合わないというか、だいぶんずれています。

でも七十二候を見てみると、私たちの季節感にあっている部分が多いと思います。

近年の極端な気候不順は、また違った問題ですね

七十二候の言葉自体は、少し難しいですが、その時その時の自然の風景が見えるようです。

コロナ禍や忙しい日々に、ストレスや疲労もたまる一方の毎日。

こんなときこそ二十四節気と七十二候という暦を読んで、普段あまり気にしていない季節の流れを身近に感じてみてはいかがですか?

 

暦日には、これ以外に雑節というのもあります。

あなたにもおなじみのあの日も含まれている親しみある暦なんですよ。

興味があれば雑節の記事もお読みくださいね。

日本独自の暦日 雑節は季節に沿った親しみある暦

 

二十四節気・雑節和暦と行事
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小春

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