京の通称寺まとめ あのお寺の本当の名前はこれ 由来や逸話が面白い

お寺と神社

通称寺とは、通称名で親しまれている寺院のことで、京都にも数多くの通称寺があります。

それらの寺院が宗旨宗派を超えて集まった「京の通称寺の会」まであるくらいなのです。

通称寺の会では、

通称寺の会は、通称寺のいわれ・ゆかり・庶民信仰・歴史・伝統・伝説等を通じて京都市民及び京都を訪れる人とユニークな心のふれ合い・安らぎに努め、寺を心の泉としての社会教化と京都文化の振興を図ることを目的とします      通称寺の会公式ホームページより

と書かれていて、2021年秋現在、京都市内を中心に39もの寺院が参加されています。

そこで今回は、「京の通称寺の会」に参加されている寺院について、通称の由来や特色を簡単にまとめてみました。

いつもと違った角度から京都を見れば、もっと楽しく京都めぐりができると思いますよ。

ぜひ最後までお読みくださいね。

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  1. 洛北
    1. 補陀洛寺(ふだらくじ)  「小町寺」
    2. 妙円寺  「松ヶ崎大黒天」
  2. 洛中
    1. 引接寺(いんじょうじ)  「千本ゑんま堂」
    2. 石像寺(しゃくぞうじ)  「釘抜地蔵」
    3. 報恩寺   「鳴虎(なきとら)」
    4. 浄土院  「湯たくさん茶くれん寺」
    5. 護浄院(ごじょういん)  「清荒神(きよしこうじん)」
    6. 地蔵院  「椿寺」
    7. 華光寺(けこうじ)  「出水(でみず)の毘沙門さま」
    8. 福勝寺   「ひょうたん寺」
    9. 法輪寺   「だるま寺」
    10. 祐正寺(ゆうしょうじ)  「つまとり地蔵」
    11. 薬師院   「こぬか薬師」
    12. 大福寺   「菩提薬師」
    13. 頂法寺(ちょうほうじ)  「六角堂」
    14. 西光寺   寅薬師
    15. 永福寺   「蛸薬師堂」
    16. 上徳寺   「世継地蔵」
    17. 宗徳寺(そうとくじ)  「粟嶋堂(あわしまどう)」
  3. 洛東
    1. 浄土院   「大文字寺」
    2. 真正(しんしょう)極楽寺   「真如堂(しんにょどう)」
    3. 西雲院(さいうんいん)  「紫雲石(しうんせき)」  
    4. 常光院   「八はしでら」
    5. 仲源寺   「めやみ地蔵」
    6. 金剛寺   「八坂庚申堂(やさかこうしんどう)」
    7. 安祥院(あんしょういん)   「日限(ひぎり)地蔵」
    8. 養源院   「血天井・宗達寺」
    9. 即成院(そくじょういん)   「那須の与一さん」
    10. 観音寺   「今熊野」
    11. 双林院   「山科聖天(やましなしょうてん)」
    12. 法厳寺(奉権治)   「牛尾観音」
  4. 洛西
    1. 清涼寺   「嵯峨釈迦堂」
    2. 東林院   「沙羅双樹(さらそうじゅ)の寺」
    3. 地蔵寺  「桂地蔵」
    4. 勝持寺(しょうじじ)   「花の寺」
  5. 洛南
    1. 善願寺   「腹帯地蔵」
    2. 勝念寺   「かましきさん」
    3. 法界寺   「日野薬師」
    4. 放生院(ほうじょういん)   「橋寺」
  6. 京の通称寺の会公式ガイドブック
  7. 終わりに 京都検定受検に向けて

洛北

京都市北部では、左京区の2ヶ寺が参加されています。

補陀洛寺(ふだらくじ)  「小町寺」

晩年の小野小町が移り住み、ここで亡くなったという伝説から「小町寺」と呼ばれています。

境内には、ご本尊の側に小町老衰像が安置されているほか、小野小町供養塔・深草少将通魂碑・小町姿見の井戸などがあります。

住所 左京区静市市原町1140
拝観時間 9:00~16:00

妙円寺  「松ヶ崎大黒天」

 

ご本尊の大黒天は、伝教大師最澄一刀三礼の作と伝わっています。

京都鬼門守護の福の神としてお祀りされた大黒天は、古くから「松ヶ崎大黒天」と親しまれています。

日本最古「都七福神めぐり」の霊場でもあり、広く信仰されています。

住所 左京区松ヶ崎東長31
拝観時間 9:00~16:30

 

洛中

洛中の通称寺は、1番多く17ヶ寺あります。

引接寺(いんじょうじ)  「千本ゑんま堂」

平安時代の歌人として有名な小野篁は、昼は宮中に仕え、夜は閻魔王に仕えていたという伝説を持つ人物です。

引接寺は、小野篁が閻魔法王の姿を刻み安置したことが始まりとされています。

境内の西北には、小野篁が、紫式部のあの世での不遇な姿を見て、成仏させるために建てた供養塔があります。

また、室町時代の足利義満が、その美しい姿に感服したという普賢象桜も見どころです。

毎年5月には、京都三大念仏狂言の1つとされる「ゑんま堂大狂言」(京都市登録無形民俗文化財)が催されます。

京都三大念仏狂言

ゑんま堂大念仏狂言
壬生大念仏狂言(壬生寺)
嵯峨大念仏狂言(清涼寺)

住所 上京区千本通寺之内上ル 閻魔前町34
拝観時間 9:00~17:00

石像寺(しゃくぞうじ)  「釘抜地蔵」

石像寺のお地蔵さまは、人間の様々な苦しみを抜いてくださるお地蔵様とされ、「苦抜き地蔵」と呼ばれていました。

それがいつのころから「釘抜地蔵」となりました。

苦しみの釘を抜いてくださるという意味もあるようです。

住所 上京区千本通上立売上ル 花車町503
拝観時間 8:30~16:30

報恩寺   「鳴虎(なきとら)」

ご本尊は、快慶が作ったと伝わる阿弥陀三尊像です。

寺宝であった中国の画家・四明陶佾しめいとういつが描いた虎図を、豊臣秀吉が気に入り、聚楽第へ持ち帰ったところ、夜になると虎が鳴いて眠ることができなかったそうです。

そこで、早々に寺に返すと、虎は静かになりました。

この話が、通称「鳴虎」の由来と言われています。

また、国の重要文化財に指定されている梵鐘は「撞かずの鐘」と呼ばれ、今でも除夜と大法要の時しか撞かれません。

 

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ほかにも、福岡藩初代藩主・黒田長政は、このお寺で亡くなり、父の黒田官兵衛と長政の位牌が安置されているなど、見どころがたくさんあります。

住所 上京区小川通寺之内下ル 射場町579
拝観時間 10:00~16:00

浄土院  「湯たくさん茶くれん寺」

北野の大茶会を開いた豊臣秀吉が、その帰りこのお寺に立ち寄り、茶を求めました。

しかし住職は、茶の湯に未熟なことを恥じて、白湯を献じました。

すると、秀吉は茶を所望、住職は白湯を献じる…。

それが何度か続くうちに、秀吉は、住職の気持ちを察したのです。

そして「この寺は、湯ばかりたくさんで、茶をくれん」と笑いながら秀吉が住職に行ったとか言わなかったとか。

そこから「湯沢山茶くれん寺」というユニークな通称が生まれたそうです。

非礼を怒ることもなく、笑ってこのように言った秀吉のおおらかさと、茶目っ気のある住職の対応が面白いですね。

住所 上京区今出川通千本西入ル 南上善寺町179
要予約(通常非公開) 075-461-0701

護浄院(ごじょういん)  「清荒神(きよしこうじん)」

荒神口の地名の由来となったのが、護浄院「清荒神」です。

荒神とは、火を守る神様の事で、火を使うかまどの上に祀られ、今でも「火の用心」の神様として広く信仰されています。

境内尊内堂にお祀りされている福徳恵比寿神は、「京都七福神」の1つになっています。

住所 上京区荒神口通寺町東入ル 荒神町122
拝観時間 8:00~16:00

 

地蔵院  「椿寺」

通称通り、見事な椿が有名なお寺です。

豊臣秀吉が献じたと伝わる椿の木は、1本の木に濃淡様々な色合いが楽しめる花をつけ、散り際も花びらが一枚ずつ散ることから「五色八重散椿」と呼ばれています。

樹齢400年とも言われていた初代の椿は昭和58年に枯れてしまいましたが、今は樹齢100年超の二代目が美しい花を咲かせています。

ちなみに例年の見ごろは3月の終わりから4月の初め頃です。

境内には、赤穂義士の影の功労者・天野利兵衛の墓もあります。

住所  北区大将軍川端町2
拝観時間  9:00~16:00

華光寺(けこうじ)  「出水(でみず)の毘沙門さま」

豊臣秀吉が伏見城に安置していた毘沙門天が寄進され、信仰を集めました。

すでに枯死してしまったのですが、秀吉手植えの「時雨松」「五色椿」「出水の七不思議」(出水通りに伝わる不思議話)の中に入っています。

住所 上京区出水通六軒町西入ル 七番町331
境内自由 開門 9:00~15:00

福勝寺   「ひょうたん寺」

豊臣秀吉が先勝祈願に千成瓢箪を寄進し、旗印にも千成瓢箪を描いたことから、「ひょうたん寺」という通称が付きました。

節分には、ひょうたんのお守りが授与されます。

 

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住所  上京区出水通千本西入ル 七番町323-1
拝観時間  5:00~17:00 (毎月1・16日 本堂・聖天堂のみ)

法輪寺   「だるま寺」

第二次世界大戦後の日本の復興を祈願して、達磨大師の七転び八起きの起き上がりをシンボルとした達磨堂を建立、それ以来「だるま寺」と呼ばれるようになりました。

達磨堂はもちろん、境内のいたるところに1万体を超えるだるまさんがいらっしゃいます。

法輪寺(達磨寺)の写真

屋根の上にもだるまさん!京都フリー写真素材

そのほか、一六羅漢像十牛の庭なども見どころです。

住所  上京区下ノ下立売通神屋川東入ル 行衛町
拝観時間  9:00~17:00

祐正寺(ゆうしょうじ)  「つまとり地蔵」

境内の地蔵堂に安置された鮮やかな彩色をされたお地蔵さまは娶妻結つまとり地蔵」と呼ばれ、通称の由来となっています。

その名の通り、主に男性の縁結びのご利益があるとして、信仰を集めているそうです。

春には見事なしだれ梅が咲くことでも知られています。

住所  上京区下立売七本松東入
拝観時間  8:00~16:30

薬師院   「こぬか薬師」

鎌倉時代に全国で疫病が流行ったとき、ある夜住職の夢枕に薬師如来がお立ちになりました。

そして、このようにおっしゃいました。

一切病苦の衆生、我が前に来たらば諸病ことごとく除くべきに、来也(こぬか)、来也(こぬか)

これを、民に知らせたところ、みんな病気が治ったのです。

この伝説から、こちらのお寺は「こぬか薬師」と呼ばれるようになりました。

 

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昔は町内一帯が境内だったそうですが、今では本堂と庫裏があるのみです。

住所  中京区釜座通二条上ル
境内拝観自由

大福寺   「菩提薬師」

ご本尊の菩提薬師如来像は、聖徳太子の作と言われ京都十二薬師霊場の1つになっています。

幕末には、勤皇の志士・梅田雲浜が仮住まいをしていました。

「大福」という縁起の良い名前から、お正月には、商売繁盛を祈願して商家の人たちが出納帳に御朱印をいただくことが多かったそうで、これが「大福帳」の由来になっています。

心温まる可愛い御朱印が有名です。

住所   中京区麩屋町二条上ル 布袋屋町498
拝観時間 不定 (要確認 075-231-3624)

御朱印授与時間などは、大福寺の公式ツイッターでお知らせされています。

頂法寺(ちょうほうじ)  「六角堂」

聖徳太子が創建されたとされ、御堂の形から「六角堂」「六角さん」と呼ばれて京都の人々に長く親しまれています。

江戸時代より前、京都の町は上京と下京に分かれていましたが、六角堂は下京の町堂として町衆の信仰を集め、祇園祭のくじ取式も江戸時代末までは、六角堂で行われていました。

これらのことから、六角堂は、今も京都の中心とされています。

境内には「へそ石」もありますよ。

また、生け花発祥の地として、華道の家元・池坊が代々住職を務めています

住所  中京区六角通東洞院西入ル 堂之前町248
拝観時間  6:00~17:00

西光寺   寅薬師

弘法大師空海が作り上げた日が寅の日、寅の刻だったころから寅薬師如来と呼ばれた尊像が下賜されたことが通称の由来です。

開運除災・無病息災のご利益があるとされ、広く信仰されてきました。

寅薬師は、新京極通りに面したところにあり、新京極8社寺の1つになっています。

 

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住所  中京区新京極通蛸薬師上ル 中筋町495-1
拝観時間  10:00~16:30

永福寺   「蛸薬師堂」

昔この寺にいた親孝行な僧が病身の母が食べたがった蛸を買ったところ、僧侶が生魚を買ったことを不審に思った町の人たちが、彼を問い詰め、買ったものを見せるように求めました。

進退きわまった僧は、必死で日ごろ信仰していた薬師如来にお願いしたところ、蛸は八軸の経典に変わり、霊光を発しました。

これを見た町衆たちは、みんな合掌してお祈りをしました。

その霊光は、僧の母の病気も直してしまい、以降蛸薬師と呼ばれるようになったということです。

現在も、病気平癒・ガン封時の薬師如来様として多くの方が参拝されています。

住所  中京区新京極通蛸薬師下ル 東側町503
拝観時間  8:00~17:00

上徳寺   「世継地蔵」

上徳寺は、徳川家康が側室の阿茶の局の菩提を弔うために建立した寺院です。

本堂の奥には、古くから良き世継を授かると言われている地蔵様「世継地蔵」がお祀りされています。

2月8日は、「一億功日功徳日いちおくこうじつくどくび」と言い、最も功徳をいただける日とされていますが、上善寺では毎年この日に「世継地蔵尊大祭」が催されています。

住所  下京区富小路通五条下ル 本塩竈町556
拝観時間  9:00~17:00

宗徳寺(そうとくじ)  「粟嶋堂(あわしまどう)」

今から600年ほど前に南慶和尚が、紀伊の国・淡島より虚空蔵菩薩を勧請し、この地に淡島明神としてお祀りしました。

虚空蔵菩薩は、医薬の神様・少彦名命すくなひこなのみことの化身であるとされ、粟嶋堂は、古くから、下の病への霊源があらたかで、多くの参詣者がありました。

現在も婦人病平癒・安産・子授け、などのご利益があり、女性一生の守り神とされています。

住所  下京区岩上通塩小路上ル 三軒替地町124
拝観時間  9:00~17:00

 

洛東

洛東の地域で「京の通称寺」とされているところは、12ヶ寺です。

浄土院   「大文字寺」

銀閣寺の近くにある浄土院は、五山の送り火の1つ・大文字を管理していることから「大文字寺」と呼ばれています。

ご本尊の阿弥陀如来像は、足利義政の持仏と言われ、慈覚大師が作ったものです。

弘法大師空海も併せてお祀りされていて、五山の送り火は、山上にある弘法大師堂の灯明から火をいただいて、大文字に点火されています。

住所  左京区銀閣寺町30
拝観時間  9:00~16:30

真正(しんしょう)極楽寺   「真如堂(しんにょどう)」

”この地が正真正銘の極楽の霊地である”という意味のある寺名・真正極楽寺、その本堂を表す真如堂が通称となりました。

ご本尊の阿弥陀如来は、「うなずきの弥陀」と呼ばれています。

うなずきの弥陀

比叡山の僧が、阿弥陀如来像を作って「京の人々、特に女性をお救いください」と願うと、阿弥陀如来様が三度うなずかれたという伝説が由来となっています

広い境内は、四季を通じて美しい景色を見ることができますが、特に紅葉の季節は見事です。

住所  左京区浄土寺真如町82
拝観時間 9:00~16:00

西雲院(さいうんいん)  「紫雲石(しうんせき)」  

西雲院は、金戒光明寺の塔頭で、会津藩戦没者墓地をあずかっておられます。

通称の「紫雲石」とは、法然上人がすわって悟りを開いたとされる石で、その時、紫の雲がたなびいたことからこの名があります。

住所  左京区黒谷町121
拝観時間  9:00~16:00

常光院   「八はしでら」

常光院も金戒光明寺の塔頭です。

金戒光明寺の大きな山門の横にある坂道の途中にあり、門前には「八はしでら」と刻まれた石碑が建っています。

「八はし」とは、この寺院が菩提寺になっている八橋検校のことです。

八橋検校は、江戸時代初期の筝曲演奏家・作曲家で、日本の箏曲の祖とされています。

八橋検校の命日である6月12日は、毎年「八橋忌」が催され、箏演奏の奉納が行われます。

京都の和菓子として有名な「八ツ橋」は、常光院近くの聖護院八ツ橋の代表的なお菓子です。

「八ッ橋」と言われてまず思い出すのは、ほとんどの方が八橋検校ではなく、こちらのお菓子だと思います。

ご想像の通り、「八ッ橋」の由来には八橋検校が関わっていました。

聖護院八ッ橋総本店さんのホームページでは、八橋検校と八ッ橋の関係についてこのように書かれています。

(八橋検校没後)埋葬された常光院には墓参に訪れる人が絶えませんでした。そのため、検校没後四年後の元禄二年、琴に似せた干菓子を「八ッ橋」と名付け、黒谷参道にあたる聖護院の森の茶店にて、販売し始めました。    聖護院八ッ橋総本店ホームページより

もし「八ッ橋」を召し上がる機会があったら、このような由来があることにも思いを馳せてみてくださいね。

(八ッ橋を販売されているお店は、聖護院八ッ橋さん以外にもあります)

住所  左京区黒谷町33
拝観自由

仲源寺   「めやみ地蔵」

祇園花見小路から四条通を西へ少し歩いたところにあるのが仲源寺です。

こちらに安置されているお地蔵様が「めやみ地蔵」と呼ばれています。

昔、鴨川は大雨になるたびに洪水になるような川でした。

ある時、長雨が降り、また賀茂川が氾濫しそうになった時、人々がこちらのお地蔵様にすがり、何とか大きな洪水になることは免れたそうです。

そのためお地蔵さまは「雨止み地蔵」として広く信仰されるようになります。

「雨止み」が「めやみ(目疾)」に代わったのは目の病に苦しんでいたある僧が、夢のお告げにより、仲源寺の閼伽水(仏様にお供えする水)で目を洗ったところ、病が治ったという伝説によります。

住所  東山区四条通大和大路東入ル 祇園町南側
拝観時間  7:00~19:00(寺務所 9:00~16:30)

金剛寺   「八坂庚申堂(やさかこうしんどう)」

庚申とは、干支の「庚申」(かのえさる)の日のことです。

道教の教えに、人の体には三尸(さんし)の虫がいるとされています。

その虫が、庚申の夜に人間の体から出て、その人の罪や悪いことを寿命を司る天帝に告げ口すると考えられていました。

悪いことをしている人間は、天帝によって寿命が縮められる…それは困るというので、庚申の夜は夜通し起きておこう…でも眠い。

そんな時に強い味方になってくださるのが、金剛寺のご本尊・青面金剛像:庚申さんでした。

庚申さんは、三尸の虫にとって天敵なのです。

また、「見ざる、言わざる、聞かざる」のお猿さんも庚申信仰の神様でした。

八坂庚申堂にあんなにたくさんのカラフルで可愛いくくり猿がいらっしゃるのは、庚申さんとともに三尸の虫をやっつけるためなんですね。

住所  東山区金園町390
拝観時間  9:00~17:00

安祥院(あんしょういん)   「日限(ひぎり)地蔵」

木食修行(五穀を絶って木の実などを主食とする修業)という厳しい修行を修していた養阿上人が荒廃していた安祥院を現在地に再建したのが始まりとされています。

ここにお祀りされているお地蔵さまは、日を限ってお願いすれば、どんな願い事も叶えてくださることから、「日限地蔵」と呼ばれています。

春には京都市の保存樹に指定されている高さ10mの山桜が咲き誇ります。

勤皇の志士・梅田雲浜の墓があることでも知られています。

住所  東山区五条通東大路東入 遊行前町560
拝観時間  8:00~16:00

養源院   「血天井・宗達寺」

養源院は、豊臣秀吉の側室・淀殿が、父・浅井長政を供養するために建立しました。

その後火災で焼失しますが、淀殿の妹で徳川秀忠の正室・お江により再建されました。

本堂前の廊下の天井は、「血天井」と呼ばれています。

これは、関ケ原の戦いの前線・伏見城の戦いで、石田三成方に攻め寄せられ、自刀した徳川の武士・鳥居元忠たちを供養するために、彼らが自刀した廊下の板の間が使用されたものです。

本堂には、同じく徳川の武士たちを供養するために俵屋宗達が描いた「白象」や「唐獅子」などの杉戸や襖絵があります。

住所  東山区三十三間堂廻り町656
拝観時間  9:00~16:00

即成院(そくじょういん)   「那須の与一さん」

泉涌寺の塔頭の1つで、泉涌寺総門の手前にあります。

ご本尊の阿弥陀如来二十五菩薩坐像は、平安時代に作られたもので、極楽浄土を立体的に表した歴史的価値の高い像です。(国の重要文化財に指定)

 

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源平合戦の屋島の戦いで有名な那須与一ゆかりの寺院としても有名で、那須与一は即成院で生涯を閉じたと言われ、与一の墓とされる石宝塔もあり、これが通称の由来になっています。

住所  東山区泉涌寺山内町28
拝観時間  9:00~17:00

観音寺   「今熊野」

今熊野観音寺

弘法大師空海が、熊野権現のご霊示を受け、開創した寺院です。

「ボケ封じ」「頭痛封じ」のご利益があるとされ、「頭の観音様」として広く信仰されています。

秋には、紅葉の穴場スポットとして、知る人ぞ知る名所になっています。

住所  東山区泉涌寺山内町32
拝観時間  8:00~17:00

双林院   「山科聖天(やましなしょうてん)」

双林院は、紅葉の名所・毘沙門堂門跡の塔頭です。

明治元年、毘沙門堂公遵法親王の念持仏である大聖歓喜天だいしょうかんきてん」(聖天さん)を本尊とした聖天堂が建立されました。

小さなお寺ながら、あらゆる願いが叶うとされる聖天さんをお参りに来られる方が多くいらっしゃいます。

住所  山科区安朱稲荷山町18-1
拝観時間  8:00~17:00

法厳寺(奉権治)   「牛尾観音」

法厳寺は、音羽山の西南にある峰・牛尾山の山中にある本山修験宗の寺院で、かつては「清水寺の奥の院」とも言われていました。

ご本尊の十一面観音菩薩像は、天智天皇が作ったという説があります。

滝行の修行場や座禅、写経などの体験(不定期)もできますが、何しろ山の中腹にあるので、参拝するときは登山並みの準備が必要です。

住所  山科区音羽南谷1
拝観は事前に連絡が必要です。075-581-1586

 

洛西

洛西地域には、4ケ寺あります。

清涼寺   「嵯峨釈迦堂」

『源氏物語』のモデルと言われる源融みなもとのとおるの山荘の一部を寺に改めたものが、清凉寺の始まりです。

ご本尊の釈迦如来像(国宝)は、インド→中国→日本と渡ってきたことから「三国伝来の釈迦像」や、本当のお釈迦様に生き写しだということから「生身の釈迦」と呼ばれ、像の胎内には五臓六腑が入っています。

現在の本堂は、5代将軍・徳川綱吉の母である桂昌院によって再建されたものです。

住所  右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46
拝観時間  9:00~16:00

東林院   「沙羅双樹(さらそうじゅ)の寺」

境内に沙羅双樹の林があることからこの通称がついています。

妙心寺の塔頭で、新春には「小豆粥の会」、初夏には「沙羅双樹を愛でる会」が催されています。

室町時代末、細川氏綱が父の高国の菩提を弔うために建立しました。

そののち、山名豊国が開基となり、妙心寺塔頭・東林院として再興し、山名家の菩提寺となりました。

また、毎週火・金曜日には、住職による精進料理体験教室が開かれています。

住所  右京区花園妙心寺町59
通常非公開 催事の時のみ公開

地蔵寺  「桂地蔵」

京洛六地蔵めぐりの札所。

平安初期、小野篁が一度冥府へ行ったが、そこにあった生身の地蔵菩薩を拝んだところ、現世に蘇ったため、1本の木から6体の地蔵を彫りだしました。

その1つが、「桂地蔵」だと言われています。

住所  西京区桂春日町8
拝観時間  9:00~17:00

勝持寺(しょうじじ)   「花の寺」

京の西・西山連峰のふもとにある寺院です。

天武天皇の勅により建立されたのが始まりで、平安時代初期には、伝教大師最澄が、桓武天皇の勅をいただき、再建しました。

ご本尊は、伝教大師が一刀三礼をもって刻んだ薬師瑠璃光如来

境内には、西行法師ゆかりの「西行桜」があり、見ごろの時期にはひときわ美しく咲き誇ります。

この「西行桜」の見事さから「花の寺」と呼ばれるようになりました。

住所  西京区大原野南春日町1194
拝観時間  9:00~17:00

 

洛南

最後は洛南です。

洛南には伏見と宇治市に4ヶ所の「京の通称寺」があります。

善願寺   「腹帯地蔵」

善願寺の地蔵菩薩像は、平安時代末期、平清盛の5男・重衡の妻の安産を祈願して作られたと伝わっています。

お地蔵様が腹帯をつけているように見えることから、いつしか「腹帯地蔵」と呼ばれるようになり、安産のご利益があるとされています。

 

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境内には、樹齢1000年超の神木・かやの木に不動明王が刻まれていて、その珍しい不動様への参詣者も多く見られます。

住所  伏見区醍醐南里町33
拝観時間  9:30~16:00(不定休)

勝念寺   「かましきさん」

境内にお祀りされている身代釜敷地蔵尊は、地獄で釜ゆでの責め苦に苦しむ人の身代わりになって、釜の中へ入り、地獄で苦しむ人たちを救ってくださるお地蔵様です。

織田信長が深く帰依した貞安上人が、織田信長より賜った地蔵尊で、「かましきさん」と呼ばれ、信仰を集めています。

9月には「萩振る舞い」が行われ、境内所狭しと咲き乱れる美しい萩の花を楽しむことができます。

住所  伏見区石屋町521
拝観時間  9:00~16:00

法界寺   「日野薬師」

藤原氏北家の日野家の菩提寺で、日野資業すけなりが、伝教大師最澄が作った小さな薬師如来像を体内に納めた薬師如来像を安置し、薬師堂を建立したことからこの通称があります。

胎内仏ということで、安産・子授の他授乳のご利益があるとされ、「乳薬師」とも呼ばれています。

住所  伏見区日野西大道町19
拝観時間  9:00~17:00(季節により変わる)

放生院(ほうじょういん)   「橋寺」

推古12年(604年)に、聖徳太子の発願により、秦河勝が建立したと伝わっています。

そののち、宇治橋が架かると、その宇治橋の管理を任されたことから「橋寺」の通称があります。

本堂前に立っている宇治橋断碑は、宇治橋を架けた由来が書かれた石碑で、日本最古の石碑と言われています。

住所  宇治市宇治東内11
拝観時間  9:00~16:00

 

以上全39ヶ寺です。

京の通称寺の会公式ガイドブック

あまりなじみのないお寺や、初見のお寺もあったのではないでしょうか?

私も初めて聞いたお寺がありましたし、まだ行ったことのないお寺も多いです。

これを機会に少しずつめぐってみようと思っています。

そんな時には、「京の通称寺の会」公式ガイドブック(1000円)がおすすめです。

それぞれのお寺の情報やアクセスなどが書いてあったり、巡拝する場合には各寺院でいただけるシール(100円)を貼るページもあります。

詳しくは「京の通称寺の会」公式サイトをご覧くださいね。

終わりに 京都検定受検に向けて

最後になりましたが、「京の通称寺」は2021年の京都検定の公開テーマなんですよね。

私も約10年ぶりに京都検定を受検するので、実は勉強も兼ねて今回の記事を書きました。

前回は3級を受検しましたが、京都市民で歴史好きというアドバンテージがあったので、正直楽勝でした。

でも2級はどうもそういうわけにはいかないようです。

仕事の合間に、少しずつ勉強をしていますが…難しいかも。

あと少ししか時間がありませんが、何とか頑張ってみます。

京都検定受検者のみなさん、がんばりましょう!


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